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生産者の取組み

ロボット草刈機で業務改善! 作業の効率化で黒字経営を目指す、新規就農者の挑戦

新規就農から3年目、黒字化に向けて奮闘する、福井県の柳澤農園。2年間で見えてきた課題と成果を見つめ直し、導入を決めたのはロボット草刈機だった。ホンダのロボット草刈機「グラスミーモ」の果樹園での活用について、リアルな声をレポートする。

▶︎過去に取材したグラスミーモの記事はコチラ!

新たな土地に飛び込み
果樹と野菜を生産

福井県の農業といえば水稲が知られている。高品質なコシヒカリのほか、ハナエチゼンなども作付されており、直播栽培やドローン、IT技術を駆使して、先進的な栽培にも力を入れている。その一方で、福井県北部にある坂井市の北部は坂井北部丘陵地域と呼ばれ、スイカ、メロン、トマトなどの果菜類のほか、果樹生産も盛んな福井県随一の園芸産地となっている。
そんな坂井北部丘陵地域で3年前に新規就農したのが、柳澤農園を営む柳澤武典さん(46歳)だ。

柳澤農園 柳澤武典さん

滋賀県で生まれ育ち、工場で生産管理の仕事をしていた柳澤さんは、新たな土地で新しい挑戦をしたいと、40歳手前で第二の人生を模索。移住フェアや農業フェアに参加して、福井県が新規就農者を手厚くフォローしていることを知り、福井県に飛び込んだ。ふくい園芸カレッジで2年間学んだ後、2020年に新規就農を果たした。3年目を迎える現在、梨20a、スイカ40a、大根20aを育てている。

柳澤農園で生産する梨。今年は摘果を適切に行い、出荷量を増やせるはず


経営改善のためには
時間の確保が必要

就農3年目となる柳澤さんだが、まだまだ課題は山積している、と語る。2年間で果たせなかったのは「年間を通じたサイクルを確立する」ことなのだとか。ふくい園芸カレッジでの2年間で、それぞれの作物の栽培方法は学ぶことはできた。だが、あくまでも「教わっていた」のであって、「自分で栽培した」わけではなかった。独立した現在は、今、自分が何をすべきか、を自分で判断して行動せねばならない。朝は何時に起きるのか、何時、何処で何をするのか……1年を通じて、業務を効率的に行うことができていなかったという。

「就農2年目の昨年も、黒字化を目指したものの、上手くいきませんでした。収入を増やそうとスイカのための農地を新たに借りる計画を立てて苗を仕入れたのに、土壇場になって借りることができず、苗が無駄になってしまいました。また5月には大雨で苗が水に浸かってしまいました。挽回すべく期待していた梨も摘果作業に手が回らず、そのせいで黒星病が発生してしまい、半分ほどを廃棄せねばなりませんでした。結局、収入を得られたのは、冬の大根だけ、という有様でした……
ただ、成果もあったんです。それは、変な言い方になりますが、“黒字化のためにすべきことに手が回らない(時間が足りない)”という課題を明らかにできた、ということ。そのために作業の効率化に取り組むことで、いよいよ黒字化の道筋が見えてきたのです」
 

効率化できる作業として
草刈りに着目

「日々の作業のなかで、とくに効率化できていなかったのが、梨園の除草でした。昨年まで、梨園の草刈は刈払機で行っていました。面積は20aと広くはありませんが、そこに梨の木が48本植わっています。頭上には枝が伸びていますから、中腰姿勢のまま刈払機を持って作業せねばなりません。そのため圃場全体を刈るのに丸2日を要していました

刈払機で草を刈っていた頃の写真。根こそぎ草を刈ることができず、まばらな状態。

当時刈払機で行っていた草刈りは、時間をとられるだけでなく、さらに別の課題も生んでいた。
「草刈りは体力的にもキツいため、雑草の勢いが弱い6月までは頑張れたんですが、7月になると作業が追い付かなくなってしまいまして……草丈が50cmを越えてしまい、遂には共同防除のSS(スピードスプレイヤー)が入れないほどでした。それが摘果不足→黒星病→減収、という悪循環をも招きました。そこで自動で草刈をしてくれる機械を探したところ、ホンダのロボット草刈機『グラスミーモ』に出会ったというわけなんです」

ロボット草刈機『グラスミーモ(grassmiimo)』

 

 

グラスミーモの導入で
草刈り作業から開放

柳澤さんは、課題解決=「作業効率化」のために『グラスミーモ』を導入。『グラスミーモ』に梨園の草刈りを任せて、その間、夏に繁忙期を迎えるスイカの管理・収穫と、昨年は手が出せなかった梨の摘果を行おうと考えたのだ。

「導入にあたっては乗用タイプも検討しました。乗用草刈機でも作業時間と労力は削減されますが、結局乗用中の時間はかかってしまいます。また、金額についても、私のところのように果樹畑が1面だけで4反ほどであれば、乗用草刈機を買うよりもロボット草刈機を買ったほうが費用対効果が高いと思いました。

ロボット草刈機は『グラスミーモ』以外にもありましたが、販売店が近くにありフォローして貰えそうだったことと、機能説明がわかりやすく、『グラスミーモ』に決めました」

グラスミーモに草刈りを任せて、その時間に他の作業を行える。

あらためて『グラスミーモ』について復習しておこう(▶︎過去の取材記事はコチラ!)。『グラスミーモ(Grass Miimo)』は、ロボット芝刈機『ミーモ(Miimo)』の技術を発展させたロボット草刈り機。その機能をイメージするには、「ロボット掃除機の草刈機版」と言えばわかりやすい。草刈をする区画にエリアワイヤーを張って、充電ステーションを設置。圃場に『グラスミーモ』を置き、スタートさせれば、自動でエリアワイヤーで囲った範囲の草を刈り、必要なタイミングで充電ステーションに戻り充電してくれる。

刈高や作業時刻などの設定は、アプリで簡単に行える。

草丈(20~60mmの範囲)や稼働時間などは任意に設定可能であり、スマート農機にありがちな難しい設定が必要ないのも魅力だ。
 

創り出した時間で
お金を生み出す作業を

さて、柳澤さんが『グラスミーモ』の稼働を始めたのは3月初旬のことであり、取材を行ったのは3月下旬。この約2週間、草刈をしていない場所は早くも草丈が脛(すね)ほどに達しているが、『グラスミーモ』が働いた場所はご覧の通り! 見事に設定した2cm程に整っていた。

柳澤さんによると、以前の圃場には『グラスミーモ』の障害物となるモグラが作った凹凸があったが、『グラスミーモ』をしっかり動かすために、モグラを退治して整地を行ったのだとか。『グラスミーモ』の導入で、圃場環境を守るサイクルが生まれていた。

「すべての作業を私一人で行っていますので、草刈のように、必要だけどお金を生み出さない作業は機械に任せたい。そうすることで、自分は人間にしかできない、お金を生み出す作業に腰を据えて取り組むことができるはずです。今年から『グラスミーモ』を導入したことで、夏場のスイカの管理・収穫、それに梨の摘果・栽培管理に、十分に手を掛けることができるはず。

今年の目標は、まずは黒字化すること。そして、そこで得た経験を、私の後に続いている新規就農者に伝えていきたいです。今は簡単に情報が得られる時代ではありますが、実は新規就農者が欲しい情報って、そんなに簡単には手に入らないのです。これから新規就農する若い人が、自分がしたような苦労をしなくて良いように、情報提供をしていきたいです。気軽にお声掛けくださいね」

明るい未来について語ってくれた柳澤さんの足元で、『グラスミーモ』が健気に働いていた。
 

製品データ

ロボット草刈機 Grass Miimo(グラスミーモ)
HRM3000

刈幅:250mm
刈高さ調整:20~60mm(5mm刻み)
最大登坂能力:25゜
最大作業エリア:4000m
価格:643,500円(税込)
※Honda調べ。条件によって異なります。
 

 

お問い合わせ

Hondaお客様相談センター

TEL:0120-112010(平日:9時~12時/13時~16時・土日祝日:9時~12時/13時~17時)


写真:松尾夏樹 文:川島礼二郎

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