成功する農業後継 事業承継をうまく進める順番とは?
2018/02/09
倒産寸前だった北川鶏園は、後継の息子の手で経営を"見直し"、洋菓子店がこぞって購入する有名な鶏園に生まれ変わった。北川鶏園の実体験から学ぶ、3つの事業継承ポイントと、先代の想い・北川親子からのメッセージを紹介する。農家の事業承継のヒントが見えてくる!
北川鶏園から学ぶ
農業事業承継成功のポイント
ポイント1.先代の想いを知り、生かす。自分の耳で、ユーザーの声を聞く。
北川鶏園の先代・富基さんは、長年、エンドユーザーのことを考えた養鶏の経営選択を行い、独自の視点で技術を磨いてきた。
後継・貴基さんは最初、先代のたまごの強みを理解していなかったかもしれない。しかし、自社商品を持ってお客様のもとを訪れ、お客様の声を聞き、自社商品の強みに気が付いた。
その後、強みを生かした独自の販路を開拓し、ビジネスモデルを築いた。既存商品のあり方に甘んじず、さらに生かして、うこっけい卵などの新たな挑戦を始めている。
ポイント2.本業(生産)と離れたところで、小さな成功をくり返す
後継・貴基さんが26歳のとき、大口の販売先(卸)との取引が停止になり、先代・富貴さんから「営業開拓をしてくれないか」と要請される。貴基さんは、これまでとは異なる業種への販売営業がなかなかうまくいかず、1年間は成果が出なかった。
それでも先代は粘り強く営業活動を続けさせ、貴基さんも地道に続けていった結果、1軒のケーキ店で採用された。一軒一軒のケーキ店を開拓していくことは、大口卸店と商談するより地道な作業であったに違いない。
この段階で小さな成功を積み重ねたことで、後に千葉No.1ケーキ店で採用されることになり、現在の直販での商流、ビジネスモデル構築に繋がった。