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日本ハムが展示した豚のAI体重推定装置「PIG LABO® Growth Master」

農業・畜産の総合展「第14回 農業WEEK(通称 J-AGRI TOKYO)」の展示物のなかから、豚の群れの体重を効率的に把握できる新サービスをご紹介しよう。

豚の群れの体重を
AIが推計して算出

豚の体重を各生育段階で把握することは、養豚生産者にとって極めて重要だ。
飼育方法が適切なのかを判断したり、出荷時期を決定するのに、体重ほど頼りになる情報はない。

ところが、豚の体重を把握するのは重労働だ。作業者が計量器具のある区画まで豚を移動させる必要があるのだが、当然のことながら豚に言葉は通じないから、言うことを聞いて移動してくれないのだ。豚の体重把握の効率化は、養豚における大きな課題となっている。

そこで日本ハムが開発したのが「PIG LABO® Growth Master」。「PIG LABO®」の名称は、聞いたことがある方も少なくないはず。
「PIG LABO® Breeding Master」という、豚の交配時期を判断できる養豚農家向けAI・IoT発情検知サービスが、すでに日本ハムからリリースされている。
「PIG LABO® Growth Master」は、「PIG LABO®」の第二弾であり、豚の群れの体重をAIが推計して算出してくれるサービスだ。
日本ハム中央研究所リーダーの藤田学さんが説明してくれた。

「豚舎内にワイヤーを設置して、ちょうどロープウェイのように3Dカメラがワイヤーを伝って巡回して、豚を撮影して行きます。撮影した画像から個別の豚の体重をAIが推計して、群れの体重分布(ばらつき)と平均体重を算出する仕組みです。 カメラが移動しますから、豚を移動させる必要がなく、体重測定作業を圧倒的に効率化できるんですよ。また、豚にストレスを与えることがないので、動物福祉の視点からもメリットがあります」。

「PIG LABO® Growth Master」が豚の群れの体重分布の把握を効率化できることは分かったが、個別の体重はわからないのだという。
それでは、特に成長が遅れていたり、早すぎる個体は、どう扱うのだろう?

「群れは同じ空間で餌を食べ、時間を過ごしますから、ほとんどの豚は同じ速さで成長していきます。ですから、群れの体重分布と平均体重さえ分かれば、飼育方法が適切なのかや、出荷時期を決めることができるのです。 極端に成長が早かったり遅かったりする個体は一目で分かりますから、それは個別に対処すればよいのです」。

「PIG LABO® Growth Master」では、算出された体重分布と平均体重は、装置本体の画面上のほか、離れた場所からもパソコンやタブレット端末から確認できるという。
すでにテスト販売を開始しているというから、ご興味を持たれた方は是非、日本ハムにコンタクトして欲しい。

DATA

PIG LABO®


文/川島礼二郎

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