GoogleのAppSheetでアプリを作ろう!【まとめ編】農業経営が変わる!? 農家こそ「自分のアプリ」を持とう #9

ベンチャー企業出身農家のコラム『マシュー農LABO』。今回は、3回にわたりお伝えしてきたGoogle「AppSheet」でのアプリの作り方を振り返る。日々の農作業をもっとスマートに、もっと楽しく。ぜひAppSheetに挑戦してみよう。

<目次>
1. AppSheetとは?農家の「あったらいいな」を形にするツール
2.【導入編】まずは収穫アプリを作ってみよう
3.【応用編】AIの力を借りてデータを「見える化」する
4.【最終回】スマホで使えるようにして、畑に持ち出そう
5. 農家がAppSheetに挑戦する3つの理由
6.「できるかな」と思ったら、まずやってみよう

 

Googleアカウントひとつで
自分だけのアプリを!


プログラミングの知識がなくても、自分だけの業務アプリが作れる。そんな話が、Googleアカウントひとつで実現できる時代になりました。

私はAGRI JOURNALの連載コラム「マシュー農LABO」で、Googleの無料アプリ作成サービス「AppSheet(アップシート)」を使い、収穫記録や圃場管理を効率化する方法を3回にわたってご紹介してきました。

本記事では、その連載をまとめながら、農家の皆さんがAppSheetに挑戦する意義をお伝えします。

やってみようかな・・・と思っていただけると嬉しいです。

関連記事➀➤GoogleのAppSheetでアプリを作ろう!【導入編】
関連記事➁➤GoogleのAppSheetでアプリを作ろう!【応用編】
関連記事➂➤GoogleのAppSheetでアプリを作ろう!【最終回】

App Sheetとは?
農家の「あったらいいな」を形にするツール

AppSheet(アップシート)は、Googleが提供している「ノーコード」のアプリ作成サービスです。ノーコードとは、その名の通り「コード(プログラムの命令文)を書かなくていい」ということ。

普段使い慣れたGoogleスプレッドシート(Excelのような無料の表計算ソフト)のデータをもとに、画面を数回クリックするだけで、スマホやパソコンから使えるアプリが作れてしまいます。

しかも、Googleアカウントさえあれば無料で始められます。

10人以下で使う分には、ほぼすべての機能がタダ
高額なシステム投資が難しい個人農家や小規模経営の方にとって、大きなメリットです。

【導入編】
まずは収穫アプリを作ってみよう

連載の第1回「導入編」では、私がさつまいもの収穫記録を管理するオリジナルアプリを作った手順をご紹介しました。

やることはとてもシンプルです。まず、Googleスプレッドシートに「収穫日」「圃場の記録」「収穫量」といった項目を並べて、データの土台を用意します。
イメージとしては、紙の帳簿に書く項目をそのまま表にする感じです。次に、AppSheetの画面からそのスプレッドシートを読み込ませると、自動的にアプリの画面が出来上がります。あとは見た目や入力項目を調整するだけ

「え、それだけ?」と思いますよね。そう、本当にそれだけなんです。

紙の記録帳やExcel管理から一歩踏み出すだけで、収穫のたびにスマホからサッと記録できる環境が手に入ります。

導入編を読む!

【応用編】
AIの力を借りてデータを「見える化」する

連載第2回「応用編」では、溜まったデータをグラフにして、目で見てパッとわかるようにする方法をお伝えしました。
農業経営においてデータは宝です。でも、数字が表にずらりと並んでいるだけだと、なかなか活かしきれませんよね。

AppSheetには、データをグラフや図で表示する機能がついていて、たとえば「どの圃場の収穫量が伸びているか」「去年と今年でどう変わったか」といったことが一目でわかるようになります。

ここで頼りになるのが、GoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」です。Geminiは人間の言葉で質問すると答えを返してくれるGoogleの無料サービス。
たとえば、データを整理するときに計算式が必要になっても、Geminiに「圃場ごとの合計を出したい」と普段の言葉で聞けば、使うべき計算式を教えてくれます。いわば、いつでも隣にいてくれるIT担当スタッフのようなものです。

つまり、「パソコンが苦手で・・・」という方でも、AIを相棒にしながら一歩ずつ進められる環境が、既に整っているのです。

応用編を読む!

【最終回】
スマホで使えるようにして、畑に持ち出そう

連載の最終回では、作ったアプリを実際にスマホで使えるようにする手順をご紹介しました。

専門用語では「デプロイ」と言いますが、要するに「アプリをどこでも使える状態にする」ということ。料理にたとえるなら、試作品を実際にお客さんに出せる状態にするイメージです。

これができると、畑にいてもスマホからアプリを開いて、その場で収穫記録をつけたり、過去のデータを確認したりできます。

大事なのは、本番で使う前に「ちゃんと動くかな?」と確認すること。
入力がうまくいくか、データが保存されるかを事前にチェックしておけば安心です。

小さく始めて、少しずつ育てていく。このアプローチは農業そのものにも通じると思っています。

最終回を読む!

農家がAppSheetに挑戦する
3つの理由

ここまで連載を振り返ってきましたが、改めて、私が農家の皆さんにAppSheetをおすすめしたい理由を3つお伝えします。

まず第一に、お金がかからないことです。市販の農業管理ソフトは月額費用がかかるものが多いですが、AppSheetならGoogleアカウントさえあれば無料で始められます。

次に、自分の農業にピッタリ合ったアプリが作れることです。
作物の種類や栽培方法、経営のやり方は農家ごとに違いますよね。AppSheetなら「自分が本当に記録したい項目」「自分が見たいデータの切り口」を自由に設計できます。既製品の服ではなく、オーダーメイドの作業着を仕立てるようなものです。

最後に、データを使いこなす力が経営力に直結することです。「なんとなく」の間隔で判断していた部分を数字で裏づけられるようになれば、経営はもっと強くなります。
どの圃場が効率的か、どの時期に人手が必要か。判断の精度が上がることは、農業を長く続けていくうえで大きな武器になるはずです。

「できるかな」と思ったら、
まずやってみよう

私自身、最初から農業のプロだったわけでも、アプリ開発の専門家だったわけでもありません。それでも、AppSheetを使って自分の農園に必要なアプリを形にすることができました。

「自分にはITは無理」「パソコンは苦手だから」そう感じている方もいるかもしれません。
でも、AppSheetではプログラムを書く必要がありません。表に項目を並べて読み込ませるだけで、アプリの原型が出来上がります。わからないことがあれば、Geminiに聞けばいい。

大切なのは、最初から完璧を目指すのではなく、まず「使ってみる」こと。

最初は収穫日と数量だけの簡単なものでも構いません。使ううちに「こんな項目も足したい」「グラフで見たい」と改善のアイデアが自然と湧いてきます。
アプリを育てることは、農業経営を育てることでもあるんです。

日々の農作業をもっとスマートに、もっと楽しく。ぜひAppSheetに挑戦してみてください。

今年もみなさまの役に立てる、いろんな挑戦を実験や失敗も含めて共有させていただきます。2026年もマシュー農LABOをお楽しみに。

プロフィール

藤井マシュー武雄

宮崎県新富町にて、7年前に就農。現在はさつまいもを6ha、大根や人参などの露地野菜を1ha栽培しながら、さつまいも観光農園GOOD TIME FARMを運営。収穫する喜びを多くの人に体験してもらおうと、日々活動しています。GOOD PEOPLES代表。
HP:https://gdps.jp/

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