SNSインフルエンサーとの上手な付き合い方。依頼方法から投稿完了まで|ゼロから始める農家の広報【4】

農学部卒のフリーランス広報がお届けする、農家のための広報の入門コラム。第4回の今回はSNSのインフルエンサーへPRのお仕事を依頼したい方に、ぜひ読んでいただきたい体験談を紹介する。二人三脚のようなイメージでインフルエンサーと良好な関係を築き、農園のPR活動の幅を広げていただきたい。

 
前回記事▶Instagramの育て方を大解剖!魅力的で建設的なアカウント設計とは|ゼロからはじめる農家の広報【3】

インフルエンサーの定義

インフルエンサーとは、SNSやブログ、ポッドキャストなどのメディアを通じて世間の消費者の価値観や購買行動へ影響を与える人物のことを言う。例えば、消費者がそのインフルエンサーの生活に憧れを抱いたり、インフルエンサーがおすすめする店・スポットへ実際に足を運んだりなど、その名の通り、感情や行動に”影響を与える人物”である。

フォロワーが数千人~をナノインフルエンサーと言い、1万人~10万人以上がマイクロインフルエンサー、50万人以上がトップインフルエンサーと、段階によって呼称も異なる。

これだけSNSが普及した世の中だ。実は周りに数万人のフォロワーを抱えている知人が一人や二人いてもおかしくない。ちなみに筆者も、カメラワークや動画編集のノウハウで大バズりして、トップインフルエンサーとして活躍している知人がいる。

インフルエンサーへの依頼の前に


そもそも、インフルエンサーにPRを依頼したい場面とはどんなときか。
悩んだらこの2軸で考えてみて欲しい。

➀実店舗だけでなく、オンラインショップでも購入できる商品があるとき
➁ターゲット層が明確な商品・サービスをはじめるとき

➀はインフルエンサーの投稿を見た遠方の方も購入できるように、オンラインショップでの販売があると理想だ。➁は、例えば「(地名)にある、ドッグラン付きお農家カフェ」であれば、「愛犬と一緒に行ける、(地名)のお出かけ先を探している人」にピンポイントでリーチできる。

インフルエンサーへの依頼方法


まず、依頼したいインフルエンサーを見つけたら。そのアカウントのプロフィールを見てみよう。フォロワーが数万人を超えると、問い合わせ方法を明記しているインフルエンサーが多い。一般的にはメールかSNSのDMだ。

問い合わせでは、➀どんな目的・内容で➁いつ(いつまでに=納期)➂どこで➃どれくらいの謝礼で➄どんな投稿(フィード投稿やリール投稿など)をして欲しいかを明確に伝える。副業ベースでインフルエンサーの活動をしている人も多いため、ある程度情報をまとめて連絡を取り合った方が、お互いにコミュニケーションの負担も少なくなる。

ちなみに、一番気になる➃の謝礼については、筆者は正直に予算感を伝えて良いと考えている。案件を受けたい!面白そう!と思ってくれたら、インフルエンサー側も「本来なら●万円/本で受けていますが、リール動画だけなら可能です」など、依頼主が選択できるように提案していただける場合もある。また、同じ商品のPRでも2-3人に依頼して、それぞれ違う切り口で紹介してもらうのも良案だと思う。

必ず確認しておきたいこと

交渉成立させる前に、必ず確認しておきたいことは、➀投稿前の事実チェックをさせてもらえるかと、➁農園のアカウントのタグ付けをしてもらえるかである。

動画の編集や感じたままの紹介テロップなどは、原則インフルエンサーに委ねるべきところだが、投稿前に共有してもらって「事実チェック」は必ず行って欲しい。そして、事実と異なる部分は修正を依頼しよう。また、タグ付けについても念押しで確認して損はない。

撮影~投稿完了まで


筆者はこれまで20名ほどのInstagramのインフルエンサーに依頼をしたことがあるが、交渉成立後、撮影~投稿完了までスムーズに進めば1-2週間で完了したケースが多い。投稿完了を確認したら、お礼メールや謝礼のお支払いに関するやり取りも速やかに丁寧に進めよう。

また、投稿直後の再生数の伸び率は、発見タブに載るかどうかに影響するため、できれば自社のアカウントでもシェアをしてフォロワーへ拡散していただきたい。

インフルエンサーとの上手な付き合い方

SNSを運用していると、”BUZZを生むこと”に誰もが一度は憧れるだろう。
現実には、簡単にBUZZを生むことはできないし、誰かの人気の投稿を模倣してBUZZに繋がったとしても、フォロワーは着いて来ない。言うまでもなく、インフルエンサーに依頼しても再生数やリーチ数を保証されるわけではない。

しかし、インフルエンサーが数万人にフォローされているということは、その数万人の方たちと信頼性や権威性を背景に、有機的に結びついていることに他ならない。筆者は、誰かがおすすめする商品を購入する流れこそ、情報過多な現代社会でより加速すると思う。

まだインフルエンサーに仕事を依頼したことがない方は、ぜひ適切なタイミングを見計らって活用してみていただきたい。

▶次回:
「プレスリリースの作成と配信。生成AIの活用法」として、農家がプレスリリースを書くメリットや無理のない情報発信について解説。お楽しみに!


 

Profile

福岡こむぎ

農学部/作物学研究室(研究作物:パン用コムギ)を卒業。
食・農業領域専門のコンサルティング会社で農家さんのECサイト運営や自社の広報に従事したのち、集客施設の開業&広報チームの立ち上げに携わる。現在はフリーで活動中。
大学時代には、ミャンマーの農村部に長期滞在して農業の資材屋ビジネスに携わったり北海道で酪農の住み込みバイトをしたり。生命力強め。

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