鈴木農相 7月28日記者会見「備蓄米の早期買い戻しを断念、全国の作柄を踏まえて最終判断」
2026.07.28
鈴木農林水産大臣は7月28日の記者会見で、政府備蓄米の早期買い戻しを断念し、「全国の作柄が8月末にはおおよそわかってくるので、その状況を踏まえどの程度買い戻しするかを判断したい」と述べた。
メイン画像:記者会見する鈴木農相(出典 農林水産省)
鈴木農水大臣
記者会見概要
大臣 本日10時から、「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の策定に向け、食糧部会を開催をしております。基本指針においては、備蓄運営に関する事項が含まれます。政府備蓄米は、適正水準が100万トン程度とされている中で、現状は32万トンとなっており、食料安全保障の観点から、適正水準への回復を進めていく必要があります。
このため、本日の食糧部会において、需給見通しに加えて、政府備蓄米の買戻しの検討について、委員の皆様に御議論いただくということ、そして、買戻しの具体的な数量や時期などをどうすべきかという検討を進める上で、市場における流通状況・在庫等の需給動向、令和8年産米の作柄の状況などを勘案し、市場における価格動向への影響がないように留意することを私の方から事務方に指示をしております。
―1点目は、今、お話があった備蓄米の買戻しについてですけれども、現時点では、時期や数量の判断は先送りしている状態ですけれども、具体的な判断の基準、特に需給状況の中でどうなった場合に、時期・数量をどう設定されるかなど、何か目途はあるのか教えてください。
大臣 あらかじめ私の方からこういった議論をして欲しいというふうに申し上げることはありませんが、委員の皆様には、買戻しにつきまして、忌憚のない御意見をいただくことを期待をしております。一般論として申し上げますと、例えば、買戻しのタイミング、そして数量、対象となる年産などについて、御意見があれば、しっかりと伺いたいと思います。
そして、先ほども申し上げましたけれども、7月の下旬から8月の上旬にかけて、主産地においては、稲の出穂期を迎えております。その出穂期の出穂の状況が、8月15日頃には、全国的に見えてきて、その作柄というのが8月末にはおよそ分かってくるかと思いますので、そうした状況をよく踏まえて、どの程度買戻しをするか、そういったことを判断させていただきたいというふうに思っております。
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― 2点目ですが、これも食糧部会に関連するところですが、6月末の民間在庫は過去最大で、一層主食用米の価格下落が懸念される一方で、非主食用米の不足しているという状況は、大臣は以前からおっしゃっている中で、状況は変わっていないと思われますが、それぞれ主食用、非主食用の需給状況をどのように見られているか、改めてお願いします。
大臣 本年6月末時点の令和8年産の作付意向を踏まえて、令和9年6月末の民間在庫量については、263万トンから281万トンと見通しております。現時点では、本年6月末の民間在庫量243万トンと比べ、更に増加すると見通しておりますが、8年産米の作柄の状況や、今後の需要動向にも左右されることから、まずは、米の需給状況について、引き続き、緊張感を持って注視をしてまいりたいというふうに考えております。
その上で、主食用米については、本日公表いたしました令和8年産の6月末時点の水田における作付意向調査結果において、作付面積が136万ヘクタールとなりました。これにより、平均的な単収の場合、令和8年産米の主食用の生産量が、需要量の見通しの上位値である711万トンを上回る732万トンに相当しているということになります。
他方で、飼料用米や米粉用米などの非主食用米については、生産現場からの聴取調査において、需要に比べて生産意向が下回る状況というふうに認識をしております農林水産省といたしましては、8月20日までは、営農計画書などの変更を可能としております。そうしたことから、改めて本調査結果などのきめ細かな情報提供に努め、多様な米の需要に応じた生産を推進してまいりたいというふうに考えております。
―食糧部会の話ですけれども、令和7、8年の需要量が、683万トンとなり、見通しよりも少なかったことがわかりました。インバウンドを考慮する算出方法に変更したり、期中にも見直しをしたり、精緻化に努めてこられたとは思いますが、それでも民間輸入の増加などもあって、需要を見通すことは難しい状況にあったと思います。こうして、需要見通しがなかなか当たらない中でも、需要に応じた生産が求められる生産者から、農水省への信頼が揺るがないのか、今回の結果を踏まえた受け止めをお聞かせください。
大臣 令和8年3月の米の基本指針においては、令和7年7月から令和8年6月までの主食用米の需要量を、1人当たり消費量、そしてインバウンド需要の動向、精米歩留まりなど、当時のデータを基に、691万トンから704万トンと見通したところであります。他方で、同じ時期の主食用米の需要量の実績を見ますと、直近のデータを基に683万トンであったため、今回の基本指針では、3月の需要量の見通しと比べ、8から21万トン下回る乖離が生じているところであります。このような乖離が生じた要因としては、米価が過去に比べて高い水準にある中で、枠外輸入量が増加をしているということ、そしてまた、価格の低下を期待する実需者などにおいては、国産米の購入量が鈍化する傾向にあったためではないかというふうに考えております。
農林水産省としては、需要量の見通しについて、現在、人口減少や直近1人当たりの精米ベースの消費量の実績、そしてインバウンド需要の動向をできる限り正確に把握した上で、精米歩留まりも考慮する方法としておりますが、今後は、改正食糧法に基づく新たな届出制、そして定期報告による流通実態の把握強化なども踏まえ、更なる精度向上に向けて、取り組んでまいります。また、生産現場の皆さん、国が出す需要の見通しだけではなくて、各地域の集荷をしていらっしゃる皆さんの販売の動向がどうなのかといったような情報も含めて、地域では共有されているというふうに考えますから、そうしたことを総合的に踏まえて、今後の作付け、考えていただけると大変ありがたいというふうに思います。
DATA
取材・文:アグリジャーナル編集部
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