【GPECリポート⑥】培地や作物の根域を直接温める局所加温システム
2026.08.06
2026年7月15日~17日、国内最大規模の施設園芸・植物工場展2026(GPEC)が、東京ビッグサイトで開かれた。出展したブースのなかから、培地や作物の根域を直接温める局所加温システムを紹介する。
最新のスマート農業技術や
省エネ技術が注目を集める
東京ビッグサイトで開催された施設園芸・植物工場展2026(GPEC)
日本の施設園芸は、世界情勢の緊迫化に伴う原油高や原材料費の引き上げなど、外部環境の急激な変化に直面している。ハウスの新規建設費用や維持管理費は、かつての生産環境と比較して1.5倍から2倍近くにまで上昇しており、生産者の経営を大きく圧迫している。さらに、夏場の猛暑や地球規模の気候変動は作物の安定生産を脅かす深刻な要素となっており、迅速な対応が緊急の課題となっている。
こうしたコスト面や環境面での厳しさが増す一方、現場を支える労働力の不足もより深刻化している。加えて、国が進める「みどりの食料システム戦略」に見られるように、生産性の向上と環境負荷低減を両立させた持続可能な農業への転換という新たな指針への対応も求められている。
「施設園芸・植物工場展(GPEC)」は2年に一度開催される。今回は国内外から265のブースが出展し、最新のハウス資材や環境制御システム、自動化・省力化機器、植物工場向け栽培設備などが披露された。生産性向上や燃油・資材高騰への対策、異常気象対応といった現代の農業経営者が直面する課題を解決する、最先端のスマート農業技術や省エネ・エネルギー活用技術が注目を集めていた。
営農効率化や収益向上をサポートする
施設園芸支援システム
泉州電業株式会社の展示ブース
泉州電業株式会社は、各種電線やケーブルの販売網を活かし、農業分野でも独自の加温技術を展開する。同社が開発した農業用ヒーター線「ソイルヒーター」は、冬場の施設園芸において培地や作物の根域を直接温める局所加温システムとして、優れた省エネ性能と生産性向上を実現する。燃料費が高騰し経営負担が増すなか、ボイラーなどの全体加温と併用して設定温度を最小限に抑えることで、暖房にかかるエネルギーコストの大幅な削減を可能にする。
特に「ソイルヒーター」は、過酷な圃場環境に耐えうるシリコーン被覆を採用しており、180℃までの優れた耐熱性を備えている。
さらに農薬や化学肥料への耐性に加え、IPX7等級の極めて高い防水性能を保持しているため、水耕栽培や多湿な養液栽培といった環境でも安心して導入できる。電線自体が非常にやわらかく巻きぐせがつきにくいため、ハウスへの敷設や撤去作業がスムーズに行える点も大きな強みである。イチゴ栽培などの根域加温において、安定した地温管理を行うことで、株の健全な育成と収量の維持向上に寄与する。電気による稼働で排気ガスを出さず、環境負荷の低減にも大きく寄与するクリーンな加温システムとして導入が進んでいる。
DATA
取材・文/アグリジャーナル編集部
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