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トマトが受粉不要に? 低温・高温障害、着果不良対策の新技術

トマトの栽培においては、低温や高温による着果不良の問題が多く、頭を悩ませる農家も多い。繊細で管理の難しいトマトだが、安定生産を促進させる画期的な栽培方法が発表され、農水省の「2017年農業技術10大ニュース」にも選定された。その栽培方法とは?

トマトの着果不良を解決する
新品種を開発

数ある農作物の中でも有能な野菜のひとつである「トマト」。しかし、トマトは温度変化に弱く、着果不良や形・大きさのばらつきが生じることも多いため、栽培には細かな温度調整や生育状態に気を配るといった、多くの労力やコストを要する。

トマトの安定的生産を図る手法として、着果前の花房に植物ホルモンを塗布する方法が広く知られているが、新たに筑波大学、神戸大学、名城大学の3校による研究グループは「ゲノム編集技術」により、「受粉しなくても実がなるトマト」の開発に成功した。

受粉不要なトマトの
栽培メリットとは?

「ゲノム編集技術」とは、狙った遺伝子をピンポイントに改変できる技術のことだ。現在まだ認知度は高くないものの、医療現場における遺伝子治療や、農産物の栽培に応用するための研究が進められている。

開発されたトマトは「単為結果性トマト」と呼ばれ、手間のかかる授粉作業や、植物ホルモンを使った着果促進剤が不要となる。そのため栽培の省力化・低コスト化をはじめ、大量生産における安定生産にもつながると期待がかかっている。

また神戸大では、本研究に利用されたゲノム編集技術「Target-AID」の応用により、除草剤耐性イネの作出にも成功。このように他の作物にも品種改良への利用が広まれば、生産者や消費者のニーズに合った新品種の開発も進みそうだ。今後の動きにも注目したい。

DATA

神戸大学「ゲノム編集技術」を実証研究

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