【医師監修】紫外線指数「8(非常に強い)」以上は長袖着用を 農業現場での紫外線との付き合い方

屋外での作業が中心の農業において、熱中症とともに注意したいのが紫外線による健康被害。過度な紫外線ばく露は日焼けやシミだけでなく、白内障などの健康被害を招くリスクも。正しい知識を身につけ、毎日の作業に適切な対策を取り入れよう。

農業現場で実践する
紫外線との付き合い方

農作物の生育にあたって太陽の光は恵みそのもの。日光には、体内でのビタミンD合成を促進するなど、私たちの健康にも欠かせない存在だ。一方で、長時間屋外で作業を行う農業従事者にとっては健康被害のリスクを高める存在でもある。熱中症や脱水症に詳しい谷口医師は、「紫外線の浴びすぎは、熱中症リスクを高めるだけではなく、急性的な日焼けによる炎症や、長年浴び続けることで引き起こされる皮膚の光老化、白内障といった健康リスクを伴いますので、作業の際には対策をきちんと行うことでリスクを減らすことが大切です。」と話す。

農作業をするうえで、紫外線を完全に避けることは不可能だが、だからこそ、その性質を正しく理解し、作業環境や時間帯に応じて上手に付き合っていくことが大切になってくる。

気象情報などでは地域の「UVインデックス」を見ることができるので参考にしよう。強い日差しの時間帯には意識的に日陰を利用したり、適切な装備を整えたりすることで、ばく露を最小限に抑えよう。

UVインデックスとは?

UVインデックスの毎正時の予測分布図及び解析分布図(出典:気象庁)

紫外線の強さを分かりやすく示した指標。国際的な基準で、地上に届く紫外線の強さと人体への影響度を総合的に評価して0から11以上の数値で表している。
※UV=ultraviolet (ウルトラバイオレット=紫外線)の略称


WHO:Global solar UV index-A practical guide-2002

 

 

意識したい紫外線対策

●帽子・衣服
できるだけ肌の露出を減らすため、長袖のシャツや、首元まで覆える帽子が理想。帽子は、外側は紫外線を吸収しにくい白、内側が黒いものを。地表からの輻射熱の乱反射を防ぎ、熱中症予防効果も高まる。

●サングラス
紫外線を長年浴び続けることで白内障のリスクが高まるため、屋外作業ではサングラスの使用が有効。最近では農業サングラスも増えている。紫外線だけでなく、土や砂から目を守ることにもつながる。

●日焼け止め
シャツや帽子で覆えない顔や首、手元などに塗布し、紫外線の透過を防ぐ。長時間作業する場合は、汗で落ちることも考慮し、こまめに塗り直すのがおすすめ。

教えてくれた人

谷口英喜先生

済生会横浜市東部病院患者支援センター長、医学博士。専門は、麻酔学、集中治療学、周術期管理、栄養管理、経口補水療法、脱水症状など。熱中症・脱水症に関する報道で、多くのメディアに出演。著書に『熱中症からいのちを守る』『いのちを守る飲水学』(ともに、評言社)など。


文/藤田都美子

AGRI JOURNAL vol.40(2026年夏号)より転載

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