毎日忙しい農家を救う!? 音声入力システムで“スマート農業”を推進!
2019/12/24
日立システムズ、ソフトビル、オンキヨーの3社が、JAおきなわ中部地区の協力を得て、ハンズフリーデバイスを活用した音声入力システムの実証実験を2020年1月からスタートさせる。音声入力によって作業記録にかかる負担が軽減されるほか、データの活用が容易になるという画期的なシステムの仕組みを見ていこう。
社が協働、農家に負担をかけず
作業記録をデータ化
出典:株式会社日立システムズ
スマート農業では、ICT機器で収集した天候・温度などのデータに加え、プロの農家の技術やノウハウを栽培記録などからデータ化して、「だれが栽培管理をしても一定の品質の作物を収穫できる」ことを目指している。
データを活用したスマート農業を推進するにあたり、課題となっているのが農家の作業記録のデジタル化だ。
日々の作業で忙しい農家が毎日の作業記録を、パソコンなどを用いて入力していくのは大きな負担となってしまう。そこで日立システムズ、ソフトビル、オンキヨーの3社は、手作業での入力が必要ない音声入力システムを開発した。
日立システムズが企画から実施、課題抽出などを担当。ソフトビルが農業向けに開発した業務改善プラットフォーム「FarmBOX(ファームボックス)」と、オンキヨーが開発した対話音声テキスト化システムを連携させ、取得した音声を生育ノウハウとしてナレッジデータベース化するシステムになっている。
農業指導員と担当農家の
会話内容を自動でテキストに
データ化する音声は、農家を回る農業指導員と担当農家との会話内容だ。
農業指導員がオンキヨーのネックスピーカー型デバイスを装着して、担当農家と会話すると、その内容が自動でテキスト化される。さらに、テキストの中から農作物の栽培ノウハウに関する部分を抽出してデータベースに登録する。ネックスピーカーはハンズフリーで、農業指導員の手と耳をふさぐことなく会話を記録できる仕組みだ。
また、このデバイスは装着した人の音声だけでなく、会話相手の音声もテキスト化できる。テキスト化と同時に音声と位置情報もサーバーに記録でき、各種データを解析に利用することも可能だ。
今後、3社は実証実験を通して音声システムの実用化を目指す。農家に負担をかけずに作業記録をデータ化することで、収穫予想の精度向上、作業負担の軽減、生産量安定化の実現を目指している。
DATA
TEXT:高橋みゆき