農業者が行うべき新型コロナウイルス対策とは? 感染者が出る前に支援体制の構築を
2020/04/28
新型コロナウイルスへの対応として緊急事態宣言が全国に発令された。感染が全国に広がる今、農業生産者が準備しておくべき事柄を、農水省の情報をベースに整理した。生産を維持・継続するため、地域で連携する体制を検討をすることがポイントだ。
感染者が出る前提で
行うべき事前準備
農業生産者の生活を守るために、まずは自身の感染を防いで欲しい。3密を避ける、手洗いをする、といった具体的な方法が示されているので遵守してほしい。一方で、農業生産者は、国民に食糧を安定的に供給する、という絶対的に重要な役割を担っている。
そのため、万が一、感染者が出ても、生産を継続するための準備が求められる。そのため農水省は「新型コロナウイルス感染者発生時の対応・業務継続に関する基本的なガイドライン」を作成した。本記事では、そのポイントを説明する。
感生産を継続するための
連携体制を構築する
重要なのは、感染者が出る前に、あらかじめ地域の関係者が連携する体制を構築しておく、ということだ。感染者が出てから動き出すのでは遅い。初動が肝心なのだ。
生産部会などの農業者集団、集出荷事業者組合、農業法人の関連グループ等を一つの集団ととらえ、その集団内において営農継続のための支援体制を構築する。これは、集団内の何処かで感染者が出た場合、集団内で生産を継続できるよう助け合おう、という意味だ。
農業者、市町村および農業団体等の関係者は、農業者や雇用従業員(以下、農業者等)が新型コロナウイルスに感染しても生産を維持・継続するため、以下の対応をあらかじめ検討・構築しておこう。
農水省では、具体的に下記のような事項を事前に検討しておくことを要請している。
・消毒資材と消毒要員の確保
・農作業代替要員のリスト作成
・代行する作業の明確化、優先順位付け、作業方法
・代替要員が確保できない場合の最低限の維持管理方法
感染者が出た場合の支援内容として、耕起作業や播種・育苗作業、水やり作業など、当面の営農活動継続のために支援を必要とする作業の優先順位付けを行う。
続いて、支援要員として、周辺農業者や受託組織の活用など、あらかじめ、誰が、どの作業を支援するか、役割を明確化しておく。労働力の確保状況を踏まえながら、優先順位に基づき作業を実施することが求められる。必要に応じて市町村等の関係機関に相談すると良いだろう。
ここまで事前に準備しておけば、集落や農業法人グループ内で感染者が出ても、混乱することなく、生産継続に必要な対処が可能となるはずだ。農水省は「皆様の業務が継続できるように全面的に協力いたしますので、ガイドラインを参考に対応していただきますようお願いいたします」と言っている。これを信じて、準備しておいてほしい。
困ったら公式ウェブサイトで
正しい情報の閲覧を
インターネットやSNS上には、様々な情報が飛び交っている。緊急事態にある今、まず抑えておくべきは公式情報だ。困ったことがあったら、農林水産省が公式発表している【農業生産者向けの情報】を必ず閲覧してほしい。
DATA
文:川島礼二郎