赤色LED電球で夏イチゴの病害虫対策! アザミウマ被害を抑えて収量アップへ
2023/10/06
イチゴ需要のトップシーズンの冬に比べて、高温での栽培となる夏は、そもそもの収量が少ない上に害虫のアザミウマへの対策も必須となる。 ホタルクスが農業用照明として開発した赤色LED電球は、そんな夏イチゴ生産にとって希望の光となるアイテムだ。
夏イチゴの病害虫対策
LEDを使った対策方法が注目
冬の作物のイメージが強いイチゴだが、ケーキやスイーツなどの業務用として一年中需要があり、夏から秋にかけて収穫する「夏イチゴ」を生産する農家も多い。そこで肝心なのがイチゴの葉や花に寄生する害虫のアザミウマ(スリップス)への対策だ。農薬や天敵による防除が一般的だが、LEDを使った新たな対策方法がイチゴ生産者から注目を浴びている。
左:被害あり 右:被害なし
大分県の株式会社食健農園は合計1町反ほどの面積で「夏のしずく」「夏の輝」「サマールビー」の3品種の四季成りイチゴを栽培。しかしアザミウマの食害を受けると、実が茶色くなったり、赤く育たなかったりと、生育が悪くなり、多い時は5割も収量が落ちることもあった。今後は10町歩まで規模を拡大していく計画があるなかで、大きく収量を下げてしまうアザミウマ被害に頭を悩まされてきたという。
「3月に定植して11月まで収穫を行う夏イチゴは、アザミウマが活発になる時期とまるまる重なり、この被害をいかに抑えられるかが課題でした。なるべく農薬を減らして作りたい、常に虫の数の計測が必要な天敵の管理コストも抑えたいと思う中で、活用したのが赤色LED電球による防除です」とは同社代表の黒木康司さん。
株式会社食健農園 黒木康司さん
持続可能な農業経営のためには、社員に対して単なる作業内容ではなく“なぜそれを行うのか”という根本的な教育が不可欠と黒木さんは話す。
「アザミウマの防除においても、虫の生態や性質を知った上で対策を取る必要があり、最も有効な手段のひとつとしてHotaluX AGRI-REDを使っています。ほかにもLEDを扱っているメーカーはありますが、ホタルクスは照明専業で信頼性が高く、確かなエビデンスを持っているため、HotaluX AGRI-REDの採用を決めました」(黒木さん)。
ホタルクスが開発した農業用照明
アザミウマの数を減少
食健農園のハウスでは100個ほどHotaluX AGRI-REDを設置。朝6時から夕方の6時まで照射している。
NECライティングから事業承継した日本の照明専業メーカー、ホタルクスは、「現代の農業分野の課題であるコスト抑制、省人化、減農薬、生産性向上解決に貢献し、食料自給率向上に寄与していきたい」と農業分野に再参入。第7次南極観測隊に植物育成用蛍光ランプを提供して野菜栽培を大成功に導いた実績を持ち、農業生産者と密な関係を結んで効果の検証に協力している。
赤色LEDの波長はアザミウマの忌避に最適かつ、冬場の電照による成長促進にも効果を発揮することから、ホタルクスが開発した農業用照明が、「HotaluX AGRI-RED」だ。
「HotaluX AGRI-RED」は、赤色光を当てることでアザミウマが葉や花を認識できなくなり、作物への被害はもちろん、圃場内へ侵入するアザミウマの数も減少させる効果がある。
食健農園ではすでにアザミウマが相当発生している7月からHotaluX AGRI-REDを試験的に導入し、約300坪のハウス1棟につき100個程度を使用している。光があたるところは確実に防除効果を得ているので、照明の数や位置の調整でより効率を上げ、適正なコストになるよう工夫を行っているところだ。
「次年度は3月の定植からHotaluX AGRI-REDを使うことでより被害を抑えられると見込んでいます。この後定植する冬イチゴはもちろん、ピーマンへのアザミウマ対策にも使う予定です」。ハウス栽培の収量増加を支える証明として活用していきたいと、黒木さんは意気込む。
ホタルクスは、10/11(水)-13(金)に幕張メッセで開催される農業WEEKに出展。ブースにて特別価格での「HotaluX AGRI-RED」のご提供と、これから発売を予定している新商品のモニター募集を行います。ご興味のある方はぜひホタルクスのブース(8ホール 小間番号:4-14)へ!
問い合わせ
株式会社ホタルクス
電話:0120-52-3205
写真/作本奈寧子 文/本多裕介
Sponsored by 株式会社ホタルクス
AGRI JOURNAL vol.29(2023年秋号)より転載