忍び寄るタンパク質危機! 農学×テクノロジーで“養豚自動化”実証へ
2019/12/03
2025~2030年、タンパク質の供給量が需要に追いつかなくなる「タンパク質危機」の可能性がある事が専門家から報告されている。最大級の食料産業である「養豚」も例外ではない。その未来を新たにすべく、11月29日(イイニクの日)、3社協業による「養豚自動化プロジェクト」がスタート。その仕組みとは。
2021年には需要と供給が崩壊⁉
豚肉価格が40%UPという予想も
世界全体の人口増加と中間所得層の拡大により、一人あたりの肉や魚の消費量が増加する一方、生産物の何倍もの穀物飼料や餌としての魚粉が投入され、供給量が需要に追いつかなくなる「タンパク質危機」。
年間15億頭も消費され、米や小麦を超えて農業では最大級の産業である養豚も、この「タンパク質危機」の波は避けられない。それどころか、他よりも早い2年後の2021年には需要と供給のバランスが崩れ、一人当たり分配量が減少に転じ、価格は約40%も高まると予想されているという。
養豚は全世界の米生産量の1.3倍の穀物や人類使用量の1.2倍の抗生物質、18億トンの水など多くの資源を使っており、生産量を増やすことで多くの社会課題の原因となる可能性があるのだ。
豚肉不足と言う課題は、世界最大の豚肉消費国である中国にてすでに発生している。アフリカ豚コレラにより生産量が減少し、一部の地域で豚肉の配給制度や価格の70%上昇という問題が始まっており、世界の豚肉不足の問題は現実になろうとしている。
AI、IotT、ICT×農学の養豚知見
「畜産自動管理システム」実証へ
これらの豚肉問題を背景に令和最初の11月29日(イイニクの日)、株式会社Eco-Porkは、工業・産業用はかりメーカーの「株式会社田中衡機工業所」、農学に基づいた養豚事業知見を持つ「株式会社リバネス」と「養豚自動化プロジェクト」において業務提携を結んだ。最新テクノロジーと農学に基づいた養豚知見を駆使した「畜産自動管理システム」(※国際特許出願済)の実証を開始し、養豚の自動最適化(エコシステム)を目指していく。
協業イメージ
「畜産自動管理システム」は、まずICTにより養豚データを蓄積し、データ活用をした飼養方法最適化のAIを開発、今後AIの最適値を機械設備に展開していく。そして、給餌・給水などの最適な自動オペレーションを実現し、データによる改善のサイクルを構築していくというものだ。これら3社協業体制により、養豚の生産量・資源効率の課題を解決していく。