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イチゴを食べる+αで来場者を呼ぶ!シェアしたくなる観光農園の工夫って?

来園のきっかけのほとんどが、「友人のSNSを見たから」! "イチゴを食べる+α"の魅力で国内外からの集客を成功させている観光農園があるのをご存知だろうか。広島県三次市にある平田観光農園の『いちごディスカバリー』は、独自の工夫で毎年予約が取れないほどの人気を博している。

フォトスポットで貸出しのイチゴの被り物をして撮影する来場者。

『イチゴを収穫する』という
体験に+αの工夫を

イチゴ観光農園のプランといえば、何十分間かの食べ放題である。ただし、これでは来場者が多いときはイチゴが不足し、来場者が少ないとイチゴが余ってしまう。多くの観光農園で、この需給バランスをとることに苦労している。

広島県三次市にある平田観光農園は、年間を通して様々な果物を楽しめる観光農園だが、毎年予約が取れないほどの人気を博しているのが、『いちごディスカバリー』である。これは、イチゴ食べ放題の時間を20分に短くする一方で、イチゴを材料にスイーツ作りができる完全予約制のコースだ。代表の平田さんは、「ただイチゴを食べたいだけであれば、スーパーで買った方が安い。お客様は『イチゴを収穫する』という体験のために来てくださっているのだと気づいたのが、スタートのきっかけでした」と語る。

 


2019年には、市内で新たに「君田いちごハウス」をオープンした。60分の食べ放題と1パックのおみやげ付きで、イチゴスイーツのテイクアウトやSNS映えするコーナーなども充実させた。そのうえで、経営側が最も勇気を伴う決断である、料金の値上げを実行した。そしてアンケート調査をした結果は……『大満足』であったという。「『イチゴを食べる+α』の内容が良ければ、お客様は料金を高いとは思いません。料金が高くても、おみやげやスイーツ作り体験、SNS映えするシーンがたくさんある方が、お客様の満足度が高いことがわかりました。そしてご満足いただいたお客様からの口コミやSNSが新たなお客様を呼んでくれる、という好循環が生まれたのです」。

シェアしたくなる体験の工夫が散りばめられた、平田観光農園の取り組みは、大いに参考になりそうだ。


「いちごディスカバリー」で楽しめるピザ作り体験。

今年新オープンした「君田いちごハウス」。


「君田いちごハウス」はイチゴスイーツのテイクアウトやSNS映えするコーナーが充実。

平田観光農園内にある古民家カフェ「noqoo」でも、シーズン中はイチゴを使った美しいメニューが楽しめる。


DATA

有限会社 平田観光農園
〒728-0624
広島県三次市上田町1740-3
TEL:0824-69-2346


text: Reggy Kawashima

AGRI JOURNAL vol.12(2019年夏号)より転載

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