種苗メーカーに朗報!「AI発芽検査」ソフトウェアが2021年4月に一般販売開始
2020/09/30
NTTテクノクロス株式会社が、AIが画像から種の発芽率検査を支援するソフトウェア「AI発芽検査」の開発・実用化に成功し、2021年4月に一般販売を開始する。その特徴と効果とは?
「AI発芽検査」の実用化成功
種苗メーカーの救世主となるか
発芽検査は、種苗法によって発芽率水準に一定以上の確保が義務付けられており、その膨大な検査量や検査員の育成など、種苗メーカーや自社品種開発メーカー、種子検査機関などは多くの課題を抱えている。
そこに着目したNTTテクノクロス株式会社が、タキイ種苗株式会社と協力し、AIが画像から植物の種の発芽率検査を支援するソフトウェア「AI発芽検査」の開発・実用化に成功したという。そして2020年11月1日にタキイ種苗に先行導入し、2021年4月の一般販売に向けて開発・改良を行う予定だ。作業の大幅な効率化が期待される「AI発芽検査」について、その特徴をチェックしてみよう。
大幅な作業効率アップ!?
「AI発芽検査」の特徴とは
(1)画像から十数秒で種100粒の発芽状態を検査できる
「AI発芽検査」では、撮影した種の画像からAIが学習データをもとに発芽状態を判定(特許出願中)。この支援により、検査員は1回当たりの判定作業を十数秒に短縮できる。タキイ種苗で、キャベツの種を用いて行った事前の検証では、判定精度(検査員判定との一致率)98%を確認。経験が浅い検査員の判定作業では、5倍以上の効率化を見込める。
(2)カメラとパソコンの小規模な設備で導入可能
「AI発芽検査」は、デジタルカメラとパソコンのみで利用可能。大規模な設備を必要とせず、低コストで簡単に導入できる。判定後の画像は保存可能で、検査の証跡としても活用できる。
野菜や花き類だけでなく、穀物や林木の種子などにも応用可能になるとのこと。今回のようなAI開発が進めば、大量かつ広範囲な検査や病気・成長率のチェックなど、他の様々な作業を手軽に効率化できるようになるかもしれない。低コストで大幅な時間短縮が望める発芽検査支援ソフトウェアの一般販売開始は、今後の展開にも期待したくなるニュースだ。
DATA
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NTTテクノクロス株式会社
IoTイノベーション事業部
担当:森川
TEL:045-212-7388