注目キーワード

加工・販売

産地・産業振興に繋げる『6次産業化2.0』とは?

6次産業化が新たなステップに向かおうとしている。今回は、野村アグリプランニング&アドバイザリー・上級研究員の仲野真人氏が提案する"6次産業化2.0"についてご紹介しよう。

「農商工連携」と「6次産業化」?
過去の経緯から学ぶ

6次産業化に取り組んでいる方も少なくないだろう。ところが「6次産業化で売上は増えたのに利益が上がらない」という声が少なくない。設備投資や経費が増加してしまい、最も大切な利益が減ってしまう場合が少なくないのだ。

そこで今回は、6次産業化にチャレンジしている生産者に耳よりの情報をお届けしよう。アジア最大の投資銀行・証券持株会社である野村ホールディングスの傘下企業、野村アグリプランニング&アドバイザリーの上級研究員、仲野真人氏が提案する”6次産業化2.0″だ。



ところで、6次産業化の前に良く聞いた”農商工連携”を覚えているだろうか。2008年、農商工連携の取組みを支援するため「農商工等連携促進法」が制定された。農林漁業者と中小企業者が共同で事業計画を作成し、農水省・経産省の認定を受けることで、支援措置を活用できる仕組みだ。

”農商工連携”は、1次(生産者)と2次・3次(加工・販売業者)が”連携”することで各事業者が利益を出しつつ、地域雇用の拡大を目指す、という取組みと言える。もちろん”農商工連携”が成功した例も少なくないのだが、中長期的ビジョンの共有や利益分配の明確化が不十分なケースも多かった。そのため単なる取引関係に留まってしまい長期的パートナーシップを構築できず、失敗する事例が多く見られた。

次に出て来たのが6次産業化である。農林水産省では……“雇用と所得を確保し、若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため、農林漁業生産と加工・販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出の促進を目的とし、農林漁業について、生産だけでなく加工・流通・販売等も統合的に行うことで事業の付加価値を高める経営形態のこと。”と定義している。



既存の6次産業化の取組みでは、生産者自身が加工・販売に至る全工程に取組んでいた。そのため生産者が背負う経済的・人的負担が大き過ぎ、なんとか売上増加にまでは到達しても、長期的に利益を得ることは難しかった。現在、多くの農家が陥っているのが、こうした状況ではないだろうか?

12>

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」が畑作地帯・十勝に上陸!...
  2. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  3. 知らないと損する?!農家が販促に使える持続化補助金
  4. 凍霜被害は低コスト・高効率に対策できる! 防霜バイオスティミュラント資材に迫る...
  5. アゲトラ・コンプリートからDIYペイントまで! 軽トラカスタムがアツい
  6. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  7. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  8. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  9. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  10. 10年掛かる土壌改良が短期間で可能に! 天然腐植物質に含まれる「フルボ酸」の効果とは...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.30|¥0
2024/01/19発行

お詫びと訂正