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餌代が大幅削減! 日本の畜産を変えるAI・IoTを活用した仕組みとは?

“自家配合プラントの構築”と“飼料マネジメント”をコンサルティングすることで、畜産の手間とコストの削減を実現するコーンテックが、新たな挑戦を始めたようだ。同社代表取締役の吉角裕一朗さんにお話を聞いた。

経営コストの約6割を占める
餌代の大幅削減に成功

「日本の畜産は輸入配合飼料に頼らざるをえないから、餌代がかさんで当然だ」……そんな常識を覆そうと、熊本県の畜産コンサル・コーンテックが新たな挑戦を始めた。

日本における畜産では、家畜の餌にかかる割合が経営コストの約60%を占めるほど大きい。これは輸入される配合飼料を使用する限り避けられず、畜産が儲からない主因となっている。餌のコスト高から経営状況の悪化を招き、それ故に後継者不足を招く、という悪循環にまで発展している。

そこでコーンテックが始めたのが“自家配合プラントの構築”と“飼料マネジメント”。これにより餌のコストダウンを実現する。既に全国100ヶ所以上の畜産事業者がこの仕組みを導入しており、その結果20~30%以上のコスト削減に成功、経営改善を実現しているのだという。吉角さんが教えてくれた。

「自家配合プラントの構築と飼料マネジメント自体は、父が経営していた株式会社吉角の時代から長年行っていました。それを発展させてスマート畜産化するために私が立ち上げたのが、コーンテックという会社です。吉角時代からハードとソフトの両面で充分な経験がありますから、そこに時代に合わせた新しい技術を加えることで、新たなサービスを生み出して行こうと考えたのです」。

AIとIoTを活用して
誰でも適切な給餌が可能に

自家配合プラントでは、餌の栄養価を上手く調整できさえすれば、バランスのとれた餌の安定供給が可能になる。ところが、その配合は簡単ではない。そのため経験のあるベテランが担うことが多く、属人的になりがちだった。さらに問題なのは、そのベテラン従業員による配合が常に正しいとは限らないこと。

「そこで当社では、AIとIoTを導入することにしたのです。分かりやすく説明しますと、自家配合では餌に含まれるタンパク質をどれだけ減らせるかが、腕の見せ所になります。 タンパク質を可能な限り減らし、それでいて健康に肥育する。 土地土地で気候が異なれば適正な配合割合は変わってきますし、もちろん季節に応じてタンパク質量を変える必要もある。これが難しいのです。

この理想値をAIに計算させることで、誰でも適切な給餌ができるようになる、というわけです。それにはもちろんセンサーやクラウドといったIT技術を駆使することになります」。

さらに同社は、その自家配合プラントをオートメーション化することも視野に入れているという。

「現時点でも、機器を使った自動化は実現できていますが、今後はIoTデバイスを活用した「監視」「制御」「データ収集」などのフルオートメーション型の最先端プラント設計を行います。そこで得たデータを元に家畜にとって最適な配合をAIが自動計算することで、自家配合プラントの24時間フルオートメーション化を実現します」。

なるほど、コーンテックの自家配合プラントを導入すれば、餌代を削減しつつ人件費も削減できる、というわけだ。

これまでの実績から、導入にかかる初期費用は、餌代の削減によって1年以内に回収できるという。さらに今年中には、プラントのリース化等、資金面の支援サービスも提供を始めるとのことだ。

自家配合プラントによる
循環型の畜産エコシステム

日本の畜産の仕組みを変えるこの自家配合プラントだが、コーンテックが目指すのは、その先にある地産地消の畜産エコシステムの確立だという。

「自家配合プラントは手段であって、畜産エコシステムの確立は目的と言えるかも知れません。それが何かと言えば、畜産を核にした環境負荷の低い地域社会を構築する、ということです」。

「噛み砕いて説明しますと、まず畜産の餌にエコフィード(食品残さ等を利用して製造された飼料)を使用します。大規模な食品加工工場などから当社が一括して食品残さを受け入れており、これをエコフィードにしてプラントに配分しています。本来棄てられている食品等を家畜の餌にすることで、飼料コストの削減に繋げることができるのです。

ここまでは当社の自家配合プラントで既に実現しているのですが、大切なのは、そこから先。エコフィードを配合した餌を食べた家畜の糞尿を使って、バイオマス発電をしたり、堆肥として農地へ蒔くことにより、農作物の成長に寄与させることを考えているのです。こうすることで餌や電気の地産地消を実現して、大幅なコストダウンと安心安全な畜産物の供給を目指しています。経営面だけでなく、地域環境ひいては地球環境にも優しい持続可能な社会を、畜産を核にして確立できたらと考えています」。

DATA

株式会社コーンテック


Text:Reijiro Kawashima

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