【家庭菜園】ナスの栽培のポイントは?植え付けから収穫スケジュール、適切な肥料まで徹底解説!
2025/05/28

家庭菜園でナスを育てる人気が高まる中、正しい栽培方法や適切な肥料の選び方に悩む人も多い。本記事では、家庭でのナス栽培のポイントと肥料選びについて詳しく解説する。
1.ナスの豆知識
2.ナス栽培の工程と役割 栽培スケジュールを解説!
3.ナス栽培において大事なことは?
4.まとめ
ナスの豆知識
ナスは、開花後2~3週間後に収穫でき、一般的に6~10月の夏場に収穫できる野菜である。
現在ではハウス栽培も盛んに行われ、促成ナスであれば9月に定植を始めて10月から翌年7月までの長期間収穫が可能になった。ハウス栽培の場合は悪天候の影響を受けにくく、安定した栽培が可能なのが強みだ。
出典:農林水産省
ナスは夏バテや高血圧の予防、免疫アップに効果的な野菜である。またお腹の調子を整える食物繊維の宝庫で、便秘の予防や血糖値の改善にも効果があることでも知られている。
ナスの栽培はまだまだ技術開発が進んでおらず、家庭菜園初心者には難しい。しかしコツを掴めば、誰でもおいしいナスの栽培が可能だ。
ナス栽培の工程と役割
栽培スケジュールを解説!
まずは、ナス栽培の工程と役割、適切な肥料の量について詳しく解説していく。
ナス栽培の工程は、以下の順番で行う。
土づくり
元肥
植え付け
芽かき
追肥
収穫
これらの工程を順番に解説していくので、ナスを家庭菜園で栽培したいと思ったらぜひ参考にしてほしい。
土づくり
ナスの栽培に有効な土づくりは、なるべく有機物を多めにしてふかふかの土にするのが理想だ。植え付けの2週間前には、石灰を畑全体に撒いてよく耕しておき、1週間前には油カスや堆肥を使用して十分に土を整えるようにしよう。
ナス栽培は、畝(うね)の中央の溝で育てる溝施肥で栽培するのが最も適切である。地面の温度を上げればよりおいしくナスが育つので、土の温度を上げるために畑の畝に農業用マルチシートをかけて対応しよう。
元肥
土づくりが終了したら、今度はナスの栽培を助けるための元肥を用意する。ナスは多肥を好む野菜であるので、なるべく効果の長い肥料を選んで使用するのがおすすめだ。
ナスの元肥は1㎡あたり、チッ素、リン酸、カリいずれもの栄養成分も20~30gを目安に加えるのが適当である。
ナスに利用できる肥料は、ホームセンターなどで多くの種類が販売されているので、販売スタッフにじっくり相談して決定するようにしよう。
植え付け
ナスの苗の植え付けは、春にあたる4〜5月に行おう。ナスは種から栽培するのはかなり難しい野菜なので、初心者はできる限り苗を購入して植え付けで行うのをおすすめする。
植え付けをする際には畝に土を温めるマルチを敷いて、株間50~60cmで定植する。植え付け前には根鉢に水を含ませ、ゆっくりポットから取り出して植えるようにしよう。
植える時は浅めに植えて、苗のわき芽を取る。それから土と根をしっかり密着させて、水をやって馴染ませていく。
ナスは別の土に慣れるのに時間がかかる傾向にあるため、植えてから1週間は葉がしおれることがあるが、特に問題はない。
芽かき
芽かきとは、茎と葉の付け根から出てくるわき芽を取り除く作業である。これをすることで、枝や葉に無駄な養分が行くことを防いでナスの実が大きくなりやすくなる。
芽かきはこの他に、風通しの良い環境を確保し、枝や花が病気にならないようにする目的もある。ただし、生育が順調で実がきれいになりそうだったら、無理に芽かきをする必要はない。
芽かきは、最初の花が咲く5月頃に行おう。ナスの場合は1番花から下に数えて、2本の枝を残して、その下にある枝を全部切るようにしよう。
追肥
ナスは吸肥力が強く、元肥だけでは成長が難しいため、栽培には追肥が必要だ。
ナスの追肥は、最初の実がなり始める頃に1回目を行う。使用する肥料は即効性のある化成肥料で、2回目以降は10〜14日の間隔で追肥するようにしたい。
追肥する量は、1株当たり50gくらいが適切である。1回目の追肥は株元に、2回目以降の追肥は株元から少し離れた畝の肩部分に穴を掘って、そこに肥料を入れて耕すのが適当である。追肥をした後は、こまめに水を与えて肥料の吸収を促すようにしよう。
収穫
ナスを収穫する時期は品種や栽培方法によっても異なるが、7〜9月の夏の時期が最も良い季節だ。花が咲いてから2〜3週間経過すれば美味しいナスが実ってくるので、その時期に合わせて収穫を始めるようにしたい。
収穫可能な目安は、普通のナスであれば10〜15cm、長ナスの場合は35〜40cmほどだ。日持ちをよくするため、できれば収穫は朝の早い時間に行うのが最適である。
収穫する際は、ヘタの2cm上の部分をハサミで切れば簡単に収穫可能だ。その際、1つ1つ丁寧に切って収穫するようにしよう。
ナス栽培において
大事なことは?
おいしいナスを栽培する上では、日が当たり風通しの良い環境の確保が大切である。日照が少ない場合、実が小さいままで終わってしまうので注意が必要だ。
ナスは栽培期間が長いため、定期的に肥料を与えるのも大事である。
ナスは多肥料を好む野菜のため、植え付けて2〜3週間経過したらすぐに追肥し、その後も定期的に肥料を与えなければならない。
ただし、栽培においては事前に必要な肥料の栄養成分と役割、ナスの栽培に合った肥料と使用タイミングを理解する必要がある。
このほか、害虫を防ぐための対策も必要である。栽培したナスの葉を害虫に食われないようにするために、0.4mm以下の防虫ネットを使用するなどして防ぐようにしたい。
ここからは、ナス栽培において大切な肥料について改めて見てみよう。
ナス栽培に必要な肥料の栄養成分・役割
ナスの栽培に必要な栄養成分は、肥料の3要素として大事な役割を果たす窒素・リン酸・カリの3種類だ。これらの栄養成分がしっかり混ざれば、おいしいナスに育ちやすい。
窒素・リン酸・カリは、どれか一つでも欠ければおいしいナスは育たない。肥料が大きく偏ると、実が小さくなったり花の数が減ったりしてしまうので、注意が必要だ。
ホームセンターに行けば、上記3つの要素が含まれている肥料が数多く販売されている。
販売スタッフに相談して、ナス栽培に適した肥料を購入するようにしたい。
おすすめの肥料と使用タイミング
ナスの栽培には、ホームセンターなどで販売されている窒素・リン酸・カリがバランス良く混ざった野菜専用の肥料がおすすめである。
こちらは野菜を育てるために作られた肥料であるため、栽培に必要な栄養素を満遍なく与えられるのが強みだ。上記3つの栄養素をまとめて与えられるので、初心者にもおすすめである。
ナスの追肥は、定植して3週間経過した頃に1回目を行い、その後2週間に1回のタイミングで行うのが適切だ。
まとめ
今回の記事では、家庭菜園でナスを栽培する際の大事なポイントや、最適な肥料や正しい栽培方法について解説してきた。
ナスは栽培期間が長く、多肥を好む野菜である。そのため、元肥と追肥を適切に行うことや、肥効が長い肥料を使うようにすることが大事になる。
肥料にはチッ素・リン酸・カリの3種類がバランス良く含まれた肥料を使用するのが適切だ。
ホームセンターにはナスの栽培に適した肥料が多く売っているので、販売スタッフに相談して購入するようにしたい。ぜひ今回の記事を参考にして、家庭菜園でのナス栽培に活かしてみよう。