【GPECリポート⑨】営農効率化や収益向上をサポートする施設園芸ソリューション
2026.08.10
2026年7月15日~17日、国内最大規模の施設園芸・植物工場展2026(GPEC)が、東京ビッグサイトで開かれた。出展したブースのなかから、営農効率化や収益向上をサポートする 「施設園芸スマート営農支援システム」を紹介する。
最新のスマート農業技術や
省エネ技術が注目を集める
東京ビッグサイトで開催された施設園芸・植物工場展2026(GPEC)
日本の施設園芸は、世界情勢の緊迫化に伴う原油高や原材料費の引き上げなど、外部環境の急激な変化に直面している。ハウスの新規建設費用や維持管理費は、かつての生産環境と比較して1.5倍から2倍近くにまで上昇しており、生産者の経営を大きく圧迫している。さらに、夏場の猛暑や地球規模の気候変動は作物の安定生産を脅かす深刻な要素となっており、迅速な対応が緊急の課題となっている。
こうしたコスト面や環境面での厳しさが増す一方、現場を支える労働力の不足もより深刻化している。加えて、国が進める「みどりの食料システム戦略」に見られるように、生産性の向上と環境負荷低減を両立させた持続可能な農業への転換という新たな指針への対応も求められている。
「施設園芸・植物工場展(GPEC)」は2年に一度開催される。今回は国内外から265のブースが出展し、最新のハウス資材や環境制御システム、自動化・省力化機器、植物工場向け栽培設備などが披露された。生産性向上や燃油・資材高騰への対策、異常気象対応といった現代の農業経営者が直面する課題を解決する、最先端のスマート農業技術や省エネ・エネルギー活用技術が注目を集めていた。
営農効率化や収益向上をサポートする
施設園芸支援システム
株式会社クボタの展示ブース
株式会社クボタは、スマート農業を通じて現場の労力軽減と収益性の高い経営体質への転換を強力に支援する。同社が展開する革新的な機器や栽培サポートは、少子高齢化に伴う労働力不足や熟練技術者の減少といった課題に悩む現場に対して、実践的な解決策を提示している。施設園芸における日常的な水やりや施肥は、品質を左右する極めて繊細な作業であり、こうした定常業務の自動化と高精度化を両立する仕組みが求められている。
特に同社が提供する「ゼロアグリ」は、センサーが測定する土壌水分の状況に加えて、気象情報の予測データを統合的に解析し、クラウド上のシステムが最適な潅水量と液肥の配合を自動で調整する。これにより、天候が目まぐるしく変化する環境下でも作物の負担を和らげ、最適な生育土壌環境を維持できる。
さらに、画像解析技術を応用した「Hamirus(ハミルス)」は、作物上部に設置したカメラが葉の微細な傾きや状態を直接捉えてしおれの兆候を検知し、設定したしおれ率に基づいた潅水を自動で行う。経験が浅い作業者でも、システムを通じて的確な水管理が行えるため、管理負担の大幅な軽減と生産体制の平準化が可能となる。これらのデジタル技術を融合したアプローチは、限られたリソースの中で高い栽培成果をもたらし、次世代へ繋ぐ持続可能な農業経営を強力に先導する。
DATA
取材・文/アグリジャーナル編集部
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