【超農祭2025】挑戦を続ける農業者の祭典。節水栽培米グランプリを初開催

挑戦を続ける全ての農業者の祭典「超農祭2025」が昨年12月、都内で開催された。会場では、第1回目となる「節水栽培米グランプリ」の表彰式が行われ、岩手県平泉町の佐々木正樹さんが最優秀のグランプリに輝いた。

メイン画像:第1回節水栽培米グランプリの表彰式。

<目次>
1.環境負荷低減や収量・作業効率も評価
2.輝かしい成功の裏で数多くの失敗談も

第1回節水栽培米グランプリ
●グランプリ
岩手県平泉町/佐々木正樹さん(ひとめぼれ)
●優秀賞
静岡県御殿場市/勝亦健太さん(にじのきらめき)
長野県安曇野市/宮澤和芳さん(コシヒカリ)
新潟県長岡市/石橋一寛さん(コシヒカリ)

環境負荷低減や
収量・作業効率も評価

超農祭は、意欲ある農業者や関係者が集結し、革新的な技術や経営戦略、土づくりなどを学ぶイベントだ。節水栽培米グランプリには、全国各地から30人が応募した。「味」だけでなく、環境負荷低減や収量・作業効率など生産性の視点を加えて審査した。

グランプリの佐々木さんは2025年に初めて節水型に取り組み、「ひとめぼれ」を栽培した。一般的なコンテストの入賞水準と同等の高い食味値を記録し、通常の移植栽培と比較して推定CO2排出量を5分の1まで削減している点が評価された。

「V溝播種の同時側条施肥で、稲が必要とする株元にピンポイントで養分を集中させました。施肥を必要な部分に絞ることにより、ムダな雑草が出なかったので、それが品質につながったのかなと思います」と受賞の喜びを語る。


グランプリに輝いた佐々木正樹さん。(左から2人目が佐々木さん)

優秀賞を受賞した静岡県御殿場市の勝亦健太さんは、中山間地で節水型栽培に挑戦した。「にじのきらめき」で反収8.5俵と、この地域の移植栽培の平均を上回る収量を確保した。

入賞した新潟市の藤田友和さんは、節水型栽培の「高温耐性」に期待する。「湛水すると水根が伸びますが、水を入れなかったからこそ、畑根がずっと生きていて、高温にも強かったのではないでしょうか」。藤田さんは、猛暑に見舞われた2025年にわずか2回しか入水しなかったという。

収穫した米

輝かしい成功の裏で
数多くの失敗談も

輝かしい成功の裏で、失敗談も数多く聞くことができた。

優秀賞を受賞した長野県安曇野市の宮澤和芳さん(代理出席:小松康則さん)は、除草剤を土壌処理した直後に突然の降雨に見舞われた。「雨水によって除草剤の成分が土中に深く浸透し、種子に影響して発芽が抑制されてしまいました」と嘆く。

静岡県御殿場市の勝亦さんは、「耕作放棄地だった場所では、土壌の水持ちが悪く、暑さの影響で立ち枯れした稲もありました」と明かす。

会場では、生産者同士が情報交換して、改善策を相談しあう姿も見られた。


取材・文:佐久間厚志
撮影:金子怜史

AGRI JOURNAL vol.38(2026年冬号)より転載

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