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農作業で痛めやすい腰を“空気の力”で補助するスーツ

施設園芸・植物工場展、通称「GPEC」で注目を集めていたのが、腰を補助するマッスルスーツの新モデルだ。空気の力で、農作業で痛めやすい腰の負担を軽減してくれる。実際の圃場での使いやすさにこだわって開発された新型スーツとは。

「空気の力」で腰を補助
新型マッスルスーツが登場

2018年7月11日~13日、東京ビッグサイトで「施設園芸・植物工場展 2018(GPEC)」が開催された。アグリジャーナル編集部は、会場内の各ブースを徹底取材。注目ブースを、複数回に分けて紹介する。今回は、農作業で負担のかかる「腰」を補助するためのマッスルスーツを出展していた東京理科大発のベンチャー企業・株式会社イノフィスだ。

もともとは介護福祉機器をメインに手掛けているイノフィス社。人の体の動きや、骨格や筋肉の仕組みなどについては知り尽くしている。そんな同社が、腰の補助に特化して開発・改良を重ねてきたのが、腰補助用マッスルスーツ「スタンドアローン」だ。中腰でかがんだり、重いものを持ち上げる動作など、腰に負担がかかる動作を補助してくれる。


編集部員が実際にブースで試したところ、たしかに重い物を持ち上げる作業が、劇的に楽になった。

特筆すべき点の一つが、バッテリーなどの電気系統をいっさい使用していないところ。屋外で作業する場合、雨や砂ぼこりは避けられないが、スタンドアローンは電気系統を使っていないので耐久性が高い。また、バッテリーの持続時間などを気にせず、作業に集中できる点もメリットだ。

電気系統のかわりに活用しているのは「空気」。付属のポンプで人工筋肉に空気を注入することで、最大約25kgfのアシスト力を発揮する。いったん空気を入れてしまえば、装着する時間はわずか10秒ほど。すぐに作業に入ることができる。


空気でふくらませるとなると、パンクのリスクが気になるところだが、イノフィス社の担当者は「発売以来、パンクしたという話はまったくない」と耐久性能に自信を見せる。なお、同社はマッスルスーツの開発を2001年からスタートし、2014年に初期モデルを発売。現在までに累計で約3,400台の販売実績があるという。

スタンドアローンは、2タイプをラインアップ。ももパッドが脚にフィットして装着時に安定感のある「タイトフィット」と、ももパッドと脚の間に余裕があり歩行しやすい「ソフトフィット」だ。価格は、タイトフィットが70万円、ソフトフィットが80万円(いずれも税別)。

農作業は、体が資本。もしも腰を痛めてしまったら、作業効率が下がるだけでなく、まったく仕事ができない事態にもなりかねない。こうした補助器具などを賢く活用して、スマートに作業したいものだ。

DATA

株式会社イノフィス
腰補助用マッスルスーツ「スタンドアローン」製品情報

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