注目キーワード

政策・マーケット

農水省が肥料や農薬の価格調査、販売店によっては2倍以上の値段差も

農林水産省が、国内外の農業資材価格についての調査結果を公表。肥料や農薬の価格は、販売店によって大きな値段差があることが明らかになった。また、海外の資材価格は、日本よりも総じて安価だという。

ほとんどの主要銘柄で
販売店ごとに大きな差

農林水産省が「国内外における農業資材の供給の状況に関する調査」を実施し、調査結果を公表した。調査は大きく2つに分けられており、まず1つ目が「国内の農業資材の販売価格」、2つ目が「海外(アメリカ、イタリア、韓国)の農業資材供給」となっている。

国内の調査では、担い手が利用している資材販売店約480店舗に調査票を郵送し、肥料・農薬・農業機械・配合飼料などの販売価格(割引セールなどは含まない通常の販売価格)について調査。約320店舗から回答が寄せられた。

肥料については、単肥・化成肥料・緩効性肥料の主な銘柄を調査。いずれも販売価格に大きな幅があることがわかった。例えば、単肥の「石灰窒素(粒)」は20kgの通常価格が1,900~4,258円と、最も安い店と最も高い店の間では2倍以上の値段差が見られた(平均価格は3,019円)。

農薬については、除草剤・殺虫剤・殺菌剤の主要銘柄を調査。肥料と同様に、販売店によって大きな価格差があった。

農業機械と、配合飼料の調査結果は、下表の通り。農機については、トラクターの100~140馬力クラスや、コンバインのメーカー希望小売価格に幅がある。また、配合飼料はすべての畜種で大きな価格差が見られた。

これを機に、自社の仕入れ価格を見直してみるのもいいかもしれない。

海外の農業資材価格は
日本よりも総じて安価

一方、海外の農業資材価格調査では、アメリカ・イタリア・韓国を対象とした。アメリカとイタリアは水稲の栽培が盛んなためで、韓国は前回からの継続調査となる。

ただしアメリカとイタリアは、稲作経営者の平均作付面積がそれぞれ約230ha、約54haと、日本の約2haと比べて非常に大きい。それに伴い、農業資材の市場規模も日本よりも大きいため、環境や条件が異なることに留意が必要だ。それを踏まえたうえで、各国の資材価格を日本と比較したものが以下の表となっている。

アメリカとイタリアは、日本よりもすべてにおいて安価となっている。韓国も、一部の農薬を除いて、総じて安価となっており、日本の資材価格がこれらの国よりも高いことが明らかになった。

出典:農業競争力強化支援法に基づく施行1年後調査の公表について(農林水産省)

 

DATA

農林水産省

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」が畑作地帯・十勝に上陸!...
  2. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  3. 知らないと損する?!農家が販促に使える持続化補助金
  4. アゲトラ・コンプリートからDIYペイントまで! 軽トラカスタムがアツい
  5. 凍霜被害は低コスト・高効率に対策できる! 防霜バイオスティミュラント資材に迫る...
  6. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  7. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  8. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  9. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  10. 今買えるEV軽トラから特定小型まで! 農業で活躍するモビリティを一挙公開!...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.30|¥0
2024/01/19発行

お詫びと訂正