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田んぼを“見える化”した「MIETA」の活用法とは? 若手農家のプロジェクトに迫る

本誌先月号でご紹介した『e-Tanada』プロジェクトの続編をお届けしよう。棚田を守ろうとする若手生産者と研究者、それにKMT株式会社による取り組みは、収穫期を迎えていた。

» 先月号の記事はコチラ

 

『e-Tanada』プロジェクトの
実証結果

長崎県佐世保市鹿町で「棚田を守ることで地域社会を守り、それを次世代に引き継ぎたい」……という想いで若手生産者と研究者が立ち上げた『e-Tanada』プロジェクト。その想いに共感したフランスParrot社正規代理店のKMTが参画し、同社取扱いの『Bluegrass』を利用することとなった。

プロジェクトに携わる、生産者の前田晴郎さん(一般社団法人日本未来農業研究会理事)は、この『Bluegrass』のデータを、どう活用しているのだろう?実際に使っている様子を見せてもらった。

「代かき前の撮影データは、施肥量と施肥場所を推定するのに利用しました。NDVIの植生具合と、昨年の栽培で成育の良かった又は悪かった箇所と照らし合わせて、畑一枚の土壌の栄養の偏りなどを推定。それを施肥条件として適用しました。田植え後も毎月撮影して、成育状況の把握に使用しています。

今回は無農薬・無除草剤で行ったため雑草の生え方が一枚の畑でも違っていて、その様子がNDVIで明らかになりました。画像を見て除草作業をする優先順位を決めたり、追肥の施肥量と施肥場所を特定するのにも役に立ちました」。

e-Tanadaプロジェクトでは、無農薬・無除草剤で生産を行う。「稲のたんぱく質などもっと詳細なデータ取得ができればさらに発展できる」と米の品質向上にも期待を寄せる。

 
実に、栽培管理の様々な工程でこの『Bluegrass』が役立っている様子。操作などは難しくないのだろうか。

「正直に言って、こんなに田んぼ一枚一枚の状態がハッキリと見える化できるとは思っていなかったので驚いています(笑)。それに、ドローンで撮影したらその場でタブレット端末などを使って画像を確認できて本当に便利!自宅に帰ってPCで確認となると面倒ですから。操縦アプリの『Parrot Fields』なら、現場でデータを確認して、その場で追肥作業に移れます」と、大絶賛。

NDVIデータは除草作業の優先順位決めや、追肥を行う場所の特定などに活用。たとえば上記の画像では、中央あたりのオレンジ色に見える部分が他の部分に比べて生育が悪いため、この場所に重点的に施肥を行う、というような使い方だ。

 
そして『e-Tanada』プロジェクトの今後については、「こだわり続けてきた土づくりの成果も出ていて、今年は更に美味しいお米を沢山収穫できると期待しています。

『e-Tanada』プロジェクトは棚田を守ることだけでなく、地域社会を守ることも目指しており、有機無農薬・有機栽培を続けていく予定です。水の管理、肥料の管理、栽培の管理など、改善すべき点は少なくありませんが、『Bluegrass Fields』は労働の効率化にも役立ちますから、来年からは管理できる棚田を増やせます。いずれは集落一帯をドローンで管理したいです」と力強く語ってくれた。
 

 

次世代農地解析ドローンサービス「MIETA」

「MIETA」は、高性能マルチスペクトラムカメラを本体に内蔵したドローンと、撮影した画像を解析する専用ソフトを運用するためのサポートサービス。圃場の状態をタブレット端末等でNDVIマップとして確認でき、機体は専用リュックで背負える程にコンパクトで、圧倒的な低価格も魅力。共同体単位で購入するなどの共同利用もオススメだ。

価格等の詳細は、KMT株式会社まで問い合わせを。
 

問い合わせ

KMT DRONE SERVICE

TEL:03-6257-1197
Email:info-drone@kmtech.jp

問い合わせの際は、「アグリジャーナルを見た」とお伝え下さい。 
 


photo: Chihiro Fuchigami
text: Reggy Kawashima

AGRI JOURNAL vol.13(2019年秋号)より転載

Sponsored by KMT株式会社

 

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