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台風で倒れたネギが倍の早さで復活! バイオスティミュラント「レコルト®」試用レポート

近年の異常気象への対抗策として注目が集まるバイオスティミュラント。そのひとつであるデンカ株式会社の腐植酸液状複合肥料「レコルト」。今回は、異常気象で悩む大分県の若手白ネギ農家のリアルな実証レポートをお届けしよう。

<目次>
1.異常気象の対抗策にバイオスティミュラント
2.台風の影響も通常より2倍早い立ち上がり

 

異常気象の対抗策に
バイオスティミュラント

近年、高温や豪雨といった異常気象に頭を悩ませる農家は多くいるのではないだろうか。“今まで通り”では、思うように作物が育たなくなってきている。

そんな中、大分県の湯布院で白ネギを育てる「ネギの坂田」の坂田章太さんは、異常気象の対抗策としてバイオスティミュラントに注目しているという。

まだ日本ではあまり聞きなれないバイオスティミュラントだが、ヨーロッパを中心に世界で注目を浴びており、年々その市場は拡大している。というのも、さまざまな環境ストレスに対する作物の抵抗力を高めるとともに、作物本来の収量や品質を引き出すバイオスティミュラントの効果に期待が寄せられているからだ。

「ネギの坂田」代表 坂田章太さん。260aの圃場で白ネギ「龍みのり」を栽培。

坂田さんが白ネギを栽培している大分県湯布院は、標高650mの高冷地で雨風が強く、台風の被害も受けやすい場所だ。
坂田さんは大分県中部地区の白ネギ栽培指導員、大分県由布市の白ネギ生産部会の特別指導員、大分県農業青年連絡協議会の事務局長なども務め、地域のネギ栽培の課題と向き合ってきた。

「昨年は大雨や日照りなどの急激な環境の変化があり、夏場は35度近くまで気温が上がり、高温対策が課題になっています。また、寒暖の差も激しい地域であるため、定植時の活着が遅れてしまうことも問題になっています」(坂田さん)。

これまでも複数バイオスティミュラントを試してきたという坂田さんに、今回はデンカ株式会社のバイオスティミュラント「レコルト®」を使用し、レポートしてもらった。

今回使用したバイオスティミュラント:「レコルト®」

レコルト®は、独自製法による腐植物質(活性フルボ酸)を高配合した腐植酸液状複合肥料。

レコルト®に含まれる活性フルボ酸は、植物の根や葉茎に触れることで、植物体内の働きを活性化し、根毛形成が促進され、根張りがよくなることが報告されている。また、高温や塩類集積などの環境ストレスへの耐性が高まり、生育が健全化し、収量アップが期待できる。北海道のネギ栽培での施用事例では、「2L率が高くなり、生育の揃いが良くなった」「ネギの根張りに変化が見られた」という結果も報告されている。
 

 

台風の影響も
通常より2倍早い立ち上がり

実は坂田さんの圃場では、昨年の栽培途中からレコルト®を使用していたものの、あまり効果が見られていなかった。しかし、今年はデンカ株式会社のアドバイス通り、育苗中と定植初期に散布。育苗初期の散布は、デンカ株式会社から灌注を勧められたが坂田さんは効率化を考え農薬と混ぜて葉面散布を行った。すると、生育途中段階でレコルト®使用の圃場ではネギの白い部分である葉鞘部が若干太く育つという変化が見られた。

(左:無施用区、右:施用区)葉鞘部測定2mm程度の違いがあり、散布の効果が認められた。草丈の違いは殆どなく、収穫時の均一性が高かった。

さらに効果が見られたのは、8月末、台風10号が通過した後だ。台風により倒れた葉の立ち上がりには通常10日ほどかかるが、レコルト®使用の圃場では5日ほどで立ち上がったという。

台風10号通過圃場

その後の坂田さんの圃場

その後の収穫時には、収量こそは差はでなかったが、曲がりが少なく秀品率が上がるという結果がでた。

(左:無施用区、右:施用区)定植:3月30日、撮影日:8月12日。生育スピードはほとんど変わらないが、無施用区と比べると株揃いよく、秀品率・2L率共に高かった。「今年の夏でこの根張りは凄い」と種苗メーカーも太鼓判を押す結果になった。

 

(左:無施用区、右:施用区)定植:3月30日、撮影日:8月12日。節間の詰まりが良いものが多く、種苗メーカーも驚く結果となった。

また、北海道の事例と同じように根張りが良くなる、といった変化も見られた。

畝の根の様子

 

 

一方、今まであまり見られなかった腐敗病が去年から目立つようになってきたとの声もあった。これについては、活性フルボ酸の影響で今まで以上に根が張ったため肥料や水の要求量が増え、対応として施肥量を増やした結果、肥料過多で起こったのではないかとデンカ株式会社担当者は話す。実際に、坂田さんの圃場でも畝からはみ出して通路まで根が伸びていたという。

左がレコルト®施用、右が未施用

この結果を踏まえて、レコルト®を使用する場合は、肥料を抑えて栽培することで腐敗病は抑えられるのではないかと考える。通常、施肥設計された成分量が全て吸収されるとは考えにくい。
しかしレコルト®を使用した場合は、畝部分の肥料だけでなく通路にある肥料まで効率よく吸収することができる。利用率の向上により、減肥につながり経費を削減できるのではないかと坂田さんは考える。

「毎年の環境の変化もあるので、3〜4年使用してみないと分からない。現状2年利用してみた感想としては、みんなが良い時にはレコルト®の効果は見られない。しかし今回、なにか良くないことが起こった時にレコルト®の効果を実感し、使っていて良かったと感じることができた。今後は散布方法や時期などを考え、もっと効率的に結果に繋げられるよう今後もチャレンジしていきたい」と坂田さんは意気込む。

最後に、レコルト®を他の農家仲間に勧めることができるか、という質問に対し坂田さんは「初心者でも使いやすく、どんな作物でも取り入れやすい資材だと思う。コストも高くないので、保険をかけるような感覚で取り入れて損はない。あとは、いかに手間をかけずに効率的に散布できるかを、効果と合わせて試しながら使いやすい方法を伝えていきたい」と話してくれた。

 

 

お問い合わせ

デンカ株式会社
エラストマー・インフラソリューション部門 環境・アグリプロダクツ部
レコルト製品紹介ページ

問い合わせの際は、「アグリジャーナルを見た」とお伝え下さい。


写真・文/株式会社LaTo

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