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青果市況情報「YAOYASAN」に 新機能「市況分析」が登場! 過去から現在のデータを市場・産地別に分析

卸売市場において、青果物がどれほどの価格で取り扱われているか。これを把握することで、出荷計画や価格交渉などが進めやすくなる。また近年、異常気象などが影響し、成果物の市場では価格の乱高下が起きており、市場動向の把握の必要性が増している。これらに役立つ、YAOYASANの新機能「市況分析」をご紹介しよう。

<目次>
1.青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に新機能「市況分析」が追加
2.「市況分析」5つの搭載機能
3.他品目の価格や入荷量も把握し“最も高く売れる時期”を逃さない
4.流通量に対する市場価格の反応を把握、産直での販売戦略を立てる

 

青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に
新機能「市況分析」が追加

住友化学が運営する農業総合情報サービス「つなあぐ」で提供する「YAOYASAN(※)」は、野菜や果物について、卸売市場における取引の速報値を表示する「市況速報」や、取引の実績値を用いて価格や数量の変動を把握できる「卸売価格動向」を搭載している。

本アプリはスマホで手軽に最新の市況情報を図表で視覚的に確認できるため、その利便性の高さから農業関係者の皆さまに好評いただいてる。

今回、新たに搭載された「市況分析」では、より詳細に市況情報を確認できる。また、市場に加えて産地ごとの視点で市況情報を閲覧できるのもポイント。過去(2019年以降)から現在までの、任意の期間のデータを閲覧可能。

市況分析は、「つなあぐ」にて会員登録をした後、税込330円/月で利用できる。初回利用時は2週間無料でお試しできる。

(※)農林水産省が公開している「青果物市況速報」「青果物卸売市場調査(日別調査)」のデータを、農業連携データ基盤(WAGRI)のAPIを使って抽出。当該データをオリジナルの表やグラフを使って表示している。

「市況分析」5つの搭載機能

① 詳細なトレンドを読み取れるグラフ

市場における青果物の価格と入荷量に産地情報をかけ合わせたデータと、等階級に関するデータをグラフで表示。競合する産地からの入荷量、市場に出回る品質を確認することで、市場の動向(トレンド)を読み取れる。

② 複数年分の入荷量から市場の動向を比較

価格・入荷量・等階級の、同一時期の過去データを並べて表示できる。また、年度だけでなく、産地・市場・品目ごとのデータも比較することができる。

「高値で販売できる時期を見定めたい」「他産地からの入荷量が少なくなる端境期を見つけたい」といった希望に寄り添う機能だ。

③ アラート機能を活用し商機を逃さない

価格変動を見逃すリスクを軽減できるうえ、チェックの手間も減らせる。

④ 順位がわかる市場や産地のランキング

価格/入荷量に基づき、全国の市場や産地がランキング形式で示される。

⑤ 青果物の流通量が視覚的に確認できる地図

市場での産地別入荷数量や、産地からの市場別出荷数量が一目で把握できる。


他品目の価格や入荷量も把握し
“最も高く売れる時期”を逃さない

ユーザーインタビュー

「川島農園」園主

川島良平さん

山梨県内の果樹試験場で勤務した後、長野県中野市にて親元就農。ブドウの栽培面積を徐々に拡大し、現在はブドウをメインで栽培。合計2haの畑でシャインマスカットなどを手がけている。

川島農園のシャインマスカットは、「一度食べたら忘れられない味」という表現がぴったり。一粒一粒が大きく皮がピンと張っているうえ、口に含むとフレッシュな香りと豊かな甘み、ほどよい酸味が広がる。そんな高品質なシャインマスカットは、消費者から大人気。収穫と出荷の最盛期にあたる9〜10月の2ヶ月間、川島農園には合計1400件ほどの個別注文が寄せられるという。

ただ、個別出荷は手間がかかる作業。現在、川島農園では、全体の半分以上の果物を農協などに卸している。

「経営面では、達成したい目標がまだまだあります。市況に合わせてシャインマスカットの販売価格も大きく変わるので、最も高く売れる時期に多くのシャインマスカットを卸し、収益をあげたいですね」と話すのは、川島農園の園主、川島良平さん。

「川島農園」では、ブドウを保管するための冷蔵庫も所有。最大2ヶ月、ブドウの出荷時期を伸ばせるという。

川島さんは、生産物を高く売れるタイミングを掴むため、日頃から市況を確認しているそう。ブドウだけでなくイチゴなど、他の果物の市況もチェックの対象だという。

「年末年始は、イチゴの需要が大きく増える時期。この時期に、不作などの理由でイチゴの流通量が減ると、ブドウの需要が急に増える場合があります。他の果物の動向も把握し、ブドウの出荷時期を調整するのは、経営上、欠かせないアクションですね」。

そう考える川島さんに寄り添うのが、新機能の「市況分析」だ。当機能では、異なる品目の価格や入荷量のデータを一括で表示し、それらの動向の比較もできる。ここで得られるデータや動向は、ブドウの需要が増減する時期を予測するうえでも役に立つ

また、川島さんは、重要なタイミングを見逃すリスクを下げる「アラート機能」にも、期待を寄せている。

「年末にかけて、ブドウの市場価格が上がっていくタイミングがあります。それをすぐさまキャッチできれば、『そろそろ年末商戦に向けた準備に本腰を入れよう』といった判断ができます」。

市況への感度を高め、青果物の戦略的な販売を助けるのが、YAOYASANの新機能なのだ。

 

流通量に対する市場価格の反応を把握、
産直での販売戦略を立てる

ユーザーインタビュー

「ゆめのたねファーム」園主

髙木宏道さん

大手農業法人にて20 年以上勤務した後、同園を設立。現在は、豊田市内にある合計3haの畑で、キャベツやトウモロコシなどを栽培。「パンマン」というニックネームで、ラジオ番組にも出演。

2017年に「ゆめのたねファーム」を立ち上げ、キャベツやブロッコリー、トウモロコシを中心に生産してきた髙木宏道さん。現在は、生産した野菜のほとんどを産地直送で販売している。

「このスタイルで販売するようになったきっかけは、キャベツをはじめとする野菜の価格下落ですね。私がファームを運営し始めた頃は、キャベツもそれなりの価格で卸せていましたが、数年が経つ頃、市場での価格が著しく下がり始めて。『これでは経営が成り立たない』と感じ、産地直送で販売するスタイルに切り替えました。産直でもある程度、物量がはけるうえ収益が確保できることがわかったため、この販売スタイルを続けてきました」。

自身で販売価格を決められるのが、産直の特徴の一つ。ただ、販売価格を決めるにあたっては、市況の把握は欠かせないのだとか。現在は、YAOYASANで、その日の市場価格や流通量をチェックしたうえで、販売価格を決めているという

髙木さんが出荷する野菜の包装材には、同人のイラストも。知人のイラストレーターが手がけたものだそう。

「例えば、市場で流通しているブロッコリーが少ない時は、やや強気で価格設定をしても、店頭に卸したブロッコリーがたくさん売れます」。

新機能「市況分析」では、各市場における価格、入荷量、等階級の情報を示すグラフが一括で表示される。なお、指定した期間のグラフを表示することも可能だ。過去から現在までの任意の期間を指定すると、該当する期間のグラフが表示される。

この機能について、髙木さんは「市場価格の推移はもちろん、市場での流通量に対する市場価格の反応を把握しやすいのは魅力ですね」とコメント。ちなみに年末をはじめとする特定の期間には、イレギュラーな反応が見られることが多いという。

こうした特殊な傾向も容易に把握できる「市況分析」を活用することで、販売戦略をさらに立てやすくなる。

「今の一番の目標は、適切な価格で安定的に作物を提供していくことです」と、髙木さん。任意の頻度で市況の変動を知らせる「アラート機能」などを、積極的に活用していきたいと語った。

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住友化学株式会社運営[つなあぐ]


写真:松尾夏樹 
文:緒方よしこ

AGRI JOURNAL vol.38(2026年冬号)より転載

Sponsored by 住友化学株式会社

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