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副業で農業はできる?農業を始める5つの方法とオススメの作物を紹介!

副業解禁により農業を副業とする人が増加中。年間数十万円の利益を得る人も多いが、成功には準備が必要だ。本記事では副業農業の始め方やおすすめ作物、販売方法を紹介していく。

<目次>
1.副業で農業はできる?
2.副業で農業を始める方法を紹介
3.副業の農業を行う場合のオススメの作物は?
4.副業で農業を行った場合の販売方法は?
5.副業で農業をする上での注意点は?
6.副業農業にチャレンジしよう

 

副業で農業はできる?

2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」によって、副業禁止規定が削除され、副業を可とする会社も増えているようだ。そこで、副業に自然を相手にする農業を選択する人も、増えているのだろう。

実際のところ、年間数十万程の副業利益を得ている人も少なくない。上手くいけば、数百万程を稼いでいる人もいるだろう、しかし誰もが簡単に副業農業で成功するとは言い難いようだ。副業農業を始めようとしている人は、まず、どのように農業を始めたらいいのか、作物は何を選択したらいいのか、頭を悩ませるのではないだろうか。

単刀直入で答えを出せば、副業で農業は可能だ。厚生労働省が「モデル就業規則」の副業禁止を削除してから、農業を副業にした人も多いのではないだろうか。
しかし、まず初めに会社が副業を許可しているのかを確認する必要がある。とはいえ、国を支える産業でありながらも、現在は人出不足、後継者不足が問題視されている農業だから、公務員であっても、比較的副業許可が取りやすい副業と言われているのだ。

そして、副業として農業を選択した場合、どれくらい稼げるのかは重要である

農業の副業はどれくらい稼げるの?

どのくらいの規模で農業を始めるのか、何を作物とするのかによっても収入は大きく変化するだろう。

農業は売り上げた額の6割から7割が経費としてかかる。平均的な数字をあげてみると、年間販売額の平均は50万円未満が多く、300万程の年間販売額までが平均的と言えるだろう。販売額から経費を引けば、年間収入は数十万程になる。中には、何千万も売り上げ、数百万の収入を得ている人も少なくはない。

副業で農業を
始める方法を紹介

副業で農業を始めるといっても、その方法にはいくつかの選択肢がある

まずは、自分がどのスタイルで農業を始めるのかを決める必要があるだろう。大切なのは、無理をしないこと。本業に影響が出てしまうようであれば、副業として本末転倒になってしまうからだ。

週末農業

副業として一番人気なのが、週末農業。その名の通り本業が休みとなる週末だけ農業を行うもので、家族で一緒に取り組めるというメリットもあるのではないだろうか。比較的低コストで農業を始めることが出来るので、継続できるか不安だという場合も、失敗を恐れずに始められるだろう。小規模な週末農業から始め、手ごたえを感じてから規模を広げていくのも一つの手ではないだろうか。

市民農園

市民農園は、レンタル農地を使用し農業をする場所。市民農園を使用し、週末農業を行う人も多く、一般的には水道や物置が設置され、必要な農具もそろっているので、手軽に農業がはじめられるのがメリットだろう。市民農園ならば都心部に住んでいる人でも、さほど遠くない場所で農業を始めることが出来るのではないだろうか。地方自治体でもファミリー農園という名で、農園をレンタルしている場合もあるようだ。

シェア畑

シェア畑は、市民農園と同じように農地をレンタルする方法だが、違いは共同で利用するという形だろう。さらに、栽培方法を指導していたり、苗や肥料などが用意されていたりサポートが充実している場合が多い。所有者が、高齢化などで管理できなくなった土地を有効利用したものが多く、サポートがある点では、初心者向けの農業としておすすめなのではないだろうか。

家庭菜園

もしも農業可能な土地を所有しているのならば、家庭菜園から始めるのもいいだろう。自宅の敷地内であれば、ちょっとした時間に作物の管理ができ、移動の時間も省略できる。家庭菜園の場合、農機具は自分で用意し、当然ながら管理などの全てを自分自身で行うことになるので、全くの初心者が家庭菜園で利益を上げるのは、難しいのではないだろうか。

半農半X

半農半Xは副業というよりも趣味に近い農業形式と言えるだろう。1990年頃に塩見直紀さんによって提唱されたもので、現在大きな注目を集めているのだ。半分農業、半分はその他の物、という考え方で兼業農家にも近い農業のスタイルだが、利益を求めない所が大きな違いだろう。半農半Xは、自分たちの食べる分を作るというスタイルだ。もちろん、余分にできたものを販売する方法もあるが、基本的には農業に収入を求めず自分たちの食べる分を作りたいという人におすすめと言える。

副業の農業を行う
場合のオススメの作物は?

副業として農業を始める理由は様々あるだろうが、収入を得るための副業ならばやはり楽しみながらも、しっかりと販売できるものを作りたいのではないだろうか。利益を上げるには作物を販売しなくてはならないが、副業農業の場合、大量に販売するのはなかなか難しい。副業農業で利益を上げる為には、作物をしっかりと選びたいものだ。

手間がかからない作物

副業である以上、手間のかかる作物は避けた方が無難と言えるのではないだろうか。手間のかからない作物というと基本的に、春まき野菜のジャガイモ、5月下旬くらいに植え付けるサツマイモ、そして秋まき野菜のニンジンなど、根菜類があげられる。根菜類は肥料も少なくてすみ、種芋を植えておけばある程度放置していても、収穫ができるだろう。またミニトマトは苗を植えてた後、約1ヶ月から2ヶ月で収穫でき、肥料の少ない痩せた土地でも十分に育つ作物。

あえて、わき芽かきなどせずに自然のまま育てるソバージュ栽培も増えているようだ。葉物野菜の中では、春に種をまき秋までに何度も収穫可能なバジル、日陰で育つフキなどはむしろ増えすぎるのに注意が必要な作物。自分が何を育てたいかも大切だが、まずは手間のかからない作物からスタートするといいだろう。

単価が高い作物

副業農業では大量生産は難しく、利益を考慮すれば、アスパラガスやミョウガのように単価の高い作物を育てることになるだろう。単価が高いという事は、多くの需要があり供給量が少ないものと言えるだろう。近年、飲む点滴として注目を集めているビーツや、独特の形状のロマネスコなどは珍しい野菜として単価も高く、害虫が付きにくい点からも比較的育てやすいのではないだろうか。

狭い面積でも栽培できる作物

副業農業では、土地をレンタルする人が多く、実際に借りることが出来る土地は決して広いとは言い難いようだ。狭い面積でも、多く収穫できるものとして有名なのはナスやトマトだが、オススメしたいのはミニトマトだ。通常のトマトと比較すると、収穫可能な期間も長く、品質によっては高価格で販売することが出来るだろう。

副業で農業を行った
場合の販売方法は?

副業農業で育てた作物を販売するには3つの方法がある。
しかし、当然のことながらただ並べて置くだけでは、簡単に売れないのが現実ではないだろうか。どんな場所でどのように売ればいいのだろうか。

直売所

副業農業での販売場所として、最もメジャーなのは直売所と言える。直売所は、道の駅や農産物直売所、さらに自宅の敷地内と様々だ。自宅の敷地内で売る場合は、特に許可も手数料も必要ないが、人が集まりにくいという欠点もある。一方道の駅や農産物直売所には多くの消費者が集まるので、目につきやすい。

しかし、直売所には組合員にならないと販売できないというルールがあり、組合員になるのに費用がかかるのが一般的だ。また他の生産者と同じものを並べていては、なかなか利益に結び付かないので、時期をずらした作物を販売したり、ひと手間を加えて加工品を売るなど工夫が必要と言えるだろう。

JA(農協)

農協に販売すると安く買い取られる、と思っている人も多いようだ。確かに、販売手数料や運送費など様々なものが天引きされている。しかし、実際にこれらを自分でやるには労力も費用もそれなりにかかるのではないだろうか。農協に販売するには、形など一定の基準を満たしていなくてはならないが、一方で収入は安定するというメリットもあるのだ。

ネット販売

近年ネット販売を導入している農家も多く、需要も高まりつつあるのではないだろうか。全国各地に販売できるというメリットがあり、訳あり作物なども安く販売することができるのは大きな利点だ。ネット販売には集客力が求められるため、副業農業をはじめてすぐに大きな利益は期待できないが、集客が安定してくれば売り上げも増えるだろう。手軽な販売方法に感じる人もいるようだが、実際には在庫の管理、顧客の情報管理、発送作業などやるべきことは多い。

副業で農業を
する上での注意点は?

近年増加している副業農業だが、いくつか注意点もある。上記の直売所の際に触れたが、収穫したものを販売するだけなら問題はないが、加工してジャムなどにした場合、営業許可が必要になるのだ。
その他にも下記のような注意点がある。

会社で副業を許可しているかどうか

厚生労働省が「モデル就業規則」の副業禁止を削除したことは大きな一歩だが、情報の漏洩や本業への影響を懸念し、副業を禁止としている会社も多いだろう。副業農業を始める前に、自社の就業規則をしっかりと確認し、副業が禁止されていないか確認することは必須である。趣味としての農業なら許可は必要ないが、収入を得る副業は会社からの許可が必要になるだろう。人出不足が問題になっている今、会社によっては、許可をとれば副業可能という場合も多いようだ。

収入次第で確定申告が必要になることもある

副業農業で所得が20万円を超えたら、確定申告が必要になる。あくまでも所得なので、収入全体からかかった経費を差し引いたものが、20万円を超えなければ確定申告の必要はないということだ。売り上げた金額とかかった経費はこまめに確認し、確定申告を忘れないようにしよう

副業農業にチャレンジしよう

農業初心者ならば、まずは大きなコストのかからない市民農園やシェア畑を利用するといいだろう。農業は自然が相手という言葉があるように、予定外の事も多く起こる。その為、経験から学ぶことも多く、継続していくと自分のスキルがどんどん磨かれていくことに気づく、それもまた農業の魅力のひとつだ。

副業農業を始めるならば、十分な下準備と農業を楽しむ気持ちが必要と言えるのではないだろうか。

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