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【家庭菜園】トマト栽培にベストな肥料とは?おいしいトマトの正しい栽培方法を解説!

家庭菜園でトマトを栽培する際にどのような手順で進めるべきか良くわからない人も多いのではないだろうか。そこで今回は、トマト栽培で大切なポイントや肥料の選び方、適切な施肥のタイミングについて解説する。初心者でも美味しいトマトを簡単に育てられる方法を学んでいこう。

<目次>
1.トマトの豆知識
2.トマト栽培(施肥)の手順と役割 適切な肥料の量(過多対策)
3.トマト栽培において大切なことは?
4.まとめ

 

自宅の庭に家庭菜園をつくって、野菜を栽培してみたいと考えている人は多いのではないだろうか?なかでもトマト栽培は人気が高く、うまく実れば食卓でおいしく味わえる。

しかし、家庭でトマトを栽培したいと思う人にとって、適切な肥料の与え方や栽培方法で悩んでいる方は多いかもしれない。ただ、トマトはコツさえつかめば栽培は難しくないので、家庭菜園でおいしいトマトをつくってみよう。

そこで今回は、トマト栽培に最適な肥料と、おいしいトマトの栽培方法について詳しく解説していく。これから家庭菜園でトマトをつくろうと考えている方は、ぜひ参考にしてほしい。

トマトの豆知識

トマトは主に、7月から8月に収穫される夏野菜のイメージを持つ方が多いのではないだろうか。

しかし今ではハウス栽培が盛んになって、促成長期栽培や抑制栽培などさまざまな栽培方法を行うことで、夏以外の季節でもおいしいトマトを味わえるようになった。ハウス栽培したトマトが最もおいしい時期は春で、夏のトマトよりも甘みが強いことが特徴だ。

またトマトは、栄養分の高い野菜として知られている。トマトにはリコピンやビタミンC、カリウムが豊富に含まれているため、家庭菜園で栽培しても栄養価の高いトマトを気軽に味わえる。

近年トマト栽培は進化を続けていて、特殊な養液を霧状に吹きかけることで、トマトに含まれる糖やGABAの量を劇的に増やすことができる。また、養液をトマトの根にかけることで根の生育が活性化され、光合成によってつくられた養分を安定的に蓄積することが可能になる。

詳しい仕組みは、こちらの記事を参考にすると良いだろう。

このようなトマト栽培は家庭菜園では難しいが、ミニトマトであれば初めて取り組む方でも、コツさえつかめば美味しいトマトを簡単に栽培できる。

トマト栽培(施肥)の手順と役割
適切な肥料の量(過多対策)

ここからは、トマト栽培の手順と役割、適切な肥料の量について詳しく解説していく。

トマト栽培の手順は、以下の通りだ。
土づくり
元肥
植え付け
芽かき
追肥
収穫

これらの手順について以下で順番に解説していくので、これからトマト栽培を始めてみたいと思ったら、ぜひ参考にしてほしい。

土づくり

出典:農林水産省

トマトの植え付けは4〜5月にかけて行うが、植え付けを始める最低2週間前から土台となる土づくりをするようにしたい。トマト栽培は排水の良い土壌が適しているため、通気性や排水性、保水性が良好な場所を選ぶようにしよう。

地植えをする場合は、植え付けの2週間前から苦土石灰を加える必要がある。そして植え付けの1週間前には、土に堆肥や元肥を混ぜておこう。

トマトの根は伸びるので、事前に深いところまで土を耕したり畝をつくったりしておくのがおすすめだ。逆にプランターで栽培する場合は、ホームセンターなどで販売されている野菜用の培養土を使用するのが一般的である。

野菜用の培養土は袋のまま育てられるものや、元肥があらかじめ入っているものなど種類が豊富なので、いろいろ試してみよう。

元肥

土づくりが終わったら、トマトの栽培を手助けする元肥を用意しよう。トマト栽培におすすめな元肥は、緩効性肥料と遅効性肥料の2種類だ。

緩効性肥料は、種類によっては効果が1年以上長く続くものもある。作物の生育に合わせてゆっくり土に溶ける緩効性肥料は、根に害をもたらす肥料焼けをしないように改良されているものが多く、トマト栽培に初めて挑戦する方でも安心だ。

逆に、遅効性肥料は、与えても効果が現れるまでには時間を要する。効果が出るまでは早くても1ヶ月近くかかるが、根への刺激が少なく肥料焼けするリスクが低いのが特徴だ。

植え付け

堆肥や元肥で土壌をつくったら、トマトの苗を植え付けよう。苗はホームセンターなどで購入できる。茎が太くて綺麗な花が咲いている苗がおすすめだ。

トマトの植え付けに最適な季節は4〜5月頃だが、雨天や寒い日を避け、なるべく暖かい日に植え付けをしよう。土の温度も重要で、地温が15°C近くが適温だ。

苗を植える際は、酸素不足にならないように深植えをしないで浅めに植えよう。夏の高温時に直射日光を防ぐため、花はなるべく東〜北側の方向にして植えるのが最適だ。植え付けを終えた後は直ちに支柱に誘引をして、風による損傷を防ぐようにしよう。

芽かき

トマトの花がきれいに咲き始めたら、茎の葉の付け根からわき芽と呼ばれる芽が出てくる。

そのままにしておくと過繁茂で日当たりや風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるので、ハサミや爪を立ててわき芽を取ろう。トマトの生育期間中はわき芽が旺盛に伸びてくるため、できれば週1回程度を目安に芽かきをすると良いだろう。

芽かきは断面を乾きやすくするため、晴れの日に行うのが大切だ。なおわき芽を取る際は、わき芽を指でつまんでグイッと思いっきり曲げれば簡単に取れる。

追肥

最初のトマトの実がなり始めた頃から、必要な養分を追加する追肥を行う必要がある。万が一実がなる前に追肥したら、逆に肥料が多過ぎて生育に悪い影響が出るので注意が必要だ。

最初に追肥をしたら、その後は肥料の種類に応じて肥料を追加する。その際は緩効性肥料を1ヶ月に1回、速効性肥料の場合は10日に1回のペースで追肥しよう。

収穫

トマトは品種によっても異なるが、花が開花してから50日くらいで収穫ができる。

トマトの収穫は原則的に朝の涼しい時間帯に行うようにして、収穫後のトマトは必ず気温が低いところに置くようにしよう。気温の高い日中の時間帯に収穫してしまうと、追熟が進行して実が柔らかくなってしまうため注意が必要だ。

トマトは手でとるか、ハサミを使えば簡単に取れる。定期的に手入れを欠かさなければ、長期にわたって収穫できる。

トマト栽培において
大切なことは?

おいしいトマトを栽培するために大切なことは、養分をバランス良く含んだ土を用意して育てることだ。トマトは太陽の光を好むので、栽培するならできる限り日当たりの良い場所を選ぶのがおすすめだ。

そして何よりも大切なのは、トマト栽培に適した肥料を選ぶことである。

トマト栽培には、トマトに適した栄養成分を持つ肥料が必要だ。また肥料の役割や使用するタイミングについての理解が必要で、これを間違えてしまうとおいしいトマトをつくれない。

ここからは、トマト栽培において大切な肥料について詳しく解説していこう。

トマト栽培に必要な肥料の栄養成分・役割

トマト栽培に必要な栄養成分は、肥料の3要素として知られる窒素・リン酸・カリだ。これら3つが同じ比率で含まれている肥料であれば、おいしいトマトになる確率が高くなる。

家庭菜園では、窒素(N)-リン酸(P)-カリ(K)が14-14-14(肥料成分14%×3=42%)の高度化成に比べると、割高ではあるものの、「8-8-8」の水平型で使用されるのが使いやすく、一般的である。
また、8-8-8-は多少多めに使用しても、土壌に緩衝能力があるため、肥料に敏感な水耕栽培とは違い、肥料焼けすることは少ない。

しかし、栄養成分の割合が大きく偏ってしまうと、生育不良を起こして十分に生長しない。

ホームセンターなどでは、上記3つの要素が含まれている肥料が数多く販売されている。肥料を購入する際は信頼のおける販売スタッフに相談して、トマトの栽培に最適な肥料を紹介してもらうようにしよう。

このほか、生理障害を防ぐためにカルシウムを含んだ肥料も必要だ。生育途中にカルシウムが少なくなるとカルシウム欠乏症になり、トマトの先端部分が黒くなってしまう。

わざわざ育てたのに先端部分が黒くなってしまっては、それまでの苦労がムダになってしまうので、肥料は必ずトマトに適したもの選ぶようにしよう。

おすすめの肥料と使用タイミング

トマトの肥料を購入する際は、ホームセンターなどで販売されているトマト専用肥料を使用するのがおすすめだ。こうした肥料は最初からトマトを栽培するためにつくられた肥料なので、必要な栄養成分をまんべんなく施せる。よりおいしいトマトを栽培したいなら、このような専用肥料を有効に活用してみよう。

トマトに肥料を与えるには2つのタイミングがある。一つは元肥という植え付けの20〜30日前の時期で、堆肥や油粕などの有機質を畝(うね)の中央に与える。もう一つは大玉トマトの場合は、最初に実った果実がピンポン玉状になった頃*で、これを追肥という。

*ミニトマトの追肥適期は「第3花房が開花する前」だが、株の様子(草勢)を見て判断するのが一般的だ。

追肥は一度だけでなく、15〜20日ほどの間隔で与えるのが効果的だ。

まとめ

今回の記事では、トマト栽培に最適な肥料と、家庭菜園でおいしいトマトをつくるための栽培方法について解説した。

トマト栽培に最適な肥料は、窒素・リン酸・カリの3要素が同じ比率で含まれているのが重要なポイントだ。ホームセンターには簡単に使える肥料がたくさんあるので、販売スタッフに相談して適切な肥料を選ぶようにしたい。

トマト栽培は春から夏にかけて行い、追肥や茎の手入れをしっかりすればおいしいトマトが実る。今回の記事を参考にして、家庭菜園でのトマト栽培に挑戦してみよう。

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