武部農相 10月30日記者会見 備蓄米の追加買い戻し「30日の会議に諮問し、適正水準への回復を着実に進める」
2026.10.30
武部農林水産大臣は10月30日の記者会見で、2025年に放出した政府備蓄米について、30日に開催される農林水産省の会議に10万トンの追加買い戻しを諮問し、適正水準100万トン程度への回復を着実に進める考えを明らかにした。
メイン画像:記者会見する武部 農林水産大臣(出典 農林水産省)
武部農水大臣
記者会見概要
―米の関係について伺います。2025年に放出した政府備蓄米について、10万トンを追加で買い戻すという報道がありますけれども、事実関係含めて、大臣の、現時点でのお考えをお聞かせください。
大臣 政府備蓄米については、昨年、59万トンを主食用に放出した中、食料安全保障の観点から、将来の供給不足に備えるため、備蓄水準の回復を計画的に進めていく必要があると考えております。10月13日に公表しました、9月25日現在の令和8年産米の予想収穫量では、供給量が十分に確保され、追加的な買戻しが可能な需給環境が整いつつあることを確認しましたが、他方、災害・長雨の影響を見極める必要もあります。11月中旬に公表予定の10月25日現在の予想収穫量など、今後の需給状況等を見定めた上で、買戻し条件付きで売り渡した備蓄米31万トンのうち、残り10万トン分の対応を含め、適正水準100万トン程度への回復を着実に進めていきます。こうした備蓄運営の方針について、本日、食糧部会に諮問する予定であります。
―来年度からの水田政策の見直しについて、3点伺います。まず、水田活用の直接支払交付金の後継事業についてです。今後、交付単価の検討が進むと思いますが、大臣は、多様な米を作っていただく意欲が湧くような単価にしていく必要があるとの考えを示されています。これまで、主食用米の価格で生産が左右される課題もあった中で、どういった水準であれば、「需要に応じた生産」が進むとお考えか、お聞かせください。
大臣 令和9年度以降の水田政策の見直しの中では、加工用米等の多様な米等について、生産性向上への取組に対して、収量に応じた面積払いで支援することにより、「単収向上に意欲が出る仕組み」となるよう検討しております。その単価については、現行水準以上を確保すべく、令和9年度予算の編成過程の中で決定していくこととしており、必要な予算額をしっかりと確保してまいりたいと思います。
― 中山間地域等直接支払交付金について、2点伺います。農水省は、自民党の会合で、市町村の財政負担について、加算措置に限定して軽減する見直し案を示されています。財政事情が厳しく、これまで制度に取り組めなかった市町村にも利用してもらいたいという理由から、負担を軽減するというお話だったかと思いますが、何故、基本単価は含めず、加算措置にのみ限定して負担を軽減されるお考えなのか、改めてお聞かせください。
大臣 今週、与党に提示させていただいた中山間地域等直接支払交付金の見直し案については、地方負担の軽減策として、市町村が加算措置の活用促進等に取り組む場合に、都道府県と国が連携して、市町村の実質的な負担額を軽減する案をお示ししたところであります。これは、集落への支援の充実を図るという観点に加えまして、営農や共同活動の将来の継続に寄与する効果を考慮したものであり、現在、活用状況が低位に留まっている加算措置の活用促進を図ることが必要との考えにより設ける措置であります。
―関連して、見直し案では、市町村の財政負担を軽減するための手続きが複雑で、新たな要件に照らして新規の農地を支援対象に追加する場合も市町村長の許可が必要など、市町村の意欲によって制度利用が増えるかどうかが左右されるようにも思います。見直しによって制度利用を広げるために、財政や人手の事情が厳しい市町村に対して、どのようにサポートされていかれるお考えでしょうか。
大臣 中山間地域等直接支払交付金の活用を促進するための取組としては、令和9年度を待たずに、本年夏から、各地方農政局等において、市町村等への取組拡大の働きかけと課題に応じたサポートを開始しているところです。今般の見直しにおいて検討している、現行制度下で対象とならない不利性を有する農地への対象拡大や、加算措置の活用を促す地方の負担軽減措置等についても、この働きかけを通じて、市町村に理解され、円滑に活用されるよう取り組んでまいりたいと思います。
DATA
取材・文:アグリジャーナル編集部
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