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生産者の取組み

ハウス内環境制御で、理想の暮らし・理想の働き方に一歩近付く!

ハウス内環境を一括で自動制御できたら、どれほど省力化できるだろう? 今回は、新規就農時から理想的な環境を自ら用意して成功を収めている、とある農家の事例をご紹介しよう。

スマホで環境制御できるから
1日ハウスを離れることも可能に

高糖度トマト”フルティカ”のハウス栽培に挑む、若手新規就農者がいる。成田空港のほど近く、千葉県香取郡多古町にて、あのや菜園を経営する橋本さんご夫妻だ。お二人が多古町に来たのは2010年11月のこと。将来的な独立を前提に、移住して農業法人で修行を開始。そして4年半後に晴れてフルティカを専門に栽培する農家として独立を果たした。施設面積は10aと控えめだ。

「これは私たち夫婦二人が面倒を見れる最適なサイズです。高品質なトマトなら、このサイズでも適切に収量を得られれば、充分に生活できます。これ以上だと労働が厳しいですから」と橋本さん。

そんな橋本さんが頼りにしているのが、ハウス内環境を一括制御する環境制御装置だ。

「立ち上げ当初から、複合環境制御盤と、かん水制御盤、温風暖房機などを入れています。これが温度・湿度・照度・CO2濃度を設定した値に保ち、水をあげてくれます。ハウス内環境は離れていても『アグリネット』を通じてスマホ等で確認できるので、日帰りなら夫婦で旅行に出掛けることもできますよ」と笑う。


あのや菜園が生産する”フルティカ”の味の良さは口コミを中心に広がっているようだ。現在の販売先は、所属する農事組合法人”和郷園”と直販とが半々であるが、「一度買って下さったお客様の周辺に広がって、徐々に直販が増えてきています」とのこと。

「規模の拡大は考えていません。それより面積当たりの収量の向上を目指しています。いまは、かん水の制御を秒単位で設定して、生育の状況を見ながらいろいろと試しているところです。モニタリングを行って蓄積されたデータをより上手く活用すれば、もっともっとトマトに最適なケアをしてあげられるはずです」。

丁寧に作物へ向き合いながら、夫婦の暮らしも大切にしたい。ハウス内環境を一括制御してくれるICT技術は、橋本さんの働き方に欠かせない存在になっているようだ。

あのや菜園はこの組み合わせで
環境をコントロール!

温風暖房機

あのや菜園では、複合環境制御盤と接続して、温風暖房機の『ハウスカオンキ』が使われていた。無人のハウスを制御システムで快適に暖められる。

複合環境制御盤&かん水制御盤

複合環境制御盤『MC-6000』とかん水制御盤『SPC-5320』を活用。複合環境制御盤は暖房機・換気装置・カーテンなどを一括操作でき、省力化に貢献してくれる。

統合環境制御盤 MC-6001
今回紹介した複合環境制御盤MC-6000と、かん水制御盤SPC-5320の新型モデルが今秋発売!詳細はネポンHPにて順次リリース予定。

 

クラウドサービス

ハウス内の温度・湿度・照度・CO2 濃度などの環境をモニタリングし、離れた場所でも端末上で確認できるクラウドサービス。(モニタリング料金:2,980円~/月)

 

取材協力

あのや菜園

インテリアデザイナーから農家に転身した橋本さんと奥様が経営するあのや菜園は、夫婦二人が幸せに暮らせるサイズを重視。こんな素敵な農家のあり方、独立希望者に参考となるはずだ。

お問い合わせ

ネポン株式会社
〒243-0215 神奈川県厚木市上古沢411
TEL:046-247-3269


photo: Daisuke Uchida text: Reggy Kawashima

『AGRI JOURNAL』vol.8より転載

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