「日本ワイン」の表記基準が厳格化、10月30日から
2018/10/10
「日本ワイン」の表記基準が、10月30日から厳格化される。国産ブドウ100%のものだけが、ラベルに「日本ワイン」と表記できるようになる。
2015年に基準が明確化
準備期間3年を経て開始
酒類の国内消費は伸び悩んでいるが、その中でも好調なものがある。ワインだ。
ワインは、国内製造分も含めて消費が拡大。特に、国産ブドウのみを原料とする「日本ワイン」は、国際的なコンクールで受賞する高品質な商品も登場。また、地域振興や6次産業化などによる新規参入も期待されている。
この日本ワイン、きちんと基準が定められたのは実は最近で、2015年10月のこと。それまでは、日本ワインや「国産ワイン(国内製造ワイン)」の表記の基準は曖昧だった。それでは消費者の誤認を招くとして、表記基準が明確化された。
日本ワインの基準は、日本国内で製造された果実酒のうち、国内で収穫されたブドウのみを使用したもの、と定められた。国内で製造されても、外国産のブドウを使用した場合には「国内製造ワイン」となり、日本ワインとは区別される。また、ブドウの産地を表示する際には、国産ブドウ100%の日本ワインであるうえ、その産地のブドウを85%以上使っていることなどが条件となる。
出典:国税庁
この表示基準が適用されるのは、3年間の準備期間を経た今月・10月30日から。ただし、適用開始以前にも、既に表示基準に則ったワインは流通しはじめている。例えば、サントリーは2010年に品揃えを刷新した際にラベル表示もすべて改め、昨年からは「日本ワイン」との表記も入れているという。
国産ブドウの
ニーズ高まる
ワインの表記基準の厳格化は、消費者にとってはわかりやすくなるため利便性が高まるが、ワイナリーにとっては厳しいものかもしれない。
十分な量の国産ブドウを確保できない場合、商品名を変更したり、商品そのものの販売を中止せざるをえないからだ。実際に、製造中止に追い込まれた商品も出始めている。その一方で、新ルールを「公平だ」と評価する声もある。
また、原料としての国産ブドウのニーズが高まるため、農家にとっては収入増のチャンスとなる可能性もある。
いずれにせよ、ワインの表記基準の厳格化は、10月30日に迫っている。要注目だ。