武部農相 10月15日就任会見「米国産の生ジャガイモ、科学的な根拠で病害虫侵入のリスクを払拭できなければ当然輸入できない」
2026.10.16
武部農林水産大臣は10月15日の就任会見で、米国産の生ジャガイモについて「科学的な根拠で病害虫が侵入するリスクを払拭できないということであれば、当然輸入することはできない」と述べた。
メイン画像:記者会見する武部 農林水産大臣(出典 農林水産省)
武部農水大臣
記者会見概要
大臣 農林水産大臣を拝命いたしました、武部新です。 農林水産省の最も重要な使命は、国民の皆様に食料を安定的に供給することだと考えております。
一方で、農林水産行政を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や自然災害、気候変動等の影響、人口減少や高齢者の引退による農業者の急減など、大きく変化しています。このような中でも食料安全保障を強化していくために、国内外の需要拡大を進めるとともに、拡大した需要に対応できるよう生産基盤を維持し、生産性や付加価値の向上を進めることにより、供給力を強化します。加えて、温暖化等の環境変化に対応できる植物工場や陸上養殖等への投資を促進します。
我が国の主食であるコメについては、令和9年度からの水田政策の見直しの骨格を取りまとめたことから、現場のご意見を丁寧に把握しつつ、今後、支援単価の水準など詳細な制度設計を具体化します。また、政府備蓄米の買い戻しにつきましては、食料安全保障の観点から適正備蓄水準への回復を進めていく必要があります。このため、令和7年産21万トンの買い戻しを着実に実行してまいります。
さらに、令和11年度までの農業構造転換集中対策期間におきまして、農地の大区画化や中山間地域におけるきめ細やかな整備、共同利用施設の再編集約・合理化、スマート農業の導入加速化、輸出産地の育成を集中的大かつ計画的に推進し、農業の生産性や付加価値を高めることによって収益力を向上することを後押ししてまいります。
―高市総理から大臣就任にあたり、どのような指示を受けられたでしょうか。
大臣 総理からは8つの項目について指示をいただきました。1つ目は、食料・農業・農村基本法に基づき食料安全保障の確保等を推進するほか、完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設等を展開すること、またコメなどの安定供給を推進すること。2つ目ですが、資材等の価格高騰対策に取り組みむこととともに、農業構造転換集中対策期間に集中投資を実施すること。3つ目は、2030年に5兆円の輸出目標を実現すること。4つ目は、関係大臣と協力して、人口急減地域への支援を強化すること。5つ目は、農林水産物や加工食品の輸入停止への対応に万全を期すこと。6つ目は、ノングルテン米粉の生産設備を拡充し、海外市場を開拓すること。7つ目は、関係大臣と協力して肥料の国産化の促進など自立性向上に取り組むこと。8つ目は、日本の製品、サービス、インフラの同志国への輸出増加のための取り組みを行うこと。この8つの総理指示を踏まえまして、全力を挙げて対応してまいりたいと思います。
―今後の農水大臣として職務にあたる上での姿勢を伺います。簗前農水相が1ヶ月あまりで辞任し、生産現場では政治不信ですとか、農政の停滞が懸念する声が上がっています。こうした現場の声にどのような姿勢で臨むのか、農林水産行政のトップとしてどのような心構えが必要か教えてください。
大臣 簗大臣の発言等によって、ついては、あってはならない発言だったと思いますし、簗前大臣についても猛省をされていると思います。この発言も含めてですね、我々はしっかりと農林水産行政を公平性、透明性を持って推進していくことが、生産者の皆様方、あるいは消費者の皆様方の信頼を回復していくことにつながっていくんだろうというふうに思います。先頭に立って公平、透明、信頼を回復するために先頭に立ってまいりたいというふうに思います。
―コメ政策について大臣のお考えをお伺いします。簗前大臣は需要に合わせた生産を行っていくという方針を掲げておられました。大臣はこの考え方を継承されるお考えなのか、それとも新たに方向転換されるお考えなのか、全体としてコメ政策のお考えも含めて教えていただけますでしょうか。
大臣 冒頭にも申し上げましたけれども、コメ政策につきましては、需要に応じた生産をしっかりと行っていくことが大切だというふうに思っています。主食用米のみならずですね、加工用米、輸出用米、米粉、飼料用米、これがまだ十分にそのニーズに対応して生産しているという状況にはありませんので、需要に応じた生産を進めるために、今まさに新たな水田政策の検討をしているところであります。しっかりと、先ほども申し上げましたけど711万トンを大幅に超える生産が予想されておりますので、9年産に向けてはですね、今申し上げた通り需要の拡大も努めてまいらないといけないと思いますし、コメに関わるすべての関係者が大きな危機感を持ってですね、需要に応じた生産を進めていく、需要を拡大していく、そのことに努力をしてまいりたいというふうに思います。
―アメリカ産のジャガイモの輸入解禁の件です。こちら先ほどもお話しがあった通り、生産者からはかなり懸念の声も上がっています。大臣のご地元の北海道もジャガイモの一大産地でありますが、今後の交渉や検討についてどのように臨んでいかれたいでしょうか。またですね、この懸念を抱えていらっしゃる生産者の皆さんに対しては、どのようにこの交渉について説明されていかれたいか、お考えをお聞かせください。
大臣 まず、植物の輸入検疫協議というのは、我が国の農業に悪影響を及ぼす恐れのある病害虫の侵入防止を防ぐ観点から、WTOにおけるSPS協定に基づいて、相手国と科学的・技術的な議論を尽くして進めていくべきものです。この協議につきましては、相手国の期待や要請があるのは承知していますけれども、しっかりと悪影響のある病害虫を侵入を食い止めるためにですね、実効性のあるリスク管理措置について協議をしっかりとしていかなければならないというふうに思います。特に私の地元はジャガイモシストセンチュウが発生している地域でありますので、特にこのシストセンチュウに関しては大変懸念とか不安とか、非常にセンシティブになっています。なので、生産者の皆様方にこのシストセンチュウも含めた病害虫をしっかりと入れないための管理をするために、科学的な根拠を持ちながら双方をしっかりと交渉していきたいと、交渉する必要があると思っています。毅然と対応してまいりたいというふうに思います。特に先ほども申し上げましたけど、バレイショは全国で作っていただいて地域にとって大切な作目でありますので、国内生産に重大な障害が起きてはならないというふうに思っております。ですから悪影響の発生が恐れがある病害虫の侵入許さないということを大前提に、毅然とした姿勢で協議に臨んでまいりたいと思います。
―輸入生ジャガイモについてお伺いをします。もし仮にですが、病害虫の侵入リスクを払拭できない場合に、輸入解禁を認めないという判断もあり得るのでしょうか。
大臣 先ほども申し上げた通り、これは科学的な根拠で病害虫が侵入するリスクを払拭できないということであれば、当然輸入することはできないということです。
取材・文:アグリジャーナル編集部
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