注目キーワード

生産者の取り組み

“牛が最も快適に暮らす”酪農場、村上牧場

アニマルウェルフェア――直訳すると動物福祉のことで、家畜の快適性に配慮した飼養管理を行う生産システムのこと。家畜のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めようとするこの考え方が、近年、畜産界で注目されつつある。

アニマルウェルフェアを実践する

欧米ではオーガニック食品同様、アニマルウェルフェアは消費者に浸透しつつあるほか、世界動物保健機関(OIE)が基準を策定するなど、世界的に様々な動きが加速している。しかしそんな潮流とは関係なく、以前から「家畜の健康と幸せ」に配慮した農場は、国内にも少なからず存在していた。

世界的にもいま重要視され始めている、アニマルウェルフェアの考え方。家畜である牛のQOLを高めることで、いいミルクが搾れるだけでなく、心豊かな家畜との交流によって生産者自身の仕事の楽しみも増すのだ。

遠くに奥尻島を望む海辺の農場で循環型の放牧酪農を行う、北海道・せたな町の村上牧場もその1つだ。牛本来の自然な飼い方をしたいと、15年前につなぎ飼いから放酪農へ転換。

自家飼料と最小限の配合飼料(NON-GMO)でホルスタイン約40頭を、自家チーズ用としてジャージー、ブラウンスイス13頭を放牧草と乾草で育てている。

2008年には、Uターンした3代目の村上健吾さんが、農場内にチーズ工房を開設。オーガニックミルクの風味が生かされたナチュラルチーズは、輝かしい受賞歴を持つなど評判が高い。

この仕事のやりがいについて聞くと、「牛とともにある生活そのものです」。と村上さん。

12>

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 【動き出したスマート農業技術活用促進法】生産方式革新実施計画を11件認定...
  2. 【家庭菜園】きゅうり栽培で大事なポイントとは?ベストな肥料や正しい栽培方法を徹底解説!...
  3. 台風で倒れたネギが倍の早さで復活! バイオスティミュラント「レコルト®」試用レポート...
  4. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  5. 注目される『バイオ炭の農地施用』。温暖化対策に加え、Jクレジット活用で収入アップにも期待!...
  6. 今買えるEV軽トラから特定小型まで! 農業で活躍するモビリティを一挙公開!...
  7. その「二価鉄」効いてる? 専門家に聞いた、「鉄欠乏」に効くバイオスティミュラント資材とは...
  8. 東京オートサロン2024でみつけた、最新の軽トラカスタム一挙公開!
  9. 玉ねぎ栽培におすすめな肥料とは?育て方に最適な追肥の時期や方法を紹介!...
  10. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.34|¥0
2025/01/21発行

お詫びと訂正