遺伝子を特定し、植物の生育予測が可能に! 農業分野の生産性向上を目指すGoogleXのプロジェクト

世界は人口増加と食糧システムの危機を救う、スマートで持続可能な解決策を求めている。そんな中、アメリカでは植物のパフォーマンスの予測を可能にするAI搭載プラットフォームが開発され、遺伝的農業が始動している。

元Google研究機関が企業化!
食糧システムの危機を救う

「世界人口が増加するなか、農業分野における作物改良のペーストコストは、世界の食料システムを危険にさらし、農業の成長を制限している」と話すのが、ヘリタブル・アグリカルチャーの共同創業者兼CEOのブラッド・ザムフト氏だ。

世界の食糧システムの課題に取り組む元Googleの研究機関「GoogleX」のプロジェクト、ヘリタブル・アグリカルチャーは、昨年5月に企業化した。そして、FTWベンチャーズMythosベンチャーズ、SVGベンチャーズのサンライズとパイオニアの両ファンドからの投資により、植物をプログラム可能にするAI搭載バイオテクノロジープラットフォームを開発した。

同プラットフォームは、重要な遺伝子の特定、その遺伝子を操作する編集の設計、環境条件や管理条件に合わせた植物の生育予測ができる。収量の向上、耐病性の強化、品種開発の加速やコスト削減など、農業分野の生産性向上に貢献できる可能性のある技術として注目されている。

また、マルチオミクス解析や、ゲノミック予測を用いた育種など新しい技術を組み合わせれば、特定の環境でよりよく育つ植物や、栄養、色、風味など、特定の特性を高める新しい手法を生み出すことも可能だ。

さらに、ヘリタブル・アグリカルチャーは食用植物だけでなく、優れたテーダマツの開発を促すため、世界的な苗木プロバイダー、アーバージェンと提携した。初期の研究で同社のAIが樹木の改良に必要な時間を半分に短縮できることが判明し、両社は現在、この技術を苗木生産に積極的に取り入れている。

まさに今、変化する地球の需要に応えるために、作物の改良方法を根本的に再考し、持続的な農業の実現に貢献できる可能性を秘めている、同プラットフォーム。今日の食品生産における最も差し迫った課題の解決策として注目を集めている。

画像クレジット:©Heritable Agriculture



DATA

Heritable Agriculture


文:靴家幸子

AGRI JOURNAL vol.35(2025年春号)より転載

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