鈴木農相 9月11日記者会見「中国便乗客の手荷物のヤギ肉から口蹄疫ウイルス、水際防疫の徹底を進めていきたい」

鈴木農林水産大臣は9月11日の記者会見で、北海道 新千歳空港の動物検疫において、中国から到着した乗客が持ち込もうとしたヤギの生肉から感染性のある口蹄疫ウイルスが検出されたことについて、「水際防疫の徹底と体制の強化を進めていきたい」と述べた。

メイン画像:記者会見する鈴木農相(出典 農林水産省)

鈴木農水大臣
記者会見概要

大臣 本日は、私からは2点、御報告がございます。まず1点目は、フードテック戦略推進グループの設置と発足式についてです。

本年7月に閣議決定されました日本成長戦略における戦略17分野の1つ、フードテックにつきまして、戦略的に遂行するため、本日、大臣官房に「フードテック戦略推進グループ」を設置をいたします。この機会に、省一丸となってフードテックの推進を、取組を進めていくために、本日13時半から、同グループの発足式として、看板かけを行わせていただきます。また、グループの皆さんに集まっていただき、私から訓示を行います。この式には、城内日本成長戦略担当大臣にも御出席いただく予定にしております。

2点目は、「第2回クビアカツヤカミキリ対策本部」の開催についてです。第2回対策本部を、本日15時から環境省にて開催をいたします。

今回の対策本部においては、環境省を始めとする関係機関と連携して作成をいたします、クビアカツヤカミキリ防除戦略の案を諮らせていただきます。7月31日に開催をいたしました第1回の対策本部においては、構成員である関係省庁、全国知事会、全国市長会、全国町村会と被害状況などについて意見交換を行い、今後の対策に向け、防除戦略を策定し、関係者が一丸となって対応していくことについて申し合わせを行ったところであります。

また、今月の9月3日には、私も対策本部の本部長として、和歌山県の被害園地に足を運び、被害状況や地域での対策を目の当たりにさせていただきました。改めて、危機感と、そしてスピード感を持って取り組んでいく必要があると認識をしております。本戦略の下で、関係者が一丸となって、クビアカツヤカミキリのまん延防止対策に取り組むことができるよう、しっかりと議論したいというふうに考えております。詳細については、後ほどプレスリリースをいたします。 

―2点お伺いいたします。まず、東海地方などの大雨について、現状把握している被害と対応について教えてください。

大臣 台風24号及び秋雨前線の影響で先週から続いております大雨により、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。農林水産省では、昨日10日までに延べ35名の職員を青森県、秋田県、福島県、愛知県、岐阜県にMAFF-SATとして派遣し、被害状況調査などを進めています。

農林水産関係の被害につきましては、本日8時時点で、青森県から沖縄県までの17都県において、農地・農業用施設188か所、林地・林道38か所の損壊などが確認をされております。引き続き、現地との連携を密にし、被害状況を迅速に把握するとともに、必要な対策を進めさせていただきます。 


―2点目が、大阪港埠頭ターミナル社における輸入小麦への殺虫剤の誤使用について、事実関係と農水省としての対応をお聞かせください。

大臣 大阪港埠頭ターミナル社、これは大阪市の第3セクターでありますけれども、ここにおいて、本年8月に、民間企業から保管管理を委託をされている小麦に、使用が認められていない殺虫剤を使用し、当該小麦を出庫していたこと、また、過去にも同様の事案が確認された旨、10日木曜日に公表されました。

本件について、農薬取締法違反に該当し得るため、昨日10日木曜日に、大阪府と連携して立入検査を行いました。今般の状況を踏まえて、まず、倉庫業界全般に注意喚起を行うとともに、大阪港埠頭ターミナル社に対し、同社の保管業務に係る改善が確認できるまでの間、国家貿易で輸入する小麦を同社サイロに搬入しないことを求めるほか、今後、必要な指導を行うこととしております。 

―動物衛生の水際検疫についてお伺いします。1月に、新千歳空港の検疫で摘発された畜産物から、感染力のある口蹄疫ウイルスが検出されていたことがわかりました。外国人の方々の往来も増える中で、産地からは不安の声が上がっています。今回の事案に対する大臣の受け止めと、アフリカ豚熱の侵入なども懸念する中で、今後、水際検疫を強化していくお考えがあるかお伺いします。

大臣 事実関係について申し上げますと、本年1月に、中国から新千歳空港に到着した旅客のスーツケース内から、手荷物として持込みが禁止をされている肉が見つかりました。動物検疫所の職員が、ヤギ肉であることを確認をいたしまして、全量回収した上で、精密検査を行ったところ、感染性のある口蹄疫ウイルスが検出をされたところです。

本件については、既に4月に公表しておりましたが、今月9日の農林水産省主催の防疫対策会議において言及がありましたので、今、報道されているということかと考えております。携帯品などの検査で感染性のある口蹄疫ウイルスが確認をされたのは、本件が国内では初の事例となります。

水際での防疫措置の徹底により、重大な家畜の伝染病の侵入を食い止めるということは、極めて重要であります。このため、令和8年度においても、家畜防疫官544名、これは前年度よりも3名の増員、そして、検疫探知犬、これは140頭、この体制で入国者の携帯品についての質問・検査、発見された違反畜産物の廃棄、輸入検査に係る違反についての罰則の適用などに対応しているところであります。引き続き、水際防疫の徹底と、体制の強化を進めてまいりたいと考えております。 

―昨日開かれた、内閣府の国家戦略特区の諮問会議の場で、北海道十勝地方のほうで、AIなどの先端技術を活用した農業を推進する、戦略特区に指定されることが決まりました。この件について、農水省として特区指定の意義ですとか、あと期待について教えてください。 

大臣 昨日、十勝AI農業特区、これが指定をされたということで、私としても、大変前向きに皆さんが取り組んでいただいていることに、敬意を表したいというふうに思います。

この特区ですけれども、帯広市を始め十勝管内の19の市町村において、帯広畜産大学や農業試験場など、農業と食の研究機関や農業機械メーカーが集積をしている場所であるということ、そして、道央地域と道東地域をつなぐ交通の要衝にあり、AI農業研究の拠点化や、AI農業技術の開発・実証、実装環境の整備の先進地となるポテンシャルを有することが考慮されたものだというふうに承知をしております。

今後、農業者の減少が見込まれる中で、AIを活用した農業先進地の実現と、これによる生産性の著しい向上は重要な課題でありますし、食料供給力の向上につながるものだというふうに考えておりますので、大変期待をしているところであります。

やはり北海道も、私も毎週末お邪魔をさせていただいておりますけれども、そうは言っても、人の数がどうしても減ってくるという中で、いかに少ない人でたくさんの農地を維持をして、また、そこに生産性を上げて、供給力上げていくかという課題に向き合っていただいているというふうに思いますので、今回も、例えばですけれども、自動走行のトラクター、これは圃場の中では自動走行可能ですけれども、公道ではそれは認められていなかったり、またドローンも、人がちゃんと見ている場所じゃないと今のところ使えないということですから、それが例えば夜間とか、必要があれば使えるようにするとか、色んな、この特区を通じて可能性というのが見えてくれば、食料供給力の向上ということになろうかと思いますので、大変期待をしております。 

DATA

鈴木農水大臣 記者会見概要
鈴木農水大臣記者会見 動画


取材・文:アグリジャーナル編集部

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