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生産者の取組み

ヒートポンプでコスト削減と品質向上! 若手『温室みかん』農家の取り組み

名古屋から南東約60kmに位置する愛知県蒲郡(がまごおり)市は、南は三河湾に面し東・西・北は丘陵に囲まれた温暖な地域。そんな土地で栽培された蒲郡温室みかんは、有名デパート等でも販売されている特産品である。

みかんの品質を高めて、
地域の温室みかん発展に貢献したい

「みかんの産地と言えば和歌山県や愛媛県が有名ですし、この近くでは静岡県の三ケ日も全国区の知名度がありますよね? でも蒲郡のみかんも負けていないんですよ」。


飛田さんと奥様、飛田さんのご両親の4人で60aのハウスを管理している。

そう話すのは、蒲郡市でみかん農家を営む飛田晃宏(とびたあきひろ)さんだ。蒲郡温室みかんは、確立された栽培方法により、平成30年産の出荷量は1590トンを誇る全国有数の産地となっている。蒲郡温室みかんは、4月中旬から9月下旬という期間、全国に出荷を行っており、夏のギフト用としても人気が高いブランドだ。

「温室みかんは水分を調整できるから甘くなります。高糖度の甘さと程よい酸味を兼ね備えていて、本当に美味しいんですよ。一度でも食べていただけたら、絶対にファンになっていただけると思います(笑)。

私が心掛けているのは、作業効率と品質の向上です。そのため、植え替えや剪定は、細心の注意をはらって行っています。収量を上げようと密にし過ぎると、陽が当たらず色付かないことがあるんです。また、ある程度の隙間がないと作業もやりづらいんです。

当地には素晴らしい技術を持った先輩方が沢山いらっしゃるので、皆さんにアドバイスをもらいながら日々改善しています」。


密植し過ぎると陽に当たらない実ができてしまう。丁寧な剪定が品質確保の鍵を握る。

そんな温室みかん栽培で避けて通れないのが暖房である。出荷を開始するには、それまでに少なからず暖房を焚いて、ハウス内温度を高めないといけない。

温室みかん栽培の経費において、暖房費は相当の割合を占める。そこで飛田さんが導入したのが施設園芸用ヒートポンプ『グリーンパッケージだ。


ヒートポンプ『グリーンパッケージ』は直進性の強風も魅力。インバーター非搭載だから立ち上がりも早い。

「今は燃料の単価が安いので燃焼式暖房機でも問題ありませんが、燃料の値段は安定していませんので、値上がりしたら大変です。

この『グリーンパッケージ』は燃焼式暖房機と併用するハイブリッドタイプだから高効率です。冷房・除湿に使えるのも魅力ですね。みかんの着色期に夜間冷房(除湿)することで品質を上げようという試みもありますから、機会を作って夜間冷房(除湿)にも挑戦してみたいです」。


『省エネハイブリッド制御盤』。ヒートポンプと燃焼式暖房機『ハウスカオンキ』を一つで制御できるから便利だ。

常に謙虚な飛田さんだが、将来の目標について聞くと「当地の温室みかん発展に貢献できるよう、まずは自分のみかんの品質を高めていきたいです」と力強く語ってくれた。ネポンの『グリーンパッケージ』は、そんな飛田さんの想いの象徴なのだ。

 

PICK UP

グリーンパッケージ

品質向上・増収・省エネに!施設園芸用ヒートポンプ『グリーンパッケージ』はインバーターを非搭載とすることで低価格化しつつ、素早い冷暖房を実現する。飛田さんによると「直進性の強風も素晴らしい! 40m先にも余裕をもって暖気が届いています」とのこと。もちろん除湿や冷房にも利用できる。
 

ハウスカオンキと併用で更にお得に

暖房機との併用でさらに省エネ! 立ち上がりは『グリーンパッケージ』を優先使用し、暖房能力が不足したら燃焼式暖房機『ハウスカオンキ』が補完するハイブリッド運転が可能だ。


燃焼式暖房機『ハウスカオンキ』

 

蒲郡温室みかん

蒲郡で温室みかん栽培が始められたのは1973年のこと。他産地との差別化とオンリーワンの魅力を獲得するために地域一丸となって挑戦を始めたのだという。品種を宮川早生に統一し、生育に合わせた温度管理、土壌の水分調整をすることで、甘さと酸味を絶妙にバランスさせている。

DATA

ネポン株式会社
〒243-0215 神奈川県厚木市上古沢411
TEL:046-247-3269


写真:藤代誉士
文:川島礼二郎

AGRI JOURNAL vol.17(2020年秋号)より転載

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