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生産者の取り組み

若手男前農家集団『トラ男』の米が売れている理由

日本の米どころ代表の秋田。そこへUターンをし、米でその名を轟かせた男がいる。その男が仕掛けたのはその名も「トラ男」。トラクターに乗っている米農家の男性に注目し、チームにすることで違いを見せ、ブランディングに成功した。今回は、その仕掛け人、武田氏にお話を伺った。

目の当たりにした
地元の劇的な衰退

武田氏は、秋田生まれ秋田育ち。上京し、大手ゲーム会社へ就職していた24歳のある日、帰省した際に故郷の劇的な衰退を目の当たりにした。「100年以内に人口が0になる」。そんな言葉も耳にした。これが彼を奮い立たせる大きなきっかけとなる。

「地元組の中でも同年代の農家育ちはちょうど代替えの時期でしたが、仕方なく親から農地を継いだ、というモチベーションの人たちがほとんどでした。どうにかしなくてはと思いましたが、僕の実家は公務員一家で、当時はお米が何月に獲れるかさえも知らなかったんです。そこで、東京で月〜金で働いて、土日に農家に会いに行きました。技術的な面と、精神的な面をつないで話を聴くというのを、18日間かけて100人に聞いて回りました。その中で感じた課題が”稼げていない”ということだったんです。その大きな理由は流通にあると感じました。一生懸命作っても、JAに出荷すると、他の生産者のものと一緒に混ぜられてパッケージングされる。安定供給という面ではメリットはあるけど、一人一人のこだわりや顔は一切届いていない。そこに憤りを感じたんです」。

農家のやりがいは、
「ありがとう」

農家の人々に聞いて回る中で、やりがいは皆揃って「お客様からのありがとう」だったという。

「東京にいると、”顔が見える農家”はよく聞くけど、農家にとって”顔が見えるお客さん”って作れているのだろうかと思ったんです。そこで、東京のスーパーで100人の主婦にインタビューしてみました。シンプルに、『なぜ、そのお米を買っているのですか?』と。

すると答えは、『価格・品種・鮮度』だけだったんです。この時初めて、本来届けたいお客様はスーパーにはいないことがわかりました。美味しいものを届けて、美味しいと言ってもらえる関係。そんなシンプルなコミュニケーションを届けたいと思ったんです」。

そこで、2010年に仲間の農家と「トラ男」を立ち上げる。ネット販売やイベントから始めたのは、農業に対する悪印象=6K(きつい・汚い・かっこ悪い・臭い・稼げない・結婚できない)を払拭したかったから。当時周囲のITリテラシーも低かった中で、SNSを利用してのPRに理解者は少なかったものの、東京や感度の高い消費者へダイレクトに伝わり、一気に「トラ男」の輪が広がることになる。

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