施設園芸は次のステージへ! 多くの作物で高収量を実現させる、期待の“新技術”とは?
2020/11/11
誠和といえば日本最高水準の収量を誇る研究開発拠点『トマトパーク』が有名だが、実はトマトだけじゃない! イチゴ、キュウリ、パプリカ等でも素晴らしい成果をあげている。
早くも結果を出す
リサーチパーク鶴の新技術開発
1968年の創業以来、施設園芸市場に常に新しい製品を提供し続けてきた誠和。特にトマトに関するノウハウは抜きん出ており、その優れた製品と栽培ノウハウ、それに手厚いユーザーサポートにより、高収量をサポートしてくれるメーカーとして広く知られている。
そんな誠和だが、実はイチゴ・キュウリ・パプリカなどでも、素晴らしい成果をあげているのをご存知だろうか? その舞台となっているのが研究開発拠点『リサーチパーク鶴』である。同施設で栽培を開始したのは2018年のこと。研究開発部栽培課課長の杉山さんが教えてくれた。
「リサーチパーク鶴では、新栽培技術の確立、新栽培装置の開発、それにプロファインダークラウド新コンテンツ開発など、ハード&ソフト両面の開発を進めています。たとえば、イチゴで使っている『新イチゴ養液栽培システム』や、『フィリップスLED』、低温CO2局所施用機『真呼吸』など、当社が市販している製品の効果的な使い方を研究したり、新しい培地の開発にも着手しています。また日本ではキュウリのハイワイヤー栽培の実績が少ないので、品種、培地、肥培管理といった基本的な栽培条件を検証しています」。
この誠和の新たな取り組みは、早くも実を結び始めている。以前から高収量実績のあるイチゴはもちろんのこと、キュウリ、パプリカの収量で日本最高水準の収量を叩き出したのだ。誠和はトマトだけではない。常に挑戦を続ける施設園芸の総合メーカーなのだ。
リサーチパーク鶴に学ぶ!
収量UPに導くアイテム
Check!
リサーチパーク鶴
総面積2,464㎡、ハウスの軒高は5.5mのオランダ製温室。栽培室は8室あり、320㎡が4室、160㎡が4室。それぞれ独立した環境管理を行う。イチゴ、キュウリ、パプリカの栽培試験を行っており、新たにナス、アスパラガス等にも挑戦中だ。リサーチパーク鶴の栽培データはプロファインダークラウド上で無料公開中。
ITEM① フィリップスLED
天候に左右されずに安定収量を目指せる!
天候に左右されず年間を通じて安定して収量を増やす『フィリップスLED』(トップライティング)はイチゴ栽培室に装備されていた。群落内に光を届けるインターライティングはトマトのような果菜類に最適だが、太陽光のように上から光が降り注ぐトップライティングはイチゴや葉物に適している。「今年の1~2月は曇天続きでしたが、去年と比べて12%も収量が増えました」(杉山さん)。
上:トップライティング式、下:インターライティング式
ITEM② 新イチゴ養液栽培システム
上:ハンギング式、下:サポート式
病害虫の発生リスクを最小限に抑える!
利便性が高く土壌由来の病害虫の発生リスクを最小限に抑える高設ベッドをベースにした「新イチゴ養液栽培システム」が、さらなる改良を目指して研究開発が進められている。ハウス上部からベッドを吊り下げて空間を有効活用できるハンギングシステムと、ハウスを選ばず導入可能なサポートシステムを使用。
ITEM③ 低温CO2局所施用機『真呼吸』
局所施用で無駄なく、作物の光合成を促す!
燃焼式ながら低温のCO₂ を供給できる『真呼吸』もイチゴ・キュウリの両方で使用中だ。「周年使っていますが、特筆すべきは3~5月の結果。低温CO₂だからこの時期も『真呼吸』をガンガン使えたので、イチゴでは低温CO₂ の効果を確信できる結果でした」(杉山さん)。
ITEM④ LSスクリーン
多彩なラインナップで高収量と暖房費の節約へ!
イチゴとキュウリのハウスで装備されていた『LSスクリーン』(上層にテンパ6562D・下層にラクソス1243D)。統合環境制御に必要な機能を備え、あらゆるハウスに導入できる。作物や用途、地域により異なるニーズに応える豊富なラインナップも魅力。「キュウリ栽培では夏場の遮光が欠かせませんし、冬には保湿効果で暖房費の節約が可能。高収量と低コストの実現に不可欠な装備です」(キュウリ担当/東谷さん)。
株式会社誠和では、ロックウール栽培システムのモニター生産者を募集中。ハウス栽培であれば、作物の種類は問わないそうなので、高収量を目指す方々はぜひ問い合わせてみてほしい。
詳しくはお電話またはメールでお問い合わせを!
MAIL : tomonokai@seiwa-ltd.co.jp
TEL : 0285-44-1751
問い合わせ
株式会社誠和
TEL:0285-44-1751
> AGRI EXPO ONLINEにも出展中!
文:川島礼二郎
写真:Daisuke Tsuduki
絵:岡本倫幸
AGRI JOURNAL vol.17(2020年秋号)より転載
Sponsored by 株式会社誠和