JA全農が30年度「秋肥」共同購入で1~3割の価格引き下げ
2018/09/03
JA全農が、30肥料年度秋肥共同購入の結果を公表した。対象品目を普通化成一般、苦土入り高度化成まで拡大し、約3万トンの予約を積み上げたうえ、入札によって約1~3割の価格引き下げを実現したという。
550銘柄を25銘柄に集約
入札でメーカーも絞り込み
全国農業協同組合連合会(JA全農)は、肥料事業において、化成肥料の「銘柄集約による共同購入」に取り組んでいる。30肥料年度からは、普通化成一般や、苦土入り高度化成まで対象品目を拡大。秋用肥料として約3万トンの予約を積み上げたという。
そのキーポイントとなったのが、品目の拡大と、銘柄の集約だ。春から取り組みを始めた高度化成一般・NK化成一般の2品目に加えて、この秋からは普通化成一般・苦土入り高度化成も追加して、2品目から4品目へと拡大。品目数を拡大する一方、4品目全体で全国約550銘柄だったところを、わずか25銘柄に集約した。
銘柄を絞り込んだうえで、予約数は落とさなかった。東北ブロックを除く4ブロックで、集約前の全実績をカバーする約3万トンの予約を積み上げた。なお東北ブロックは、春肥のみの取り扱いとなっている。
ブロック別集約銘柄一覧(出典:JA全農)
こうした3万トンの事前予約数量にもとづいてブロックごとに入札を行った結果、4品目すべてで、基準価格に比べておよそ1~3割の価格引き下げを実現。ただし、既に共同購入に取り組んできた高度化成一般と、NK化成一般については、30年春用価格よりも若干の値上げとなるという。
また、入札によってメーカー数も集約し、昨年の秋用肥料の全国16社35工場から、8社11工場に絞り込んだ。
JA全農は、31年春用肥料でも、この4品目では引き続き予約の積み上げを実施。さらに有機化成(有機質原料の割合が2~3割程度の銘柄)に関しても、ブロックごとに銘柄とメーカーを絞り込んでいくという。