注目キーワード

政策・マーケット

イネの「いもち病」を防ぐ! 遺伝子を使った新たな防除法とは

水稲の育苗期のカビには、多くの農家が頭を抱えている。農研機構は「いもち病」を引き起こすカビから、イネへの感染の鍵となる「いもち病菌」の遺伝子を新たに発見した。その年の農業トピックが分かる、農水省の「2017年農業技術10大ニュース」のひとつとしても選定された、新発見とは?

いもち病菌感染の要となる遺伝子
新しい防除法の開発に期待される

イネの重要病害「いもち病」。海外では小麦での被害も急速に広まっているという。

イネには感染しようとする病原菌を察知して、自己防御システムを活性化するメカニズムがあるが、いままでそのメカニズムはよくわかっていなかった。

農研機構は、従来とは異なる「いもち病」防除法を開発するために「いもち病原菌」の感染メカニズムを解析。岩手生物工学研究センターゲノム育種研究部、東京大学生物生産工学研究センターと共同で、イネの自己防御反応の抑制に必要な、「いもち病菌」の遺伝子「RBF1」を発見した。

「いもち病菌」は、イネの細胞に侵入する際、「RBF1」が作るタンパク質を分泌することで、特殊な構造体を作り、イネの防御反応を抑制することがわかった。この成果は2017年10月7日に「科学雑誌PLOS Pathogens」(※こちら)で発表されている。

この「RBF1」遺伝子の発見は、「いもち病」防除法を開発するための重要な手がかりとなるという。将来、農家の病害対策の悩みを解消してくれるかもしれない。今後の取り組みに期待したい。

問い合わせ

農研機構 本部 連携広報部広報課
TEL:029-838-8988

関連記事

秋田市

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 【参加受付中!】日本農業のこれからを考える『第3回次世代農業セミナー』を開催!...
  2. 肥料価格高騰のなか、地域資源循環に高評価! 牛ふん・汚泥・食品残渣などを混合した完熟堆肥を活用...
  3. 喜界町で実践する新しい排水対策。目詰まりしにくい暗渠排水材「ドレインベルト」に迫る...
  4. ハウスの高温対策に! 炭酸カルシウムのパイオニア企業が生み出した遮光資材...
  5. 業界初!60度の急斜面でも草刈り可能な草刈機「ベローン」で安心・安全&ラクな作業へ...
  6. 【家庭菜園】きゅうり栽培で大事なポイントとは?ベストな肥料や正しい栽培方法を徹底解説!...
  7. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  8. 水田除草もスマート化! これから活躍が期待できる除草ロボット3選
  9. 夏の農作業に必須! 日差しから身を守る帽子6選
  10. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.36|¥0
2025/07/01発行

お詫びと訂正