TOKIO国分太一さん登壇!ヤンマーが営農型太陽光発電プロジェクトを発表
2025/06/13

ヤンマーは持続可能な農業に向けたプロジェクト「SAVE THE FARMS by YANMAR」の事業説明会を実施した。営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)に関する新事業の詳細と、ゲストに国分太一氏を交えたトークセッションの模様をお送りする。
あと継ぎや耕作放棄地、GHGの諸問題を
一挙に解決させるヤンマーの新事業
ヤンマーホールディングス株式会社は、持続可能な農業の実現に向け、自社の技術を活かして未来の農地を守る包括的なプロジェクト「SAVE THE FARMS by YANMAR」を発表。第一弾として環境再生型農業と営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を組み合わせたソリューションを展開する。
環境再生型農業×営農型太陽光発電によるソリューションの仕組み
このプロジェクトの背景には、農業の担い手の高齢化・後継者不足と、それに伴う耕作放棄地の増加がある。また、日本が排出する温室効果ガス(GHG)のうち、農林水産分野からの排出量は4.2%を占めており、これを抑制していくことも近年の大きな課題だ。
今回ヤンマーが提案するのは、オーナーから農地を借り、バイオ炭やバイオスティミュラントなどを利用した環境再生型農業を自社で実施しつつ、農地上で太陽光発電設備を構築してグリーン電力の活用や売電を行うソリューション。環境負荷を減らしながら農作物の生育を安定化・高付加価値化させて地域経済に貢献し、持続可能な農業を実現していくものだ。
これを「ヤンマー自社営農型」として、滋賀県栗東市の農場ではグループ特例子会社のヤンマーシンビオシスが運用する。また、営農は農家が行い、発電事業のみをヤンマーが担う「農家営農型」のケースも展開し、モデルとして岡山県岡山市の農家で実施する。ともに2026年4月から営農型太陽光発電を開始する予定だ。
これら2つのソーラーシェアリングモデルを全国の自治体・農業関係者へ提案し、2030年度には全国で1,000haの展開を目指すという。
ヤンマーホールディングス株式会社 技術本部 共創推進室 室長 中野年章氏
登壇した同社技術本部 共創推進室 室長 中野年章氏は「太陽光パネル設置への投資、作物の収量維持への不安、地域への影響、煩雑な農地一時転用許可申請など、ソーラーシェアリングの普及課題をヤンマーの知見で解決し、スムーズに進められるのが強み」と説き、地域の農地を守りながら未来の農業を支えていくプロジェクトへの意気込みを示した。
「持続可能な農業」についてどう考える?
国分太一氏とトークセッション
プロジェクトの発表後、「持続可能な農業の未来」をテーマにトークセッションが行われた。ヤンマーホールディングス株式会社取締役CDOの奥山博史氏、ソーラーシェアリングを実践する千葉エコ・エネルギー株式会社代表取締役の馬上丈司氏に加えて、特別ゲストとしてアイドルグループ「TOKIO」のメンバー兼株式会社TOKIO副社長の国分太一氏も登壇した。
ヤンマーホールディングス株式会社取締役CDO 奥山博史氏
奥山氏 我々ヤンマーが考える持続可能性は2つあります。地球環境の持続可能性と、人間の持続可能性です。地球環境の持続性を保つために、人間がすごく不便な生活になったり、いろんな面で耐えたりしなくてはいけないのはちょっと違う。
それをテクノロジーの力で解決するのが今回のプロジェクト。温暖化ガスの排出も抑えて、それから土の中の微生物の力を最大限に生かしながら再生可能な農業を行うことで、結果としてより安心・安全な食べ物ができたり、栄養価が高かったり、おいしくなって、自然環境に配慮しながら人間も豊かな生活ができる。国分さんもいろいろな活動をされていますが、どうお感じになられますか。
アイドルグループ「TOKIO」のメンバー兼株式会社TOKIO副社長 国分太一氏
国分氏 ヤンマーさんは農業の最先端に挑戦をしていますね。僕が思うのは、まずは農業に興味を持ってもらうっていうことがとても大切なのかなと。
今の子どもたちには、農業に触れる機会が全くないんですね。僕だって初めて農業に出会ったのは20代の半ばぐらい。最初は、いつもだったら楽器を演奏している爪の中に土が入ってるのがすごく嫌で、なんでこんなことしなきゃいけないんだよって思いながらやっていました。
でも当時の福島県のおじいちゃん、おばあちゃんは、そんな反抗的な僕らに対しても、正面向いて「こうやってやんだよ」って教えてくれて。僕らにとって大切な先生たちに出会うことができた。そこから農業の楽しさ、魅力にどんどんハマっていった。こういう機会を多くの人に持ってほしいし、僕たちが魅力を伝えていくことが持続可能になるのかもしれないと思って、TOKIO-BAというフィールドを作ったり、テレビ番組で発信したりしています。
千葉エコ・エネルギー株式会社代表取締役 馬上丈司氏
馬上氏 私の専門領域ですが、やっぱりエネルギーに注目をしています。
そもそも食べ物自体が私たちのエネルギー。それを作るには、今は化石燃料をたくさん使わないと手に入らない。今回のプロジェクトが広まると、太陽光発電で作った電気で農業機械が動いて、それで野菜やお米が作れるようになって、地域の豊かさにもつながる。そうして地域でエネルギーを循環させていくことこそが持続可能性だし、次の世代の子どもたちが目を輝かせてくれるもの。それが夢のある未来の姿だなと思います。
ソーラーシェアリングはこれまで発電に注目が集まっていて、じゃあ誰が農業をやるのかという点がおろそかになっていた。農業を含めてヤンマーさんがやるという今回のモデルに期待しています。
国分氏 今日は「のうぎょう」の言葉であいうえお作文を作ってきたんですけど、
「の」農業って
「う」うっかりハマっちゃう
「ぎょ」業界なんて関係ない
「う」動く1歩がおいしい未来
と書きました。僕らは今年で田植えを始めて25年目を迎えたんです。今は僕らが持っている畑が3つ4つあって、プライベートでも東京に畑を借りている。最初は嫌だったのに、それがここまでハマってしまう魅力があるのが農業です。
課題は多いですが、いろんな人たちがタッグを組むことでクリアできるんじゃないか。そして消費者も変わっていかなきゃいけない。規格外の野菜でも受け入れる心を持って食料廃棄を減らせば、より持続可能性が高まるのかなと思っています。
DATA
「SAVE THE FARMS by YANMAR」プロジェクトについて
写真/金子怜史 文/本多祐介