日本最高水準の収量を更新中! 誠和のロックウール栽培が群を抜く理由
2020/05/07
施設栽培で高収量を実現するには、絶対に行いたいのがロックウール栽培。そのロックウール栽培で圧倒的な高収量を実現している誠和の研究開発拠点を覗いてみよう。
高収量を目指すのに
ロックウール栽培が
適切な理由とは?
誠和の研究開発の拠点である『トマトパーク』と『リサーチパーク鶴』では、ロックウール栽培システムを活用し、大玉トマト(国内品種)で62t/10a、キュウリで50t/10a、イチゴで10t/10aなど、日本最高水準の高収量を実現している。
ロックウール栽培の「ロックウール」とは、玄武岩を高温で融解して繊維化したもの。それを土壌の代わりに固体培地として使用した養液栽培がロックウール栽培だ。ロックウールには種類があり、誠和では作物に応じて使い分けている。
「なぜ高収量を目指すのにロックウール栽培が必須なんですか?」……取材させて頂いた誠和のリサーチパーク鶴で研究開発を行う杉山さんに素朴な質問をぶつけてみた。
「収量を上げる手段として、当社では統合環境制御を提案しています。環境制御というと地上部が注目されがちですよね。でも作物にとっては、地下部の環境も、地上部と同じように重要です。地下部をキメ細かく制御するにはロックウール栽培が適している。だから高収量を実現するにはロックウール栽培が必須なんです」。
ロックウール栽培には明確なメリットが3つある。それが、肥料コントロールがしやすい、水量コントロールがしやすい、土壌由来の病気リスクが低い、ということ。確かにいずれも土耕栽培では難しい。そのうえ誠和のロックウール栽培システムなら、栽培をデータ化できるというメリットがある。
「ここで採用しているのは『SHガターDuo』です。ベッドを吊り下げるハンギングシステム、セパレートタイプの排水ガター、連続希釈ができる給液ユニットを備えた、当社の最新ロックウール栽培システムです。『SHガターDuo』を地下部の中心に位置づけ、地上部と地下部を統合環境制御しています。さらに作物ごとに栽培方法を試行錯誤して最適化しながら、高収量を目指しています」。
栽培システムのみならず、それを用いた栽培ノウハウまでも開発している点もまた、誠和の強みのようだ。
誠和の研究開発の拠点『リサーチパーク鶴』では、栽培を通じて新栽培技術のほか、新栽培装置やソフトウェアなどを開発している。
誠和のロックウール栽培で
活躍するアイテム
ITEM01 ベッドを吊り下げるハンギングシステム
ハウスの上部からベッドを吊り下げるのがハンギングシステムだ。これによりベッド下にCO2ダクトを通せるなど、スペースの有効活用が可能となる。また、作業通路にダクト等の障害物がなくなるため人の出入りがしやすくなり、作業性も高まる。高設ベッドを採用するイチゴの『新イチゴ養液栽培システム』にも対応できる。
ITEM02 セパレートタイプの排水ガター
排水部は独立したガターをベッドの両脇に配置。これによりハウス支柱を跨いだベッド設置が可能となり、定植本数を通常よりも多くできる。単位面積当たりの定植数が増えれば、当然収量もあがりやすい。培地との接触面には樹脂パネルを採用。昼間は温度が上がりにくく夜は温度が下がりにくいから、根圏温度が安定しやすいのがメリットだ。
ITEM03 連続希釈ができる給液ユニット
大型ハウスでロックウール栽培をするなら『給液名人かけるくん』がオススメ。水と肥料を混ぜつつ同時に給液する連続希釈方式の採用により、広い面積への迅速かつ精緻な給液が可能となる。日射量に合わせた給液をすることで作物の光合成最大化に有効な制御が可能なうえ、肥料に関してはEC制御だけでなくpH制御も可能だ。
ロックウール栽培の
気になる成果は?
ミニトマト 33t/10a達成
最先端のトマト栽培施設『トマトパーク』で研修生が叩き出した収量は33t/10a! 誠和自慢の『SHガターDuo』と、地上部と地下部での統合環境制御を組み合わせつつ、全体の花数を観察しながら摘花をすることで安定した収量を実現した。
大玉トマト(国内品種) 62t/10a達成
次世代技術を導入して実績をあげているのは大玉トマト(国内品種)。25年前に研究を始めた当初は20t/10aだったというから収量は3倍以上に到達した。密植栽培が原因の病気が時折発生するからさらに改善の余地があるのだとか。
キュウリ 50t/10a達成
キュウリも『リサーチパーク鶴』で高収量を実現。『SHガターDuo』と統合環境制御をベースに、株の生育を止めない「無摘心のつるおろし栽培」を実施。この栽培方法を可能にするCO2施用により光合成を最大化した成果だ。
イチゴ 10t/10a達成
『新イチゴ養液栽培システム』をフル活用している。土壌由来の病害や線虫被害リスクを抑える高設ベンチを採用しておりハンギングシステムにも対応。培地容量は22L/mとし、培地に含まれる水と肥料の量を最適に制御する。
パプリカ 新たに挑戦中!
パプリカの栽培を行っているのは、誠和の研究開発拠点である『リサーチパーク鶴』。必要なものをバランスよく供給することを心掛け、肥料濃度をコントロールできるロックウール栽培の強みを最大限活かしている。
株式会社誠和では、ロックウール栽培システムのモニター生産者を募集中。ハウス栽培であれば、作物の種類は問わないそうなので、高収量を目指す方々はぜひ問い合わせてみてほしい。
詳しくは下記、または最寄りの誠和営業所までお問い合わせを!
tomonokai@seiwa-ltd.co.jp
TEL:0285-44-1751
問い合わせ
TEL:0285-44-1751
写真:松尾夏樹(大川直人写真事務所)
文:川島礼二郎
AGRI JOURNAL vol.15(2020年春号)より転載
Sponsored by 株式会社誠和