武部農相 11月6日記者会見「政府備蓄米の売り渡し長期化、 民間備蓄制度の創設など改善を進めている」
2026.11.06
武部農林水産大臣は11月6日の記者会見で、会計検査院が政府備蓄米の申し込みから放出まで最長10ヶ月以上を要し、想定した3か月を大幅に上回ったと指摘したことについて「流通実態の把握の強化や、民間備蓄制度の創設など改善を進めている」と述べた。
メイン画像:記者会見する武部 農林水産大臣(出典 農林水産省)
武部農水大臣
記者会見概要
大臣 「アグリビジネス創出フェア2026」についてです。農林水産省では、来週11月11日水曜日から13日金曜日まで、東京ビッグサイトにおきまして、「アグリビジネス創出フェア2026」を開催いたします。今年は、「フードテック×スタートアップ 技術をつなげ、未来を作る」をテーマに、企業や大学等167団体が出展し、農林水産・食品分野の最新の研究成果を紹介します。
今回は、フードテック等の先端技術の社会実装を推進するため、出席者と来場者のマッチングを促す取組を強化しています。テーマごとに関連ブースをめぐるマッチングツアーや、コーディネーターによる相談対応を実施いたします。このほかにも、107本のセミナーなど様々な企画を行います。入場は無料ですので、是非とも多くの皆様方に、足を運んでいただければと思います。
―本日、衆院本会議で消費税減税・支援金法案が通過する見通しですが、大臣としての受け止めをお聞かせください。また、減税によって影響を受ける農林漁業者や外食事業者への支援について、昨日、参院の農水委員会でも、今後、具体化されていくと御説明がありましたが、現時点で検討されている具体的な支援策や、今後の対応方針についてお聞かせください。
大臣 御指摘の法案については、本日も国会で審議が行われると承知しております。本日は高市総理が出席されるので、審議の推移を見守りたいと思います。農林漁業者や食品事業者、外食事業者への対応については、9月に閣議決定されました「大綱」の考え方の下、関係者の御意見に耳を傾けながら、「現場の納得」が得られるよう、今後の予算編成過程において、支援内容の具体化を進めてまいりたいと思います。
―昨年の備蓄米の放出について伺います。昨日、会計検査院が公表した2025年度の決算検査報告で、政府備蓄米の放出についての指摘がありました。申し込みから放出まで、最長10か月超を要し、想定した3か月を大幅に上回ったとの指摘がありました。また、入札よりも随意契約分の方が流通に時間がかかったとの分析もありました。検査院からは、より効率的な運営に努めるよう求められていますが、こちらへの受け止めについてお聞かせください。
大臣 社会的関心の高いテーマに対する「特定検査対象に関する検査状況」として、会計検査院から、政府備蓄米の主食用への売り渡し等の状況について、「備蓄米制度をより一層効率的かつ効果的に運営すること」との所見が公表されました。農林水産省としても、食糧法を改正しまして、流通実態の把握の強化や、民間備蓄制度の創設など改善を進めているところであります。引き続き、備蓄米制度の効率的・効果的な運営に努めてまいります。
―地域計画の本部についてお伺いしたいのですが、本部で、まず、具体的にどのようなことを目指して本部を立ち上げてやっていくのかというのを、改めてお伺いしたいです。
大臣 11月9日に開催する第1回推進本部では、地域計画の見直しの加速化に向けて、取組の現状と課題について、関係者間で共有するとともに、地域任せとするのではなく、省を挙げて、しっかりと対応していくことを確認したいと思っております。
―その点で、地域計画の完成度を着実に高めていくというお話ありましたけれども、完成度を着実に高めていくための課題は、現状、どのようなところにあるか、大臣の認識をお伺いしたいです。
大臣 推進本部におきましては、省を挙げて農地の集積・集約に関する様々な課題に対応してまいりたいと思います。御指摘のような、農地の集約化を明確にした、完成度の高い地域計画を、全国でどれだけ増やしていくか、というのも大きなテーマであります。まずは、課題をどうするか、どうやって進めていくかということだと思いますけれども、地域計画の見直しが進んでいる地域は、市町村を中心とした推進体制が整備されています。また、関係者による農地所有者の意向の把握もしっかりされておりますし、協議の場へ担い手も参加されているなど、積極的に行われているところが、完成度の高い計画を作っていただいています。
他方で、これらの取組が十分でない地域については、見直しが遅れがちであると認識しておりますので、現在、市町村からの申出により、重点地区を設定しておりますが、今後、重点地区を中心に地域計画の見直しが進むよう、推進本部でも、自治体への働きかけの強化や、省を挙げたサポート体制の構築を図ってまいりたいと思います。
―消費税減税の法案に関してですけれども、国会審議の中で、今の農林水産物の生産コストが上がっている中で、価格転嫁も進めなくてはいけないというのは、生産現場からの声だと思うのですけれども、一方で、政府が物価高対策として消費税減税を打ち出すことで、価格転嫁を妨げるような方向に作用するのではないかという懸念も上がっていました。その点、物価高対策という消費税減税を強く打ち出すことは、価格転嫁を妨げることにならないか、この2つの両立というのは可能だとお考えでしょうか。
大臣 本年4月から食料システム法に基づいて、コストに関する具体的な根拠を示して、取引条件に関する協議の申し出があった場合については、誠実に協議に応じる旨の努力義務が施行されているところです。また、10月9日に、飲食料品の消費税率引下げの円滑な実施に向けて、関係府省庁連絡会議が立ち上げられました。その中で、「適正な価格転嫁」は着実に進めると同時に、便乗値上げや買いたたきといった行き過ぎた対応に対しては、農林水産省を含む関係省庁が連携して、しっかりと取り組んでいくことを確認しております。
消費税率の引き下げが行われる中にあっても、円安や国際情勢の影響による、生産資材や燃料等の価格上昇を踏まえて、適正な価格転嫁が円滑に図られるよう、政府一丸となって取り組んでまいりたいと思います。
DATA
取材・文:アグリジャーナル編集部
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