微生物が根に共生して生育を促進! ネギ農家の強い味方「菌根菌」に注目
2022/02/03
ネギ農家が「使用した結果、ネギ不足の時期もLLサイズの立派なネギを出荷できた」と、その効果に太鼓判を押す微生物資材「育苗用G2」とは? 期待できる効果を開発者に聞いた。
メイン画像右:長野県塩尻市にて6haの白ネギを栽培する、農業生産法人「合同会社ゲインズエンタープライズ」の代表・丸山浩太さん。
収穫時に太さの違いを実感
病気に強くなる結果も
「ネギが太った!」「サイズがLからLLになった」。「育苗用G2」を使用した各地のネギ農家たちから驚きの声が止まない。「育苗用G2」は、1980年創業の老舗微生物メーカー、株式会社松本微生物研究所が開発した農業用の微生物資材だ。根に共生する有用微生物、アーバスキュラー菌根菌(以下、A菌根菌)を配合し、苗に散布するだけで、約3週間でA菌根菌が根に共生。A菌根菌が、リン酸を含む養水分を植物体に供給し、作物の生育促進効果が期待できる。
「養水分の吸収領域が拡大し、LL率が向上することで、収益性が高まる結果も出ています。収穫時にはネギの太さの違いを実感できます。耐乾燥性も高まり、病気に強くなる結果も出ています」と、同社・土壌医の忠地さんは話す。
効果が高い理由は、日本の気候風土に適した活性の高い国産菌株を選抜しているから。また、土壌中のリン酸を有効活用できるため、減肥・コスト減にも役立つばかりか、環境保全にも貢献する。肥料原料の価格高騰が著しい昨今、ネギ農家にとって非常に心強い味方になるに違いない。
アーバスキュラー菌根菌の働きとは?
①菌根菌が根に共生
共生能力・生育促進活性の高い有用なアーバスキュラー菌根菌(以下、A菌根菌)を選抜して作る「育苗用G2」。施用後、約3週間過程でA菌根菌が根に共生する。写真は、実際にA菌根菌が根に共生した状態。
②養水分を植物体へ供給
A菌根菌と植物体は共生関係で結ばれている。植物体に、リン酸・水分・ミネラルを供給し、土壌に吸着された難溶性リン酸の吸収も促す。
③養水分吸収領域の拡大
根に共生したA菌根菌は、菌糸を土壌中に張り巡らせ、養水分吸収領域を拡大。菌糸は、根では吸収できないわずかな養水分もキャッチして吸収する。
Point!
LサイズからLLサイズへ歴然の効果が表れる
「育苗用G2」は一般的な微生物資材とは異なり、作物の根に菌根菌が共生することで施用した年に効果が表れる。特にネギで効果が高く、LLサイズのネギが格段に増えている。
左が対照区、右が試験区。「育苗用G2」を試験した方が、ネギが太くなり、また、等級(LL比率)が向上した
製品情報
育苗用G2
1kg 2,420円/5kg 11,000円
根に共生するアーバスキュラー菌根菌を配合。養水分の吸収を促し、作物の発根、生育を促進。ネギ苗約20枚に対し1kg使用。
施用方法についての動画はこちら
お話を聞いた人
忠地真吾さん
株式会社松本微生物研究所、営業部係長。土壌医。営業活動の傍ら、農家向けに土づくりのアドバイスや相談にも尽力。2020年、土壌医の会全国協議会会長賞受賞。
問い合わせ
株式会社松本微生物研究所
メールアドレス:info@matsumoto-biken.co.jp
文・写真:曽田夕紀子(株式会社ミゲル)
AGRI JOURNAL vol.22(2022年冬号)より転載
Sponsored by 株式会社松本微生物研究所