水田の水位を遠隔操作・自動制御で徹底管理! 後付けできるスマートバルブとは
2019/11/20
“水田パイプライン”用のスマート水田サービスがスタート。最小限の部品で、バルブ本体の交換工事を行わずにバルブをスマート化でき、導入コストを抑えられるという。スマート農業の実現を目指している方は必見だ。
既存の水田バルブに後付けできる
スマートバルブを開発
スマート水田サービス『paditch(パディッチ)』を提供する株式会社笑農和が開発した、スマートバルブ『paditch valve 01(パディッチバルブゼロワン)』は、マサル工業株式会社が開発・販売している農業用給水栓MH型フィールドバルブに取り付けて利用する後付けのスマートバルブだ。
バルブの対応サイズは50φと75φの2種類がある。
株式会社笑農和がこれまで提供していたpaditchは、スマートフォンやパソコンから水田の水温や水位を把握したり、遠隔で水門の開閉を行ったりする、“開水路向け”のスマート水田サービスだ。
今回開発したpaditch valve 01は、従来のpaditchのノウハウをベースに“水田パイプライン”用に作られたシステム。
パイプライン用のpaditch valve 01を農業用給水栓MH型フィールドバルブに取り付けることで、水田の水位管理が遠隔操作・自動制御で省力化できる仕組みだ。
低コストで水田をスマート化
paditch valve 01は、既存の水田用バルブに専用アタッチメントで連結するだけで利用できるシステム。
バルブ本体の交換工事を行わずにバルブをスマート化できることから、スマート化のための部品も最小限で済み、導入コストを抑えられるのが特徴だ。
また、1戸の農家が複数のスマートバルブを利用する際のランニングコストを低減する仕組みとして、IoT向け無線通信技術LoRaWAN(ローラワン)を利用して通信回線をLPWA基地局に集約した。
導入の方法
paditch valve 01を導入するためには、事前に現地調査(無料)を行う必要がある。
現地調査では、LoRaWANを遮蔽するものはないか、地形に問題がないかなど詳しく調べ、屋内に設置するLPWA基地局の必要数などを割り出す。
これは、導入前に詳しく調査を行うことで、導入後のトラブルを避ける狙いがある。
また、paditch valve 01は、本体と専用の水田センサー、屋内に設置したLPWA基地局とシステムを操作するためのアプリケーションを組み合わせて利用する製品であるため、導入の際には本体に加えてこれらの付属品やシステムが必要だ。
現在は、マサル工業がpaditch valve 01の販売代理店になり、笑農和と共同で販売、導入支援、保守サポートを行っている。
DATA
Text:高橋みゆき