注目キーワード

政策・マーケット

津田大介が語る! 働き方でローカルの未来を変える”まちおこし”

日本のGDPが低迷している中、ワークスタイルに変革をもたらす企業が増えてきた。仕事と休暇を合わせた「ワーケーション」やリモートワーク、副業OKなど、新たな働き方が"まちおこし"を誘発させている。

働き方の変革に合わせた
まちおこし

1人あたりのGDPが先進国のうち最低となり、日本は先進国からは落ちようとしていていると感じています。そうしたなかで、日本人はライフスタイルを変えていく必要がありますが、移住や多拠点生活も一つのかたちです。

ここ数年で、副業OKあるいはテレワーク推進の会社が増えてきています。さらにはJALなどの企業では、「ワーケーション」といわれている、1週間ほど地方や海外など別の土地に行きながら、たとえば9〜15時までは現地のホテルなどでリモートワークをして、その後は自由な時間を過ごすという、「ワーク」と「バケーション」を合わせた働き方も導入をしています。たとえばワーケーションを1週間して、その後1週間有給休暇を組み合わせると、合計2週間バケーションができるので、すごく良い仕組みだと思っています。優秀な人材を逃がさないようにするために、そういった制度を整えることが重要であると、企業側が気づき始めているんですね。つまり、働き方がネックになり敷居が高かった移住や2拠点・3拠点生活が、日本でも身近になっているのです。

リモートワーカーの増加

そういった流れの中で、「リモートワークやサテライトオフィスなどを誘致するのが本当のまちおこしだ」という考え方もあり、魅力的な地方の取り組みが数多く出てきています。全国で問題になっている過疎化や高齢化の問題を、山間部のまさにその典型ともいえる場所で見事にクリアしているのが、サテライトオフィスの誘致で有名な徳島県の神山町です。ITベンチャーや映像制作会社などが、サテライトオフィスの設置や本社移転を神山町に行い、2011年には転入者が転出者を上回って話題となりました。

移住者がまちに増えることで、レストランなどが新しくオープンし、起業が増え、地域でつくられた農作物を使いたいというニーズも拡大しているといいます。こうした動きが、日本に訪れてきているのは、すごく良いことだと思いますね。

プロフィール

ジャーナリスト/メディア・アクティビスト

津田大介

1973年生まれ。ポリタス編集長。早稲田大学文学学術院教授。大阪経済大学情報社会学部客員教授。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。J-WAVE「JAM THE WORLD」ナビゲーター。


インタビューまとめ:大根田康介

AGRI JOURNAL vol.9(2018年秋号)より転載

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 福岡と愛知でも開発中! 生育データを活用したイチゴ栽培システム
  2. 土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」が日本随一の畑作地帯・十勝に上陸!...
  3. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  4. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  5. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  6. 割れを防いで良品率アップ! 天然保水性ポリマー「EFポリマー」がニンジンのブランド化に貢献...
  7. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  8. ユーザー満足度が高い、コメリの水稲用肥料と殺虫殺菌剤に注目!
  9. 雑草のプロフェッショナルに聞く! 草をマルチにするメリットと留意点
  10. 被るだけで-10℃!?1ヶ月で完売した「ウルトラライトハット」が今年も発売...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.31|¥0
2024/04/19発行

お詫びと訂正