生産者の取組み

国際的に必要性の高いバイオスティミュラントって? 生産者にとっての“次の一手”になる

今まさに脚光を浴び始めたバイオスティミュラント。「何故、今バイオスティミュラントが必要なのか?」という理由や将来展望を、日本バイオスティミュラント協議会の事務局長を務めるアリスタライフサイエンス株式会社の須藤修さんに伺った。

注目される新しい農業資材
バイオスティミュラント

バイオスティミュラント協議会が発足したのが2018年1月のこと。そのわずか1年後となる2019年7月に開催された第2回講演会は400人近くの方が来場されました。

業界大手の企業が加わるなど会員企業も着々と増えており、今や58社(2019年9月現在)に至っています。

このように注目が集まっている理由は、バイオスティミュラントの必要性が国際的に脚光を浴びていること。日本も例外なく異常気象に起因する農作物へのダメージが増えつつあることなどにあります。

バイオスティミュラントとは何か、その定義すらなかったのが一年前の状況です。現実的には、日本でも既にバイオスティミュラント製品が販売されているのですが、農業におけるそれらの資材の位置づけが不明瞭な状態でした。

この状態では、生産者様がバイオスティミュラント製品に興味を持ったとしても、いつ何を使ったら良いのか判断するのは難しい。

まずは『一度交通整理をして、バイオスティミュラントを理解したい』と多くの農業関係者が同じことを感じた結果、業界が一気に動き出したのだと思います。バイオスティミュラントの定義を明確にするということは、言い換えれば、新しい産業ジャンルを確立するということ。そうなれば生産者様に広く知って頂くことができ、今よりもっとお役に立てるはず。

協議会では現在、製品の効果や安全性などについて、規格化・標準化を行うために、関係省庁とも議論を開始しました。また、大学や研究機関のバイオスティミュラントに関係しそうな先生方にも働きかけています。バイオスティミュラントが生産者様にとっての“次の一手”として選ばれるために、今ようやく業界だけでなく、産学官の関係者が手を取り合って動き始めたところなのです。


前途が明るいBSだが
未解決の課題も

一方で、まだバイオスティミュラントについて、『効果のない怪しいモノではないか……』と不審に感じる方もいらっしゃるかもし
れません。それについては規格化・標準化することが解決への糸口だと考えています。

協議会の会員企業となっているメーカーは科学的データをもって、その有効性や安全性などを説明していくような仕組み作りを進めれば、協議会メンバーの製品は安心して使っていただけるはずです。バイオスティミュラントは万能ではありませんから、植物に適したライフステージで(タイミングを合わせて)適した製品を適量与えることで効果が出てきます。速効性のあるものばかりでなく、使い続けることで効果を発揮する製品もあります。

研究者を巻き込みながら、メーカーと生産者様が手を取り合ってノウハウを蓄積して広めて行く……そうしたサイクルを作って行く必要があると感じています。

そのため将来的には、バイオスティミュラント製品の作用機序を明確化すること、また評価体系を確立することも求められます。何時、如何なる環境下で、どのバイオスティミュラント製品を使うと、どのような効果が得られるのか。それが分かれば、生産者様の手が自然とバイオスティミュラント製品に伸びるはずです。

バイオスティミュラントは、農薬、肥料や土作り、そして適切な水管理、施設環境の制御などと補完的に組み合わせて使うことで、農業の高効率化が実現できるようになります。残された課題を克服すれば、きっと生産者様にとっての次の一手として選ばれるようになるはずです。
 

PROFILE

日本バイオスティミュラント協議会
事務局長

須藤修さん


Text » Reggy Kawashima

AGRI JOURNAL vol.13より転載

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