名刺にSNS、今あるツールは上手に使えてる? 広報手段の棚卸しをしよう│ゼロからはじめる農家の広報【1】
2026.02.27
農学部卒のフリーランス広報がお届けする、農家のための広報の入門コラム。第1回の今回は、明日にでもはじめられる広報手段の棚卸しを伝授する。そろそろ自社の農産物や観光農園について情報発信をはじめたい……! そんな熱い想いをもった農家の皆さんに、ぜひ読んでいただきたい。
1.量より質の時代。農家の広報は今がはじめどき!
2.広報手段の棚卸し。今あるツールを上手に使う
ーホームページ
ーSNS
ー顧客リスト
ー名刺
ー公共の掲示板
3.広報は事業発展のための時間投資
量より質の時代。
農家の広報は今がはじめどき!
そもそも広報とはなにか?
筆者は、「世間との信頼関係を築くこと」だと考える。一方的な情報発信ではなく、世の中が欲しい情報を欲しいかたちで共有することが、広報の本質だと思う。
プレスリリース・ニュースリリースNo1配信サイトの「PR TIMES」も下記のように説明している。
広報とは、企業や団体などの組織がステークホルダー(顧客、株主、取引先、地域社会、従業員などの利害関係者)との良好な関係性を構築・維持する活動全般を指します。
引用:広報とはどんな仕事?意味や目的、広報活動の仕事内容を現役広報担当者が解説|PR TIMES
いつの時代も、広報は経営の重要なひとつの機能として考えられているが、近年では簡単にホームページをつくれるようになったことやSNSの普及に伴って、さまざまな情報が氾濫している。さらに、質がそこまで高くないコンテンツでも広告やBUZZによって、半ば強制的にユーザーに届けられるようになった。
では、広告出稿やインフルエンサーを起用しなければ広報はできないのか? 答えはノーだ。予算をかけずとも必要な広報はできるし、丁寧に継続的に情報発信を続ければ、コアなファンの獲得にもつながる。
例えばInstagramでは、2025年のアップデートで「量産的な情報」ではなく「質の高い情報」をユーザーにお薦めするアルゴリズムに大きく舵を切った。これは、個々で戦う農家の広報において強い追い風になっている。こだわりの農産物や観光農園の魅力は、その農家にしか発信できない「質の高い情報」だからだ。

農家の広報は今がはじめどき! 今あるツールを上手に使って、質の高い情報発信をはじめよう。
広報手段の棚卸し。
今あるツールを上手に使う
筆者がフリーランスとしてクライアントさまの広報をサポートするとき、いきなり予算をかけるのではなく、今あるツールを上手に使って、なるべく”無料”ではじめるように心がけている。広報に力を入れたいけど予算がない……という話はよくあるし、SNSのアカウントをつくったけど動かしていないという相談も多い。
まずは、自社にどんな広報手段があるか見直して、なにからはじめるか考えてみてはいかがだろうか。
ホームページ
PV数は少なくても、見る人は隅から隅まで見ている。最新情報になっているか今一度チェックをして更新することも、大切な広報活動のひとつだ。
SNS
XやInstagram、YouTubeなど、アカウントが複数ある場合は、まずはひとつの媒体で、継続的に運用することを目標に整理すると良いかと。ユーザー側が自由に情報を受け取れることがSNSの魅力なので、無理なフォローバックやDM送付はせずに、農園の”公式アカウント”として堂々としている方が吉となる。
顧客リスト
交換した名刺やオンラインショップの顧客リストは大事な資産だ。まずは四半期に一度くらいの頻度で、手紙を書くような感覚で「農園のお知らせ」を配信してみてはいかがだろうか。直接送付することで、農園のことを忘れていた人が思い出してくれるきっかけになる。
なお、このようなメールを送付する場合には、「特定電子メール法」が適用される場合があるため、事前の確認も忘れずに。
▶参考:メルマガ配信をしたいのですが、特定電子メール法について教えてください。|クレア法律事務所
名刺
名刺も立派な広報ツール。将来お客さんになるかもしれない人に直接手渡しできるだけでなく、名刺は滅多なことがなければ捨てられない。例えば、裏面にSNSの二次元コードやオンラインショップで使えるクーポンを載せるなど、いろいろ工夫ができる。
Canva名刺テンプレート引用
公共の掲示板
自治体の掲示板は、ルールを守れば実は自由に使えることも。
例えば、筆者が使用したことがあるのは「掲載期間2週間、A4サイズ、連絡先を明記、〇〇区に在住・在学・在勤の方、営利目的ではないもの」がルールだった。収穫体験会や試食会など、地域の方と関係性を築くには使わない手はない。自分の自治体の掲示板のルールについて、ウェブで検索したり窓口に問い合わせてみよう。

広報は事業発展のための
時間投資
膨大な予算をかけずとも、世の中と一つひとつ丁寧に関係性を築くことで、大きな成果につながる可能性を秘めているのが、広報の最大のメリットだ。
一方で、どんなに急ごうとしてもその成果につながるまでには時間がかかる。だったら一層のこと、成果がでるまでの過程も楽しみたい!と、筆者は思う。時間をかけて栽培する作物や野菜、果樹のように、広報ツールもじっくり育ててみては。
「明日にでもはじめられる広報手段」として、ホームページやオンラインショップの改善ポイントや習慣づけると後々役立つ日々の写真撮影を紹介。お楽しみに!
Profile
福岡こむぎ
農学部/作物学研究室(研究作物:パン用コムギ)を卒業。
食・農業領域専門のコンサルティング会社で農家さんのECサイト運用や自社の広報に従事したのち、集客施設の開業&広報チームの立ち上げに携わる。現在はフリーで活動中。
大学時代には、ミャンマーの農村部に長期滞在して農業の資材屋ビジネスに携わったり北海道で酪農の住み込みバイトをしたり。生命力強め。
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