スマート農業市場は拡大、2025年には123億円の予測
2018/05/28
人手不足問題を抱える農業分野で期待がかかる、農業用ドローンや農業用ロボットをはじめ、センシング・制御・ネットワーク技術やAI、画像解析などのスマート農業関連の調査を株式会社富士経済が実施した。
農業主体が企業や若い世代へ拡大
効率化を求めてICT技術を積極導入
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済は、農作業における省力・軽労化、農作物の安定供給、栽培技術の継承など、国内農業の課題解決策として期待・注目されるスマート農業関連の市場を調査した。
【農業用ドローン/ロボット(車両型の自動運転農機)】
人手不足問題を抱える農業分野では期待が大きい。農業用ドローンは安全性やイニシャルコストの面で課題が残るものの、近年自立飛行型の発売や、規制緩和といった普及に向けた環境整備が進んでいる。農業用ロボットは2017年にモニター販売が始まり、2018年には各社から製品投入が予定されており、今後の伸長が予想される。
【環境制御装置】
大規模栽培施設には必要な装置であり、政府によるICT事業への補助も追い風となって、市場が拡大している。今後も大規模栽培施設は増加するとみられ、また、既設の栽培施設においても生産性の改善に向けて統合的な制御ができる高度な環境制御装置の導入が進むとみられる。
【環境モニタリングシステム】
様々なITベンダーが市場に参入したことで、ユーザーニーズに即した製品やサービスが増加している。今後も大規模栽培施設向けを中心に市場が拡大していくとみられる。また、これまでは大手企業によるハイエンドモデルが中心だったが、参入企業の増加によりローエンドモデルが増加してきており、ユーザー層の拡大を後押ししている。
【生産・販売・物流管理システム/サービス】
従来の紙媒体による記録管理からIT化による効率的な情報の管理と活用へニーズが移行しており、徐々に普及が進んでいる。現在、政府主導で農政改革が進められており、各地のJAもIT化を推進している。また、企業や農業生産法人にとってITを活用した生産管理システムは一般的であるため、今後は生産管理や業務効率化ニーズの高まりとともに、市場は堅調に拡大すると予想される。
農業主体が企業や若い世代へ拡大。経営管理や農業の効率化からICT技術を積極導入している。今後、ますます注目されるであろうスマート農業。上手に取り入れていきたい。
問い合わせ
株式会社富士経済
TEL:03-3664-5811