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【農業WEEKリポート④】繊維加工技術を最大限生かして農業分野の製品展開

2024年10月9日(水)~11日(金)、国内最大規模の農業・畜産の総合展「第14回 農業WEEK(通称 J-AGRI TOKYO)」が、千葉市の幕張メッセで開かれた。展示されたソリューションのなかから、繊維加工技術を最大限生かして農業分野の製品を展開している企業を紹介する。

日本とアジアの農業市場の
持続可能な発展に貢献

農業WEEKは、毎年5月に熊本市のグランメッセ熊本、10月に千葉市の幕張メッセで開催される農業・畜産の展示会。農業資材、スマート農業製品、畜産資材、6次産業化製品、脱炭素・SDGs製品が日本国内だけでなく世界の国々から出展され、農業法人、畜産農家、農協、参入検討企業などが来場する。

日本最大の農業・畜産の総合展として年々拡大を続けてきた「農業WEEK」は、次のステップに進むため、通称をJ-AGRI(ジェイアグリ)に変更している。「日本とアジアの農業市場の持続可能な発展に貢献する」ことをビジョンに掲げ、農業に関わるすべての人にベネフィットを提供することを目指す。今回は同時開催展含めて約900社が出展し、大勢の来場者がつめかけた。

繊維加工技術を最大限生かして
農業分野の製品展開

東レの展示ブース東レの展示ブース 中小型動物が対象の獣害対策ネット「かたまったくん」

東レは、1926年に創立し、基礎素材メーカーとして、創業時からの繊維をはじめ、樹脂・ケミカル、フィルム、炭素繊維複合材料、電子情報材料、医薬・医療、水処理・環境といったさまざまな分野で先端素材を創出している。近年はバイオマス由来、リサイクルなどの環境配慮型製品の開発にも注力している。農業資材分野においても、繊維加工技術を最大限生かしお客様のニーズに対応した製品展開を推進している。

会場では、「“Materials Change Our Lives” 農業資材、陸上養殖分野への変革」をテーマに「農業畜産ゾーン」と「陸上養殖ゾーン」を設置し、東レの先端材料と先進技術を披露した。農作物の高温に対するリスク軽減と労働環境改善に貢献する遮熱シート、獣害ネットシステム、軽量繊維による防鳥線、畜舎向け減臭シート、PLAのメッシュを用いた苗床、果実保護袋、陸上養殖向け硬質漁網、係留ロープを出展して、来場者の注目を集めていた。

獣害対策ネットについては、ネットメーカーのナカダ産業(静岡県島田市)と共同開発した中小型動物が対象の複合柵(電気柵+物理柵)「かたまったくん」と、新規開発製品である鹿を対象とした大型タイプ物理柵「鹿たまったくん」の2つを展示した。
獣害対策ネット「鹿たまったくん」は、約7割が鹿によると言われている森林の食害などの被害や、深刻さを増す農業被害の切り札となる繊維製獣害対策ネットである。東レ製の熱硬化性PET「シュメルツェン®」を使用した硬化ネットは、従来のステンレス線入り防獣ネットを上回る耐摩耗性を持っている。それに加えて耐候性も高く、自立性があるため施工時間も格段に短くなった。

 

DATA

東レ株式会社


取材・文/ 高橋健一

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