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農業×ブランディング最重要課題! F.I(ファーム・アイデンティティ)構築のススメ

ブランディングとは、簡単に言うと、独自の価値を創造し、他との差別化を図る経営戦略のこと。農業×ブランディングにおいて重要な「ファーム・アイデンティティ(F.I)」とは?

メイン画像:北海道・美瑛町にある「本山農場」。2014年に農場のオリジナルブランドとして「MARUMO」を立ち上げた。4代目農家として「事業継承のモチベーションを高める“旗印”が欲しい」と株式会社ファームステッドにブランディングを依頼。祖父の形見にヒントを得た、伝統的な家紋のような骨太なロゴマークがブランドの顔になっている。

自分が何者かを確認し、
やる気を引き起こす手段

農作物や加工品に込めた思いやこだわり。それらをわかりやすく翻訳してアウトプット、つまりデザインしてこそ、消費者に届きやすくなる。現代の農業に、“デザインの力”はいわば必須だ。

「今は、農業と消費者の距離が近い時代です。産地、安全性や栽培方法、生産者についても、消費者側が興味を持つようになり、『知りたい』という社会的なニーズも高まっています。どんな風に育てられ、どんな特徴があるのか。背景にある物語や取り組みについて、より丁寧に伝える必要性が出てきたんだと思います。農家や生産者はもっといい意味での自己主張が求められているのではないでしょうか」。

そう語るのは、農業をはじめとする一次産業を中心に、デザイン・ブランディングを手掛ける株式会社ファームステッドの長岡淳一さん。ロゴやパッケージデザイン、商品開発、販売戦略など。幅広い案件に関わるなかで重視しているのが、「ファーム・アイデンティティ(F.I)」という独自の哲学だ。


農業における
デザインの役割とは?

「コーポレート・アイデンティティの略語、『CI戦略』という言葉がありますよね。コーポレートは会社、アイデンティティは個性や独自性。つまり、企業の理念や特性をビジュアル化し、デザインを統一することで、企業文化をPRする戦略のことです。

それを農業に当てはめたのが『F.I』。自分たちは何を目指していて、得意分野、自信を持って提供できるものは何なのか。『F.I』を作るにあたって、本当に伝えたいことをもう一度考えて整理する。それがデザインの柱になります」。

「F.I」を定めることで、他社との差別化、ブランド価値の向上など様々な効果が望めるが、最大のメリットについて長岡さんは、「自分が何者なのかという意識を最高に高めて働くことができること」だと話す。

「理念や思いが目に見える形でクリアになると、仕事に誇りを持てるようになる。やるべきことが明確になり、モチベーションも高まります。デザインやブランディングとは、ただ単にきれいでオシャレなものを作ることではないんですよね。思いを伝えること。そして、経済的指標では計れない前向きな気持ちを呼び起こすことも、農業におけるデザインの役割だと考えています」。

教えてくれた人

株式会社ファームステッド代表取締役/クリエイティブディレクター

長岡淳一さん


1976年北海道帯広市出身。デザインで農業と地域を発信するモデルを作る地域振興ブランドプロデューサーとして日本全国で活躍中。グッドデザイン賞など受賞多数。6次産業化プランナー。



文:曽田夕紀子(株式会社ミゲル)

AGRI JOURNAL vol.19(2021年春号)より転載

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2021/4/15発行

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